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香水とそれがもたらす想像 SHIRO/SABON

きみを失いたくなくて、消えそうなきみを掴まえようとした

透き通る白。あるいは半透明のフロストガラス。
うたかたのはかなさ。
きみは消えてしまう危うさを自覚していない。

蓋を開けたままのサイダーの匂い。
甘く弾けて消えていく香り。
きみはそれをまとってバスタブに沈んでいく。
心を明かさずともほのかな残り香は伝える。
きみの内に秘め隠した淋しさを。
溺れたのはきみじゃなくて、きっと僕だ。

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