現在をどう生きるか3

第16回 二番手の国

前回noteよりひきつづき、吉本隆明さんの講演『現在をどう生きるか』(1995年9月3日・山梨県立文学館講堂にて)をゆっくりじっくり聴いてゆきます。ほんじつで、第16回めでしょう。]

ぜんかいはね、「さて、こういうふうに価値の浮遊性は現在のとても大きな現象で。その中で我々はしばしば、判断に迷うことがたくさん出てきた。それで例を取ってきたわけですけど。現在一番新聞をにぎわせているのはフランスと中国が核爆発の実験をやった。それに対して反対運動が起きた。その問題は、現在一番リアルに出てきている問題です。」の場面を聴きました。

つづきですー!!

で、この問題について、あの。僕が正しい…、僕は…、僕が正しいと思ってるだけで、ちっとも普遍性があるとは言いませんけどね。
(チャプター03「核実験の論理」/1:13〜)

「この問題について、僕が正しいと思ってるだけでちっとも普遍性があるとは言いませんけど、」

僕が正しいと思ってる判断を申し上げます。あるいは、これに対して、善悪の判断でも、あの、行為の判断の基準でもいいんですけど。僕が思っている基準っていうのを、あの。まあ、例として申し上げてみますと。

「僕が正しいと思っている判断、あるいは善悪の判断でも行為の判断の基準でもいいんですけど。例として申しあげますと。」

例えば、えー、フランスと中国の核実験っていうのはなぜ行われているのか? 行われたか? ってことを言いますと、これは、つまり両方とも、あの。核保有国としては、核兵器保有国としては、二番手の、あの、国なんですよ。

「たとえば、フランスと中国の核実験はなぜ行われたか? を言いますと、これはつまり両方とも核兵器保有国としては二番手の国なんですよ。」

で、一番手はアメリカと、あの、ソ連なわけです。

「一番手は、アメリカとソ連です。」

それで、二番手の国…、国が、国であるフランスと中国が、それぞれ核爆発の実験をやってる。っていうようなのが、現在の、その。核実験の実相であるわけです。

「それで、二番手の国であるフランスと中国がそれぞれ核爆発の実験をやってる。というのが、核実験の実相であるわけです。」

ここでの「実相(じっそう)」という熟語は、【実際の有様。真実の姿。(広辞苑第七版より。)】の意味ですね。聴きながら、その漢字が「実装」のほうかと一瞬思ったけれど、そうじゃあなかった。なにかが実装されているわけがない。他にも広辞苑によれば「実左右(じっそう)」という熟語もあるみたい。

吉本さんおっしゃる「二番手の国」というのは、なるほどぉ、と思いました。

ではではでは、このつづきは次回noteで聴きましょう。。。

平成30年7月28日


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