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【惜別サウナ長文】ホームサウナを失った話

大井・蒲田・川崎エリアに住んでいる私にとって、とても大事なホームサウナが、失われてしまいました。

いつもカプセルホテル&サウナみづほをご愛顧戴きまして、誠に有難う御座います。
突然では御座いますが、長引くコロナ禍の影響により、当社はカプセルホテル及びサウナ営業を、令和3年7月31日(土)をもちまして休業させて戴きます。
永年に渡りご愛顧戴きました皆様に、心より感謝申し上げます。

この書きっぷり、ラスト一文からして、休業と言うよりも廃業に相当するとして読んでいます。大森サウナの雄(と言うか、ここしか無かったんですが、、)が、失われてしまった、、

まさに、巨星、墜つと言うところです。

話を戻すのですが、この大森・みづほはゴリゴリにホームサウナでした。自身が訪れた場所の共有アプリケーションSwarmでも、私はコンスタントにサウナ等もチェックインをした甲斐もあり、メイヤーになっていました。

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コンスタントに通いまくった、人生で作り上げたホームサウナとの、初めての別れ。

少しばかりショックが大きいので、(失われた今大した意味が無いのですが)みづほの紹介や、通う中で生まれた私の思い、そしてサウナとの付き合い方について、思うがままに書き殴りたいと思います。

基本情報

「サウナイキタイ」で一発です。

大森駅から歩いて、商店街に入ってすぐのエリアにあります。ドラマの撮影で良く使われるレトロな喫茶店「ルアン」に相対するポジションで、ルアンに比べるとたたずまいが地味なイメージは拭えない、、

料金は3時間1500円で、近辺のサウナと比べても安い訳では無し。ただし、ベースがカプセルホテルなのでレストランや休憩所も揃っており、しかもレストランは割と安価で色々とごちそうを頂ける、コスパが良い場でした。カプセルホテルとしてのクオリティは分からない、、(ホームサウナ圏なので、泊まる必要が無かった)

ロッテ・石川歩がホームサウナとして愛用している、とのことで一部の野球ファンから注目を集めるサウナでもありました。

さらば、ストロングサウナの雄よ

高温・高湿のバランスをキープして、ウェットさが心地良いタイプのサウナがたくさん出回り、支持を集める中で、銭湯サウナを中心に高温でカラカラな、いわゆる「ストロングスタイルなサウナ」と言う物もたしかに生存しているのですが、みづほはストロング型でも随一の実力で、とても愛用していました。

みづほは、客のマナー等も入れて、良くも悪くも粗雑なサウナとのイメージです。施設そのものは古いながらも手入れがしっかりされている一方で、サウナのポリシーや、客のマナーはかなりファジーと言うか、古き良き自由さが溢れていたと言うか、、マナーについてはぼやかして書きましたが、正直悪かったですね。ドラクエはあんまりいなかったのですが、汗を流してから水に入れよ、、とのおっちゃんサウナーは割といました。

そして、サウナについては、「サウナと水で、温度差付けておけば良いんだろ?あ、水にメンソールも入れておいたからな」と、湿度での快適さ等のエッセンスをガン無視した様な、そんな浅薄なポリシーで作り上げられていた様に思います。

しかし、私はそんな浅薄なみづほのサウナがマイフェイバリットでした。シンプルに高温のサウナ、低温で時にはメンソールも投入していた水、この2種の温度差にぶん殴られるのが、たまらなく好きだったのです。みづほのサウナは100〜110度で、めちゃくちゃに熱いです。ロウリュ・アウフグース等の蒸気パワー無しの条件下で比べれば、人生で入ったサウナで一番でした。水はナンバーワンとは言えないものの、10〜14度の間で絶えず水流を起こしているので、メンソールパワーも加わっている日はめちゃくちゃに冷たい。

結果として、水の周辺に置かれている休憩イスになだれこんだ時、体力はゴリゴリに削られており、もう立ち上がれないに等しい。しかし、ギリギリまで体を追い込んだ末に、休憩時にとてつもないリカバリーを示してくれるのが、みづほの特徴でした。お行儀の良いサウナでは味わえない、理不尽なまでの温度差によるカチコミ。色々なサウナを回る中で、刺激に物足りなさを覚えた時、みづほに行けばそんなマンネリは一発で吹き飛んでしまいました。

正直、ホームサウナと言っても、みづほはその激しいオフェンス力ゆえに、日々行くには体力がキツく、あくまでも蒲田・ガーデンサウナ(ここもSwarmのメンター笑)のサポート役として利用するスタイルでした。ガーデンサウナは割と王道なサウナで、スペースも広いため最も愛用しているのですが、ガーデンサウナに行ってもスッキリしない、そんな予感を感じた時には、みづほでタコ殴りを食らって、心身をリセットしていたものです。

