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たなぼた。

ぼかぁ、
「棚から牡丹餅」ということわざが、
すきなんだなあー。

思いがけない幸運がめぐってくることのたとえ、
と、広辞苑(第七版)には、
記されてあるけれども。

このことわざってば、
棚を開けたら、
棚の牡丹餅が落ちてくる。
というシチュエーションでしょ?

つまりはさ、ほかのどれでもない、
「牡丹餅」というものが、
「思いがけない幸運」の象徴として選ばれている。
ってえのが、なんだか、すてきだし。
「牡丹餅」とは、なんて言うか、
村上春樹さんがおっしゃっていた
「小確幸」のような、
そんな、小さな幸せを感じるの。

そして、そもそもを考えてみると、
「牡丹餅(ぼたもち)」とは、もちろん、
「おはぎ」のことだとぞんじますが。
その「おはぎ」のことをね、いつぞやのころに、
「『牡丹』餅」と名付けられたのが、
よいなあと思うの。

たとえば、
「美しい女性」のたとえとして
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
ということばもあるですが。
「牡丹」というお花がさ、
「美しく座っている」状態を表しているとすれば、
「おはぎ」もね、どこかしら雰囲気的に、
「美しく座っている」かのようなお菓子だとも
言えなくもない。

そんな美しい牡丹餅が、
棚から落ちてくる。
というシチュエーション!!!

はたまた、
「棚から牡丹餅」ということわざは、
「たなぼた」と略すじゃん。

こう略すことわざって、ほかにある?????

「さるおち」とか。
「いそまわ」とか。
「うまねん」とか。
みたいには、略さないし。
「たなぼた」以外で略すことわざ、
ほかにもいろいろあるやもしれんけど。
ぼくは、あんまり、知らないな。

あぁー、そういえば、
「かもねぎ」というのは略しているか!

ことばを略すってえことは、
愛される証でもあると思うから。

いつ「棚から牡丹餅」ということわざができて、
それがさらに、
いつ「たなぼた」と略されたか?
ってゆうのも、わかんないけど。

今でも「たなぼた」で
意味が通じ合うのだから、
愛されているのでしょう、と感じられる。

そんなような、どうか、
ぼくにも、あなたにも、
たなぼた。

令和2年7月10日


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