パスするかのごとく。
ぼくには、
自分独自の考え、というのは、
とくにない。
ぼくのすべての考えは、だいたい、
読んだ本から、とか、
聞いた話から、とか、の、つまりはさ、
だれかからの受け売りだ。
そんな、受け売りのようにして、
じぶんの元へ入ってきた考えを、
パスするかのごとく、
この手と腕と体で動かす、
みたいなことしか、できないんだな。
でも、受け売りとは言っても、
どんな考えでも、
受け売られるわけではないから、
そこには、ぼく自身の、
選択やら、感覚やら、偏向やら、思想やら、が、
入り込んでいるんだろう。はたまた、その、
パスのしかた、とか、動かしかた、とか、にも、
なにかしら、じぶんの、
意思というか、癖というか、ってえのが、
入り乱れているやもしれない。
そういうような「考え」だけに限らず、
そもそも、「ことば」や「言語」だっても、
ぼくが生まれる以前からあったわけだから、
「言語を使うこと」も、たとえば、
バケツリレーの途中で立ちながら、
バケツをどんどん渡してゆく、ってえのと、
近いのかもしれないか。
どんなような物事でも、
この手に持って、パスできるような、
体力を身につけたい〜。
令和3年10月31日