台地を滑る凍てつく風に背を丸め ニューイヤーS予想
冬の中山といえば、私にとっては12月の5回開催より年始の1回開催のイメージが強い。朝の陽ざしがありがたく、お昼を過ぎれば、スタンドは日陰に入り、1コーナー方向から凍てつく北風が吹きつける。奥歯がガタつくほどの寒風に耐えてこそ、冬の中山だ。
いやいや、北海道はこんなもんじゃない。負けそうな自分にそう言い聞かせる。連日、北国から雪のニュースが舞い込む。関東から出たことがない臆病者には雪は脅威でしかない。だが、かつては雪にはしゃぐ子どもだった。小学生時分には、よく東京も大雪になった。確かに最近は南岸低気圧は不得手も、積もるほどの雪は年に1度あるかないか。温暖化ってやつだろうか。
地球温暖化は暖かくなるというより、極端な気象現象が起こりやすくなるという。色々対策することはあるかもしれないが、天候が荒れれば、どうしようもない。いかに自然に無力な存在なのか。ちっぽけさを知る機会は増えた。
ちっぽけでもなんでも、40年以上生きてこられた。よくまあ、こんなフラフラしながらここまできたもんだ。腰をすえたことなど、ほぼないに等しい。いまも、どこに座ろうかと、自分の席を探してウロウロしている有様。いい加減、人生の着地点が見えてくる年ごろだというのに、そんな場所、どこを探しても見えない。先の見せない不安に震えるのは若いころに経験しすぎて、もう飽きたから、不安な自分を受け入れてやろうと。年を重ねるから乱暴にもなれる。
だいたい冬の中山で震えるより、北海道のスケールの違う寒さがあるようなもので、自分の不安なんて、そんな大げさなものでもなかったりする。小さいことを大きく言うのは私の子ども時分から変わらないクセのようなもの。なんやかんや本質は変わらん。
1月の中山、芝1600mで石橋脩騎手が関西馬に騎乗すると、過去5年【2-0-1-1】。いつでも脩騎手は積極的に攻めてくる。3日間競馬初日メインのニューイヤーSはノルカソルカを狙う。フラッフラな私はどうしてもこの馬名に惹かれてしまう。2走前東京マイル3着は0.1差。21年暮れにはここで3勝クラスを突破した。イチかバチの逃げで局面を崩す。
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