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【リレーコラム/ハートビートプランの”ものさし”】vo.007_山田友梨『隣人としての眼差し』(2020/06/09)

第2子の出産のため、4月末まで育児休業を取っていた。小さな子供がいると、物理的にも気持ち的にも人が集まるような場所(特に夜)には、顔を出しにくいものである。

だから、外出自粛で様々なコンテンツが配信されたり、友人と「どうぶつの森」で通信したり、居酒屋のテイクアウトが始まったりという状況が嬉しくもあった。対面出来ないから、と考え出された工夫や楽しみ方が、元々対面の場に足を運ぶことが難しい私に、優しく働いたのだ。

楽しみがある一方で、我が家は1年前にひとり親になってしまったので、心配は尽きなかった。保育園の登園自粛はかなり悩ましい。保育園に行かないということは、我が家に注がれる社会的な目が一つ消えるということだ。感染を考えれば行くべきではないのは分かっているが、不安な状況のまま子供達と家に閉じこもることも恐ろしかった。

幸い私には復帰する予定の仕事があり、適切(と思われる)情報にアクセスすることが出来、生活に今すぐ困窮するという訳ではない。けれどこのタイミング、外出自粛の中で行き場を無くして、どんどん社会から見えなくなっている人たちが沢山いるだろう。全く他人事だと思えない。

社会は弱いところから、ポロポロと綻んでいくんだな、と思う。直接的に出来ること、仕組みとして出来ること、その大小はあれ、苦しい状況にある人たちへの、隣人としての眼差しは、忘れたくない。

山田友梨

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【ハートビートプランの”ものさし”とは?】
まちや都市、生活や自分自身をめぐって、各自が感じたこと・行ったこと・考えたことを記録し、ハートビートプランの”ものさし”を可視化していくためのリレーコラムです。

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