思い出と言う思い出は、、実はあんまり無いです。無いと言うか、みづほでは体力上グロッキーなシーンが大半なので、何も考えること無く、ひたすらに休憩イスの上で昇天して、休憩所のリクライニングチェアでもボーッとして、帰る、そんなパターンしか無かったので、昇天したなー、ぐらいしか思い付かない、、

ただ、「昇天したなー」との味わいに至った確率は、何回か行ったことがあるサウナではみづほが一番だと、今ふりかえると思います。ほぼ100%なイメージ。サウナであーだこーだと下らないことを考えてしまうことも少なからずあるのですが、みづほへ入ると、温度差でタコ殴りを食らう中で、そんな気分が失せてしまっていました。

ある意味で、行けば確実に昇天が出来た場所。さしずめ、みづほのサウナ室の扉は、私にとって、天国への扉だったと言うことでしょう。

それゆえに、もう、天国へは行けないのかと思うと、込み上げてくる物があります。

「サウナがステータス上げの材料にされたこと」の末路を見た気がした

ここからは、ホームサウナを失った上で、改めて思ったサウナとの付き合い方について、私見をザーッと書きます。

直近、主にドラマ「サ道」がリリースされたこともあって、サウナブームが来た!なんて言われます。私はサウナにハマり出したのが、「サ道」リリースの1年前に、たしか大井町・おふろの王様のキングサウナで初めて入ったぐらいからなので、とりあえずはブーム前後を知っている身なのですが、たしかにサウナへの人入りは増えたイメージがあります。

ブームで入ってきた若いサウナーのマナーが、、と言う点は良く言われますが、ここでは一旦置いておくことにします。一人で、黙ってサウナに入れよ、と思うシーンはたくさんあれど、正直若いサウナーと同じぐらい、おっちゃんサウナーでも汗を流さない等のマナーが悪いパターンはある上、今回書きたいことの主題では無いです。

全体としてサウナへの人入りは増えたと思いますが、特にメディアで露出があったサウナの人口アップは相当な物と思います。北欧やマルシンスパ、しきじ、最近では朝日湯ゆいる等は、正直もうキャパオーバーな域まで行っているイメージで、平日に休みをゲット出来た、等でも無ければ行く気が起きないぐらいに、混み合うシチュエーションです。

何と言うか、サウナブームと言っても、それはサウナに対してでは無く、「食べログ高評価のXXへ行ってきたんだ!」に近い様な、有名なサウナへ行ったことがステータスになる、そんな具合なトレンドが起こっているだけな様に、ここ1年ぐらいは感じてなりません。今回、そこに来てみづほ休業とのニュースが舞い込んだことで、結局サウナそのものが好きな人がどこまで増えたんだっけ、や、こんな状況が本当に「サウナへのブーム」なのか、等、どうしても思うところはあります。

当初は、どんなにハリボテで、実体が無いブームだろうと、サウナに注目が集まることで、サウナがパンデミックによって失われるリスクが下がった点では、このブームはありがたがるべきとも思ったものの、みづほに止まらず、様々なローカルサウナ(水道橋・アスカ等)がバタバタと倒れる中で、私はこの考えを捨てることにしました。ブームがもたらした物なんて、ステータス上げが大好きな人間におもちゃを与えてしまった、ぐらいな物だと言うのが、みづほを失った上での正直な感想です。

「サ道」が悪いとは全く思わないです。得てして、コミュニティのサイズが膨れ上がる時はこんな物とも理解はしつつも、やはり愛すべきホームサウナを失ったショックで、どうしても感情的にはなってしまいます。

ステータス上げの材料にならないとして、ブームから捨てられたサウナがたくさんあり、そして不幸にもホームサウナを失った今、ホームサウナを大事にしていきたい、との気持ちを改めて強くしました。自身の肌で味わった結果、ここは良いな、、と感じたサウナへ足繁く通い、愛情と金をたっぷり注ぐ。そんな忠犬型のサウナーでありたいと思うのでした。

評価サイトをありがたがるのでは無く、自身の体でサウナを味わいましょう。これは自戒と同時に、こうしてブログも書いているので、インターネット上にばら撒く私からのメッセージともさせて頂きたく思います。

おわりに

最後に、サウナの中でも、ストロング型の良さを3年程に渡って教えてくれたみづほにはとても感謝しています。一生忘れることは無いです。

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