【出産レポ】脳外科医が経験した緊急帝王切開

この記事は"とらいまま"にあった出産レポをnoteに書き換えたものです。

一部同じ部分があります。
他の育児グッズの紹介ロサンゼルス生活について書いていますので是非遊びにきてくださいね。

この記事は1人目の出産時のドタバタを掲載しています。

1人目の出産は無痛分娩・予定分娩予定でした。

まず、無痛分娩とは

麻酔を使って痛みを和らげて出産する方法です。

使う麻酔は硬膜外麻酔。
背中から細いチューブを背骨の中にいれて、麻酔薬を入れます。

背骨の中の神経は硬膜に包まれています。
(図の青の筒のような感じ)
硬膜の外側にチューブをいれます。

痛みだけとるもので、動きや感覚はあります。

計画分娩となり、入院日を決めて誘発分娩になります。
入院日前に破水や陣痛が起こると、無痛分娩ができないこともあります。

予定日より前に破水、そのまま入院へ

夜、寝ているときに、ぞわっとした感覚。

生理の時に血が出るときのあの感覚。

おりものかな?と思いましたが、量が多いし、何度か起こったためトイレに行くと、あ、、、破水だー。
一人目は陣痛より破水が先タイプでした。

陣痛も来ていないし、余裕。
親を起こし、病院に電話して「破水したみたいですー」と。
すぐに病院に向かって、確認。(内診ちょっと痛かった・・・)

「完全破水してますね、入院しましょう。」

夜中であったため、そのまま病院のベッドでもう一度寝ることに。
この時もちょっと下腹部が重いくらいで全然平気。

徐々に痛みが出始めた。これ、陣痛・・・?

朝ごはんもしっかり食べて、まだ余裕。

生理痛がもともと強いため、時々お腹痛いけど生理痛の方が断然痛い。
痛くなる周期は10分と短くなって来てはいるが、イテテテ・・くらい。

「無痛しようか!」担当の先生からうれしい一言。

しばらくして無痛分娩のため、背中から管を入れました。
見えない背中に針を刺されるのは結構怖かった。
背中の中心をゾクゾクというかズーンというかそんな感覚がありました。

ただ、まだ子宮口が開いていないため、薬を入れられないとのこと。
徐々に陣痛らしいものに襲われつつありました。

誘発剤の開始

これが・・・効いた。
イデデデデデデデデデ!!!!!

無痛分娩とはいかに!?痛いんですが!?

誘発後すぐ効果が出て、2分間隔・1分間隔とどんどん間隔が縮まり・・

ゲロはいちゃいました。

生理痛も強くて時々吐くことがあるのですが、それより痛い。
でもピークが過ぎると楽になる、そんな繰り返しでした。

痛みは1分間隔なのに、子宮口は・・・まだ6㎝。
ちゃんと開かないと麻酔は始まらない。

早めに始めてしまうと子宮口が開かなくなってしまうことがあるらしいです。

イデーーーーーーーーーー!!

無痛分娩って痛くないんじゃなかったのかーーー!と思っていたら先生のOKがでて麻酔開始。

絶対やるべきです。

体力の失い方が全然違います。

子宮口が開くまでは、陣痛が来ても痛みを我慢するしかありません。
(いきんだほうが痛みはマシなんです。)

痛みはゼロにはならないけど、痛みを我慢する戦いが楽になります。

私の思う無痛分娩のメリット・デメリット

<メリット>

  • 痛みが断然マシ

これにより、すべてのことに余裕ができます。
いきむまでに体力が失われません。

<デメリット>

  • 緊急帝王切開になる率が少し上がる

  • 麻酔による合併症

痛みが軽減されると、いきむ力が足りなくなることがあるそうです。
赤ちゃんが出てこず、帝王切開になることも。

もしお考えの方は、各病院で先生に帝王切開率が上がってしまうのか、など聞いてみるといいかもしれません。

麻酔の合併症は確率としては非常に低いです。
しかし、針を刺す、チューブを入れるなどの処置を行う以上、合併症の可能性はゼロではないです。

ドタバタの緊急帝王切開へ

麻酔が始まって痛みがマシになったあと、いきみの許可が出ました。
陣痛が来るたびにいきむ。

おりゃー!!!

