エアドロップ報酬のロック解除と流通に関する規定

この記事では「HBC Token Model 1.0 ( Updated version of the draft)」の掲載内容を元に、エアドロップ報酬のロック解除と流通 について個別に取り上げます。

なお、エアドロップ報酬の獲得条件については、「キャプテンの業績評価基準」 を併せてご参照下さい。

エアドロップ報酬のロック解除方針

キャプテンには様々な権利(4大特典)が付与されています。その中でもエアドロップ獲得権はキャプテン報酬の中核をなすものです。

まず、あらゆるキャプテン報酬はHBCでお受け取り頂きます。受取り先はHBTC取引所内のご自身のHBCウォレットになります。全報酬が1つの取引所内で配布されるため、発行体であるHBTCによる流通量の管理が可能です。実際、HBTCでは報酬として配布されたHBCの売却に制限を設けています。

キャプテン報酬として配られた全HBCを即座に売却することはできません。報酬金額が確定してから30日後に報酬の8.37%が売却可能分として入金されます。残りの91.63%については自動的にロックされ、専用の管理アカウントに転送されます。

これにより個々のキャプテンの権利は一部制限されますが、投げ売り等による急激な価格下落が防止され、投資家全体の利益を守ることに繋がります。その上で、報酬配布方針に関してご理解頂くべき重要なこととして以下の3つがあります。

1. 報酬の配布区分
2.
制限付き流通分の売却承認枚数
3. 報酬の没収要件

ここからはこの3点について詳細にお伝えします。

1. 報酬の配布区分

上述の通り、キャプテンが受取るエアドロップ報酬は全てHBCですが、その売却には制限が設けられています。この制限と区分について、ここでもう一度整理します。

まず、報酬の8.37%は報酬確定から30日後に配布されて市場で売却可能になります。残りはロックアップされますが、ロックアップ部分(報酬の91.63%が該当)は少しずつ制限が緩和されます。

このように一度ロックアップされた後、時間の経過に伴って制限が緩和された部分を「制限付き流通HBC」と呼んでいます。制限付き流通部分は専用の管理アカウント画面から申請を行って承認されれば売却可能です。完全に自由に市場で売買できるわけではないので注意が必要です。これらの各特長は以下の通りです。

即時売却可能部分:全体の8.37%。報酬確定から30日後に市場で売却できる

ロックアップ部分:売買不可。ステーキングの元本に加算できる

制限付き流通部分:申請・承認によって一部を売却できる

この区分を念頭に、下図をご覧ください。エアドロップ報酬の決定は直近30日間のキャプテンの業績をもとに決定します。ここでは、7/1のエアドロップ報酬が100HBCだったケースを考えます。

エアドロップ報酬の説明⑴

30日後の7/31には、8.37HBCがウォレットに配布され、市場で自由に売却可能になります。91.67HBCについてはロックアップされます。ステーキングの原資にすることが可能ですが、売却したり他のウォレットに送金することはできません。8月31日には、ロックアップ部分の内、8.33HBCの制限が緩和され、「制限付き流通分」となります。制限付き流通分は申請・承認で売却することができます。ロックアップ部分は毎月減り、制限付き流通分になっていきます。報酬確定からちょうど1年で、全報酬が制限付き流通分となっています。

申請・承認の結果によっては、その日の全解除分を売却できる場合もあります。つまり、申請額が10HBCで承認額が10HBCという事例や、10HBCの申請に対して承認額が1HBCという事例も考えられます。この申請承認額は事前にHBTCが定めた計算式に従って算出されます。

2. 制限付き流通分の売却承認枚数

ここでは上で述べた「制限付き流通分」に関して、売却申請の承認枚数が1日あたり総額で何枚になるのかお伝えします。

キャプテンの1日当たりのHBC売却承認枚数は、HBCの市況に応じて取引所システム上で自動的に決定されます。計算の基礎となるのはPER10倍価格と直近7日間の平均価格です。

⑴PER10倍価格

PER10倍価格は直近30日のHBTCの総収益を基に計算されます。このPER10倍価格は、HBTCがHBCを買上げる際の目標金額の計算にも使われています。実際の買上げに関するデータは以下のリンクからご覧いただけます。

