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ぼくのこの手と足によって。

じぶん自身の手と足によって、
人生を斬り開く、というのは、
とてもすばらしいことだと思う。

でも、なかなか、
むつかしい、というか、
もしくは、どうしても、
そうもできないこともあるんだろう。

たとえば、
戦争のことだったり、
災害のことだったり、
危機のことだったり、
について考えれば、
じぶんの手と足では、
どうにもならない場合もあるんだろう。

どの時代の
どの地域で、
生まれたかによって、
人生が、決まってしまう、
ということもあるやもしれない。

政治及び経済のことに関して、
じぶんには与り知らないところで、
生活が、決められている、
ということもあるやもしれない。

努力をしても、
才能があっても、
運に恵まれていても、
どうにもできないこともある。

そういうような世界の中で、
ぼくは、ぼくのことを、
なにをどのようにして、
決めることができるものか。

ぼくのこの手と足は、
刃物ではないんだから、
なにかを「斬り開く」ことは、
できないんだとしても、
でも、なんとか
不器用でも動かせながら、
できることを、してゆくほかないか。

そんなときにね、
ぼくの動かしたこの手と足が、
あなたの身体に
ぶつかってしまったら、
ごめんなさい。

令和4年12月19日


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