いきんでいると便が出そうな感覚になってきました。
赤ちゃんの頭が下に降りてきて腸を押すそうで、それはOKサインらしいです。
便が出てしまっても助産師さんは気にしない。

「そういうものなのよ」という感じらしいです。
便出た、と思っても出てないことも多いそうです。

もともと赤ちゃんの頭が普通よりかなり大きい(+2SD)と分かっていました。
「横向いてしまってるわ!」と助産師さん。

そこからは、いきんでもなかなか進まず・・・。

吸引分娩、鉗子分娩にトライするも赤ちゃんの頭は出てこず・・・
いきむたびに赤ちゃんの心拍がさがってしまう事態になってしまいました。
お母さんも大変だけど、赤ちゃんも頑張っているんです。

「もう一回頑張って出てこなければ帝王切開にいこう。」

先生の一言。最後の最後にひとふんばり!!!

でもやっぱり出てこず、心拍も落ちて、赤ちゃんも苦しい様子。
帝王切開へ。

緊急の帝王切開は全身麻酔で行いました。
帝王切開=腰椎麻酔(下半身麻酔)と思っていたのでびっくりしました。
麻酔方法はどれくらいの緊急かによるようです。

今回の場合は赤ちゃんの心拍が低下してかなりの緊急、GradeAとのことでした。

緊急帝王切開のため、赤ちゃんはNICUへ

全身麻酔では、吸入で麻酔薬を入れたり点滴で麻酔薬を使ったりします。
全身にいきわたり、赤ちゃんへ影響することもあります。

赤ちゃんは産まれた直後はしっかりと泣いてくれたそうです。
しかし麻酔の影響で、声がだんだん小さくなり、呼吸がしっかりできなくなってしまいました。
(夫に後で聞きました。)

赤ちゃんに人工呼吸をするため呼吸の管を入れて(挿管)、NICUに行くことに。
呼吸の管・点滴の管・栄養の管が入りました。

初めて赤ちゃんに会った時、私のせいで・・・と悲しくなりました。
しかし、今ではすっかり元気で、そんなことは覚えていない様子です。

麻酔の影響であり、赤ちゃんの健康状態は問題なかったので、翌日には管は抜けました。

一方、私が麻酔から目覚めたとき

「いたい、いたい、いたい!!」

病室に戻ってきたところから記憶がありますが、最初は自分が勝手に出している声で気が付きました。

手術中は麻酔が効いており、まったく意識も痛みもありません。
全身麻酔が切れるとむちゃくちゃ痛い・・。
傷も痛いし、後陣痛も痛い、おそらく切ったであろう筋肉・子宮の傷も痛い!

横に家族がいることに気が付き、かろうじて

「赤ちゃん大丈夫・・?」と尋ねることができました。

実際はNICUにいたのですが、大丈夫と返事をもらい自分は痛みと戦うことに。

むちゃくちゃ痛いーー!!

術後、子宮を収縮させるための薬を点滴で入れます。
後陣痛がこれで起こるわけですが、痛い!!!
止血・子宮復古の意味があるのはわかっているものの、止めてくれー!という感じでした。

1時間ごとに子宮復古の確認のため助産師さんがお腹をグリグリ押しに来ます。

イデーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!

記憶の中ではこれが一番痛かったです。

普通分娩の時もこんなに頻回にグリグリするのでしょうか?

