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いましむるなり。

父が亡くなってから、
通夜や葬儀や三日七日や四十九日などなど、
仏教における宗教的なことも、
いろいろ、知ったのですが。

これまで、「喪中」は知っていたけど、
「忌中」というのは、
その名称は聞いたこともあったとしても、
よくは知らなかった。つまりは、
人が亡くなってから
四十九日までのあいだを、
「忌中」と呼ぶ。とのことで。。

前回ブログではね、
「喪中」の【喪】の漢字を調べてみたんですが。
そういえば、この
「忌中」の【忌】の漢字もさ、
読み方は「いまわしい」だけれども、
「己」の下に「心」を置く、という
シンプルな形でありながら、その漢字を見ると、
どことなくその意味のとおりで
「いまわしい」ような雰囲気を感じるの。

って思ったので、【忌】の字もね、
前回にひきつづきまして、
白川静先生の『常用字解(第二版)』で
しらべてみました。。。

【忌】 キ/いむ・いまわしい・つつしむ
音符は己(き)。音符が同じ字に誋(き)(註・機種依存の字かもしれません。「言偏」に「忌」の形です。)があり、[説文]三上に誋は「誡(いまし)むるなり」とあって、敬(うやま)いつつしんで神に仕える意味である。また忌は跪(き)と音が近く、跪はひざまずくの意味である。己は折れ曲がる形であるから、ひざまずいて体を曲げる姿勢をいい、忌はそのような姿勢でつつしんで神に仕えるときの心情、思いをいう字であろう。禁忌(けがれがあるとして禁止すること。タブー)を守り、身を清め、つつしむことを「いむ」という。いみ避ける、けがれを避けるという意味から、やがて「いまわしい」(縁起が悪い、いやな感じがする)というように意味が展開していった。国語では「いまわしい」とよむ。

【忌】とは、
「敬いつつしんで神に仕える」の意味。
また、「跪(ひざまずく)」と音が近くて、
【己】は「折れ曲がる」形であり、つまりは、
ひざまずいて体を曲げる姿勢であるから、
【忌】は、そのような姿勢で、
つつしんで神に仕えるのときの心情をいう字。
とのことでして。

前回の【喪】は、
葬儀で「泣き弔う」の意味だったですが。
今回の【忌】は、
「つつしんで神に仕えるときの心情」の意味なのだった。
なので、たとえば、
一年間が目安といわれる「喪中」よりも、
四十九日までの「忌中」のあいだのほうが、
より、神に近い場所で祈る。
みたいなイメージなのだろうか。

「喪中」と「忌中」では、
なんとゆうか、そういうような
「距離感」がちがうのだろうなあ。と、
【喪】と【忌】の漢字を調べながら思いました。

そして、さらには、
禁忌を守り身を清めることを
「いむ」と言うことから、
「いみ避ける」や「けがれを避ける」の
意味に展開していって、
やがて「いまわしい」の意味になった。
という、白川先生おっしゃるのは、
なんだか、漢字の歴史を感じるなあ。。。。。

どうしたんだ Hey Hey Baby

令和3年1月14日


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