『7 RULES OF FLUID MANAGEMENT 輸液力の法則』report!
今回は、オンライン上で2020年9月26日に開催された、
『7 RULES OF FLUID MANAGEMENT 輸液力の法則』
セミナーの活動報告です!勉強会の内容はもちろん、当日のアツいレクチャーの様子を一部お伝えしますので良ければ是非ご一読ください◎
1.今回のWebセミナーの概要と講師紹介
急性期の輸液って難しい…
重症患者の管理をする医療従事者であれば誰しもがそう思ったことがあるハズ。
なぜならば、輸液には「これが正解!」という絶対的指標が無いからです。
「なんとなく」の輸液から脱却するための、道標となるのは循環生理。
今回のセミナーでは、新たなエビデンスに振り回されず、使いこなすために必要な、循環管理における7つの基本原則を伝授していただきました!
セミナーの講師を務めていただいたのは、川上 大裕 先生です。
神戸市立医療センター中央市民病院の集中治療部で勤務されており、集中治療の若きリーダーとして日本全国で注目されていらっしゃる先生です!
先生の著書、『明日のアクションが変わるICU輸液力の法則』では、まさに今回のレクチャーのテーマである急性期の輸液管理についてとても分かりやすく解説してくださっています。
全国の集中治療を志す若手医療従事者はもちろん、集中治療専門とされる先生方のなかでも愛読されている一冊です。
2当日のレクチャーの様子
これはある病院での指導医と研修医の回診の様子です。
一見問題ないように見えるこのやり取りですが、集中治療を専門とされる先生方にとっては突っ込みどころ満載です…!
今回のレクチャーの前半では、
循環が安定していると評価する際に評価することが必要な項目
について生理学の観点から学びながら、
ショックの定義や認知、その分類と対応
について学びました。
後半は、レクチャーの肝となる
輸液に関する輸液製剤の使い分けや輸液の目的
点滴流量を評価する指標
について学んだうえで、最後には事前課題を通じて
実際の臨床の場での輸液管理の妥当な判断
について学びました!
レクチャー中には、当HBDセミナーの特徴である『Comment Screen』を用いて、
講師と受講生の双方向性が生まれるような勉強会になるようHBDスタッフ一同お手伝いさせていただきました。
受講生のリアルタイムの質問に、
川上先生に適宜解答していただく光景をみて、
僕個人としては対面授業さながらのフィードバックを受けられる、
とてもアツいセミナーになったのではないかと感動していました!
今回のレクチャーテーマのまとめがこちら👇
【レクチャーでのテーマ】
●ショック
ショックとは?
ショックに気づくには?
ショックの初期対応
カテコラミンの使い分け
●輸液
輸液製剤の使い分け
輸液の⽬的は?
輸液指標について
●実践編
輸液の考え⽅
今回のレクチャーで学んだ後の研修医の先生方は、おそらくこんな風に回診中の質問に返答できるようになったのではないでしょうか…!(こんなデキレジいたら嫌になっちゃいそうですね…笑)
最後に、今回のレクチャーのまとめとなる循環管理における7つの基本原則をご紹介します
7 Rules of Fluid Therapy
1. 循環が安定しているというには
① 灌流圧
② 酸素需給バランスの両者が維持されている必要がある。
2. DO2 = 1.34×Hb×SaO2×CO
灌流圧:MAP(-CVP) = CO×SVRで規定される。
3. 輸液の⽬的はCOを上げることである。
4. 輸液反応性があり、輸液必要性がある場合に、輸液を⾏う。
5. 過剰輸液は害。「害」をモニタリングせよ。
6. 輸液反応性評価には動的指標と静的指標がある。
IVC評価では「呼吸」に注意せよ。
7. 輸液のフェーズ「ROS-D」を意識せよ。
3.著書ご紹介
これらの内容に興味を持たれた方は、
先生の著書である『明日のアクションが変わるICU輸液力の法則』を参考にしていただければと思いますのでリンクをシェアさせていただきます。
今後もHBDでは、様々なテーマのセミナーを企画し開催させていただきますので、興味がある方は是非noteをフォローいただけると嬉しいです!
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