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陣営の思惑と買う側のイメージの話 フェアリーSを考える

フェアリーSの立ち位置はどんなもんか。2年前ファインルージュ、昨年スターズオンアースがここを足掛かりにクラシックで結果を出した。たぶん、ファンが考える以上にフェアリーSの地位はあがっているのでは。なにせ強力な上位陣が出走しないところで賞金が稼げるレースはそんなにない。

関係者の皆さんに話を伺う機会が増えて気づいたが、クラシックは賞金加算のタイミング次第で決まる。いつどこで賞金を加算するか。各陣営はそれを練りに練っている。そしてトライアルは避けられつつある。本番まで近く、かつそこで好走しなかったら道を閉ざされ、さらに上位ランクが本番への試走がわりに使ってくる。壁がもっとも高いトライアルはギャンブル要素が強い。クラシック出走が最初のミッションだとして、それをクリアする手段をどう選択するかと考えると、フェアリーSは結構お得感がある。もちろん、この思考で挑めば、ベストは2歳重賞だが、それはそれで仕上げを急がねばならない。真冬に稼働するというリスクは伴うが、フェアリーSやシンザン記念は賞金加算という意味でおいしい舞台でもある。皐月賞、日本ダービーまで出走を決められる共同通信杯と同じだ。

もっとも賞金加算は勝つか2着以内が必須なので、それはそれでトライアルと変わらないが、ここらへんで賞金加算を目指し、たとえ失敗してもトライアルという機会は残る。プランに厚みを持たせる意味でも、フェアリーSの地位はこれからも向上するだろう。2年連続で桜花賞好走馬を送ったという事実はそれを物語る。

今年は阪神JF5着ミシシッピテソーロまで登場。少し前とはイメージは変わりつつある。このレース、おいしいのは1勝クラスのマイル戦、ちょい負け組。マイレーヌとヒップホップソウル。木村厩舎のヒップホップソウルはファインルージュで成功したところからの発想で、これはこれで有力だろう。そうはいっても、私のような人間にはいささか眩しい。狙うならマイレーヌ。逃げ候補はほかにもいるが、みんな逃げない可能性もある。なかでも内枠に入ったマイレーヌは騎手起用も含め、行きたい意志を感じる。半姉ナギサは逃げて2勝。母の父タイキシャトルもスピードの持続力を伝える血で、軽くない中山の芝につながる。行ってナンボでいい。勇気の先に栄光あり。道を拓くのに、他者を利用しても先はない。行けばわかるさ。

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