【出産レポ】脳外科医が経験した予定帝王切開

この記事は"とらいまま"にあった出産レポをnoteに書き換えたものです。

一部同じ部分があります。
他の育児グッズの紹介ロサンゼルス生活について書いていますので是非遊びにきてくださいね。

この記事は2人目の予定帝王切開の出産レポです。
1人目は予定無痛分娩から緊急帝王切開になりました。
1人目の出産レポはこちら

https://note.com/hazymoon/n/n0d6c5c9bc1e2

予定帝王切開は落ち着いて入院

手術の予約を外来でとります。
前日入院し、産婦人科の担当医の先生・麻酔科の先生・手術の看護師さん・薬剤師さんと挨拶。
前日はやることなく、暇な日です。

予定帝王切開とは

何らかの理由で普通分娩が難しい、もしくは帝王切開の方が安全、と判断されたときに選択される出産方法。
あらかじめ予定を立てて行われます。
多くは37~39週で行われることが多いようです。

手術当日

当日、朝一番の手術のため8:30手術室に到着するため8時から手術着に着替えて待機。
今回はコロナ禍の中での入院のため立ち合いはできませんでした。
夫のみ出発直前に行ってきます、と言葉を交わすのみとなりました。

手術室へ行き、先生方と挨拶をします。
まずは麻酔をするため手術台で側臥位(横向きに寝る)になり、背中から麻酔を入れます。
足・お股のあたりがフワーっと熱くなり、その後ピリピリしびれてきます。
その後感覚がなくなり、手術開始のサイン。
どこまで麻酔の効果が出ているか確認のため麻酔科の先生が触覚・温度の感覚をcheckしてくれます。
十分に効いていることが確認でき開始されました。

その時、麻酔の影響で血圧がストンと下がったようで、ぐるぐる世界が回り、吐きそうに。
麻酔科の先生に「・・・吐きそうです・・・」とかろうじて伝えて対処してもらいました。

顔の上には布でテントが張られ、視界は布のみ。
切られているところが見たいと先生に手術前にお願いしてみたのですが、さすがに無理でした。
その後、下の方で色々ゴソゴソされている感覚があり、痛みは全くありませんでした。

麻酔が効きすぎたのか、呼吸がしにくくなった感覚がありました。
あまりに効果が強いときには全身麻酔に切り替えることもあるようです。

ゴソゴソ、グッと引っ張られる感覚があり、赤ちゃんの泣き声が。
元気な泣き声が聞こえてうれしく思いました。

「胎盤次出るよー。」

赤ちゃんをきれいに拭いたりして頂き、頭もとに赤ちゃんがやってきて抱っこをさせてもらいました。
感動でした。

無事に生まれてきてくれてありがとう。

手術室でどんなことが行われるか、さらに詳しい話はブログへどうぞ。


帝王切開後の痛み

手術当日の夕方くらいまではしびれがあって、足もあまり動きません。
痛みも抑えられて、前回の時より楽でした。
今回出血が多く、1時間毎にお腹をグリグリ、出血確認。

「んー多いね。」

止血のために子宮収縮剤を追加。それでも点滴よりも出血が多く、1時間ごとの確認が続きました。
ベッド上でエコーをしたり、薬を追加したり・・・。

夕方くらいから痛みが少しずつ強くなってきました。

翌日、歩行開始。
前回と同じく、腹筋が使えずベッドのリクライニングで体を起こし、ふんがっと足を動かしてなんとか、立ち上がりました。

イデデデーーーーーーー

母子同室・・添い乳、添い寝

体調が問題ない人は手術当日の夕方から母子同室開始のようですが、私は翌日午前から母子同室開始でした。

泣くたびに体を起こしておっぱいをあげる、その動作がやはり痛い・・・。
自分のベッドの横に寝かせておっぱいをあげることにしました。

今、産婦人科学会から添い寝・添い乳は推奨されていません。
添い寝中の事故なども多いかららしいです。
添い寝による愛情形成や赤ちゃんの安心にもつながるそうですが、
行う時には十分注意しましょう。

