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「徳を積む」という抽象的で曖昧な感じ。

昨日のブログでは、今年1月期に放映されましたドラマ
『ブラッシュアップライフ』のブルーレイボックスがね、
先日届きまして、それから、このドラマを
あらためて観ていることをしるしました。

ドラマ『ブラッシュアップライフ』は、とある日、
主人公・近藤麻美(あーちん)が不慮の交通事故で亡くなり、
そこから、あーちんは自身の生まれた日へと還り
これまでの人生をやり直してゆく、という
いわゆる「タイムリープ」系のストーリーなのですが。
人生をやり直すという中で、ぼくが好きだったのは
「徳を積む」という設定でした。

ある日亡くなったあーちんは、ふと気づくと
なんか白くてだだっ広い部屋に居て、この場所で
バカリズムさん演じる案内人より、
人生をやり直すことができる旨を告げられる。。。

あーちん:あのぉ、すみません、なんか死んじゃったみたいなんですけど。どうしたらいいですか?
案内人:ではですね、こちらにお名前と生年月日をご記入ください。
(渡された紙に氏名と生年月日を記すあーちん)
案内人:はい、ありがとうございます。少々お待ちください。
(後ろの棚からファイルを取り出す案内人)
案内人:近藤麻美様ですね、33年間お疲れ様でした。では、これから新しい生命にご案内致しますね。
あーちん:あ、もう今からってことですか?
案内人:はい。
あーちん:なんか、こう、インターバルみたいなのは無いんですね。
案内人:インターバルは、無いです。
あーちん:そうなんですね。
案内人:よろしいですか?
あーちん:はい、わかりました。
案内人:はい。ではですね、こちら左側まっすぐ進んで頂きますと扉がございますので、そちらから来世にお入りください。
あーちん:はい。
案内人:行ってらっしゃいませ。
あーちん:ありがとうございます。
(扉のほうへ一旦進むも案内人の元へと戻るあーちん)
あーちん:あ、すみません。ちなみになんですけど、次、どこに生まれ変わるとかってわかったりしますか?
案内人:次? あ、わかりますよ。次はですね、近藤様は、えー、グアテマラ南東部のオオアリクイです。
あーちん:‥‥すみません、何ですか?
案内人:グアテマラ南東部のオオアリクイです。
(「こちらです。」と言いながらオオアリクイの写真を見せる案内人)
あーちん:オオアリクイ。人間じゃないっていうことですか?
案内人:そうですね。
あーちん:なんで私、オオアリクイなんですかね?
案内人:まぁ一応、近藤様の生前の内容に基づいて、オオアリクイということだと思いますけど。
あーちん:私の行いが良くなかったってことですか?
案内人:そうですね。ご希望の生命で無いのだとしたら、必要な徳が不足している可能性が高い、、
あーちん:徳が不足?
案内人:はい。
あーちん:徳が、不足かぁ!
(目の前の台でうなだれながら「あー、うえー」と漏らすあーちん)
あーちん:それは、なんとかならないんですか?
案内人:そうですね。こればっかりはね、一応決まりなので申し訳ございません。

ドラマ『ブラッシュアップライフ』第1話より。

あたりまえのごとく、人間に
生まれ変わるものだと思っていたあーちんは、
じつはそうではなかったことを知り、
さらに、その理由として
必要な徳が不足している、
と、案内人より告げられる。

この「徳」というのがさ、
なんか、すごくって。つまり、これは
宗教的な思想も関係しているやもしれないですが、
徳、つまり、生前のときに
よい行いを積み上げてゆかなければ、
来世で人間に生まれ変わることができない。
ドラマの中でこう伝えることによって、ストーリー的に
主人公がもう一度人生をやり直すときにおいても、
たとえば、一度目の人生の記憶から
ギャンブルでお金儲けする、のような
タイムリープものでありそうな行動を、
登場人物に制限させることができる。

しかも、「徳」というのは
かなり抽象的なことばなのだから、
具体的にどんな行動を取れば、
徳が溜まり、そして、登場人物は
希望の生命に生まれ変わるか、というのも
ドラマを観ているぼくらも、
よくわからないと言えばよくわからない。
なんとゆうか、この
抽象的で曖昧な感じの設定がね、
『ブラッシュアップライフ』の魅力なのやも?
とも思っていたのよね。

そしてその後、いよいよ、
あーちんは案内人より、
人生をやり直すことを告げられるのですが。
あらためてそのシーンを観ながら、
ちょっと思ったことがあるんだけれども、
さらにこのことを書くには、
今回、文章も長くなってしまったので
次回のブログへとつづきます!!!

あーちんが案内人に対して、
「それは、なんとかならないんですか?」
って言いながら、あーちんが生前勤務していた
市役所での窓口対応を思い出して
(この人に言ってもどうしようもないんだろうなあ…)
と思うところとか、好きだなあ〜。

令和5年9月7日

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