買上げに関するデータ : https://www.hbtc.com/captain/daily_repo

コメント 2020-06-17 005907

上記の画像において、当日の買戻し予算は18,701USDT(30日間の総収益はこの30倍の561,030USDT)、PER10倍価格は3.2059USDTです。前者は買上げに使われる金額の総量、後者は買上げする際の目標水準だと考えて下さい。PER10倍価格は以下の計算式で定義されています。

PER10倍価格 = 直近30日間の総収益 × 12 ÷ 21,000,000 × 10

これは、以下のように書き換えることができます。

PER10倍価格 = 直近30日の1日あたり平均収益 × 30 × 12 ÷ 21,000,000 × 10 

PER10倍価格 = 直近30日の1日あたり平均収益 × 0.0001714285714

少々分かりにくいので、PER10倍価格を概算してみましょう。仮に、HBTCの直近30日の総収益が3,000,000USDT、つまり1日あたりの平均収益が100,000USDTの場合を考えます。1日あたりの平均収益を10,000で割って1.7倍すればPER10倍価格の概算値を出すことができます。この場合PER10倍価格は約17USDTと計算できます。上の画像のケースでも、概算値が約3.2USDTとなることを確認してみて下さい。

なお、買戻し予算は8:1:1の比率で予算配分が行われ、PER10倍価格とPER5倍価格と市場価格の3ヵ所にそれぞれ注文が置かれることになります。上記の例では、18,701USDTの80%にあたる14,961USDT分の買い指値注文がHBC/USDTの3.2059USDT部分に並べられます。同時に、予算の10%にあたる1870USDT分の買い指値注文が1.6029USDT部分に並べられ、残りの10%にあたる1870USDT分の買い成行注文が市場価格に並べられます。

⑵直近7日間の平均価格

直近7日間のHBCの平均価格はシステム上で自動的に集計されます。この集計結果とPER10倍価格が比較され、その大小に応じて以下の2通りの計算方法でHBCの売却承認枚数が算出されます。


a. 直近7日間の平均価格がPER10倍価格よりも低い場合
当日の買戻し予算 × 0.1 ÷ 直近7日間のHBCの平均市場価格

b. 直近7日間の平均価格がPER10倍価格よりも高い場合
当日の買戻し予算 ÷ 直近7日間のHBCの平均市場価格

もう一度先ほどの画像の数字を用います。当日の買戻し予算は18,701USDTなので、a のパターンであれば、キャプテン全員が市場で売却できる最大金額は1,870.1USDTであり、b のパターンであれば18,701USDTとなります。

コメント 2020-06-17 005907

PER10倍価格が3.2059なので、例えば、直近7日間の平均価格が3USDTであればaに該当し、4USDTであればbに該当することになります。

3USDTの時、全体での売却承認枚数は約623.4枚(1,870.1÷3)となります。一方、4USDTの時の売却承認枚数は4,675.25枚(18,701÷4)となります。このように、直近の市場価格が好調に推移している時は売却可能枚数が多く、不調の時には少なくなるような仕組みとなっています。

上述の仕組みに従って、キャプテンはエアドロップ報酬の中から制限付き流通分を安定した市場価格で売却していくことが可能となっています。


3. 報酬の没収要件

キャプテンはいつでもキャプテンの役職を辞退することができます。辞退した場合、キャプテンの権利は失われますが、それまで獲得した報酬の一部はお受取り頂けます。

ここでは 7/1のエアドロップ報酬が100HBCで 9/10にキャプテンを辞退したケースを考えます。下図をご覧ください。

エアドロップ報酬の説明⑵

この時、8/31に配布された8.33HBCは「制限付き流通分」となっているため、キャプテンを辞退した後も引き続きキャプテン自身が所有権を有します。

一方、時間経過でロック解除予定だった「ロックアップ部分」(83.3HBC)については権利が失われます。回収されたHBCは将来のHBTCの運営資金へと回されます。

まとめ

以上、エアドロップ報酬のロック解除と流通についてお伝えしました。

本文に誤りがあった場合、その解釈は英語版の原本「HBC Token Model 1.0 ( Updated version of the draft)」が優先されます。予めご了承下さい。

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