読書メモ『本の声を聴け-ブックディレクター幅允孝の仕事-』p149

 だが、松岡と幅に共通しているのは、従来型の本の並べ方ではない、新しい棚を作っていることと、それによって、読者、購買する側の心が揺さぶられ、刺激されるということだ。一冊一冊は、同じ商品なのに、それを一本の木にたとえれば、その木の種類、集め方、植え方によって、まったく違う森が出来るということだ。その森の中にひとたび入れば、胸の奥に眠っていたもの、意識化にひそんでいた感覚が呼び覚まされるのだ。

高瀬毅『本の声を聴け-ブックディレクター幅允孝の仕事-』p149

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?