退院

予定通り、入院は7日間。
退院前日に内診をして、まだ出血が子宮内に残っている・・と。
悪露が続きますよーと言われて、退院OKがでました。

待ちに待った退院。2歳の長男が家で待っています。

退院後にまさかの発熱・・

退院して、なぜか2日後くらいから微熱が出始めました。
退院1週間で8.5度の発熱と腹痛の悪化。

産後の発熱は甘く見ちゃいけません。

実は退院後の体調は悪かった

出産後(帝王切開)7日で元気に退院できました。
傷はまだ痛くて、床に寝ると起き上がるのに時間と気力が必要でした。

退院後も赤ちゃんのお世話が始まって、ゆっくり休む暇はありません。
久しぶりに会う長男も甘えたMAXで、そちらにも体力が必要です。

手術後の体調は基本的には日にちが経つごとに元気になっていきます。
痛みも日にちが経つごとに薄れていきます。

なぜか、よくならない・・・。
なんだかしんどい日が続く。
精神的にも落ち込みがちでした。

徐々に体調が悪くなっている印象はあるものの微熱・腹痛で決定打はなく、薬を飲んで様子を見ていました。
退院後6日目。
夜中についに38.5度を超える発熱。しんどすぎて一睡もできず。
これはまずい。

翌朝、夫に長男を任せて赤ちゃんとともに(授乳のタイミングのため)病院へ。

子宮内膜炎・腹腔内膿瘍で緊急入院

病院で採血・内診を受けて、「このまま入院しましょう」と言われました。

えぇぇっ!!

まさか緊急入院になるとは思っていなかったため、衝撃。
さすがに入院の準備はしていませんでした。
生後1週間の赤ちゃんとハナレバナレで入院。
その翌日には夫が渡米の日。
長男にも病院行ってくるね、と軽く家をでた。

色々ぐるぐる考えましたが、どんどん悪化している中で入院を引き延ばすのも良くないと考え、腹をくくって母に生後1週間の赤ちゃんを託して自分は入院することにしました。

症状・診断

後から考えるとなかなか症状はでていました。
長男の時の症状は発熱・腹痛でした。
今回は、腹痛と腹膜刺激症状、発熱、悪露が悪くなっていました。

腹膜刺激症状とは、腹痛の一種でその名のとおり内臓を包む腹膜を刺激されることによっておこる症状です。腹痛で呼吸が深くできなかったり、手でお腹を押すとかたくなってしまう筋性防御という症状が出たり、お腹を押してぱっと離すと手を離したときに痛みを感じる反跳痛という痛みが出たりすることが特徴です。
同時に吐き気・嘔吐があったり、ガスや排便がなくなったりすることもあります。

造影CTもとって、最終診断は子宮周囲の腹腔内膿瘍でした。

治療

簡単に言うと、子宮の手術部分に菌がついて膿がたまったということです。
ですので、菌をやっつけること・膿を体の外に出すことが必要です。

抗生剤の点滴と、ドレナージといって細い管をお腹に刺して膿を物理的に流し出す、という治療をしました。
2週間弱の治療。

効果はばっちりで治療開始2,3日目には熱も下がり腹痛もおさまりました。
内診でも痛みがマシになるまで治療を続けました。

退院

2週間弱の入院生活、コロナでなかなか子供にも赤ちゃんにも会えず・・
久しぶりに家で子供に会えた時は、泣きそうになってしまいました。

コロナ禍の出産・入院についてはこちら。

退院後も抗生剤の内服(口から飲む)は続けましたが、日に日に体調は良くなりました。

まとめ

出産は命懸け、と言いますが1人目・2人目ともに抗生剤がなければおそらく命に関わっていたと思います。

今2人の子供が元気で、私も元気で生活できていることを感謝しながら生きる日々です。

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このマガジンは、1人目妊娠からワーママになるまでの日記やまとめを入れています。徐々に増えていきます。全何編になるかは今は未定。

とあるママ脳外科医のただの日記です。1人目の妊娠がわかってから、ワーママになるまでの日記です。

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