寝返りをうちたくてもおしりを少しずらすだけでも痛い。
息をするだけでも痛い。
挿管の後は咳が出ますが咳をしようものなら激痛でした。

会陰切開や尿の管が入っていましたが、比べ物にならない痛みでした。

とはいうものの、術後の痛みは日にち薬。
翌日、翌々日には少し、少しずつマシになりました。

翌日に立つことを求められた時には仰天しましたが、助産師さんにほぼ支えられる形でヨロヨロ・・・と立ち上がりました。

術後2日目から母子同室開始

車いすで移動ができるようになってから、車いすでNICUへ。
小さい、小さい、可愛い赤ちゃんが管につながれながら、すやすや寝ていました。

無事でよかった。

その翌日赤ちゃんの管が全部抜けて、私も腰をかがめてゆっくりゆっくり歩けるようになった時、母子同室が開始になりました。

入院した病院は基本、母子同室でした。
希望すれば助産師さんが預かってくれました。
授乳の時間になれば起こしてくれたり、ミルクを飲ませておいたりしてくれました。

病院によって母子同室の方法は異なると思います。
産院を選ぶときに気になる方は調べてみるのもいいかもしれません。

赤ちゃんは産まれてすぐは1-2時間毎にお腹すいたーと泣きます。
そのたびに起き上がって抱っこしたりおっぱいをあげたり。

その起き上がるのがむちゃくちゃ痛い。
腹筋が全く使えないため、ベッドのリクライニングを利用して無理矢理からだを起こしていました。

そこから体をねじるのもむちゃくちゃ痛い!

ふんっ

ぬおおおぉぉぉ

そんな声が出て、汗だくになりながら1m先にいる赤ちゃんのもとへ・・・

試練でした。

そして退院が見えてきたとき、発熱・・・

帝王切開後、5日目くらい。
明後日退院かなぁというとき、38度を超える発熱が。
寒い・・・と思ったらブルブル震えて、かぁーっと体が熱くなった感じでした。

この震えをシバリングといいます。

目撃した母親は、痙攣のように見えて恐怖を感じていました。

産褥熱とは

産後10日以内に38度以上の発熱が2日以上続くと定義されています。
発熱の原因は子宮の感染や溜まった悪露に感染することなどがあります。
放っておくと命にかかわることもあるため、産褥熱は甘く見てはいけません。
退院後でも発熱した場合は病院に相談してください。

抗生剤が発達していなかった昔は産褥熱が産後のお母さんの死亡原因の最大要因だったといわれています。

発熱の原因

内診してもらうと、イデデデ!

子宮内膜炎との診断でした。

<子宮内膜炎とは>

産後に限らず、子宮の内膜に細菌感染が起こって炎症を起こすことをいいます。

子宮内膜は生理で定期的に入れ替わっています。
産後など悪露がたまっていたり、出産で定期的に入れ替わることができないときに起こりやすいといわれています。
分娩時の手術や内診で傷がついて、感染することもあります。

産後では主に3-5日後に起こり、子宮に痛みを感じたり、悪露が感染して悪臭がしたり色が悪くなったりします。

放っておくと子宮の外側にも炎症がひろがることがあるため、早めに対処することが必要です。

熱が出る前にお腹の痛みが少し強くなっていたり、おしっこするとお腹が痛くなって膀胱炎?と思っていたのが症状だったようです。
帝王切開直後の痛みよりはマシでこんなもんかな?と思っていました。

38度の熱でも授乳は続く

発熱もお腹の痛みもつらかったですが、38度の熱があろうが赤ちゃんのお腹は減ります。
熱でぼーっとしながら、お腹もやや痛いとおもいながら、赤ちゃんにおっぱいを。

きっと母乳もいつもより熱いだろうな・・

なんとなく、赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれるとすっと楽な気分になりました。

ただ、発熱しているとフラフラするので赤ちゃんを助産師さんに預けました。
睡眠をとってなんとか休息をとらせてもらいました。

抗生剤開始からすぐに退院

子宮内膜炎と診断され、抗生剤開始。一日4-5回点滴です。

開始後2日目には38度には到達しなくなり、腹痛もマシに。

抗生剤が発達した時代でよかった、としみじみ思いました。

色々ありましたが、ついに破水・入院から9日目に退院することができました。
一般的には普通分娩だと4-5日、帝王切開だと6-7日の入院のため、少しだけ長い入院になりました。

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