「悔やまない」と言えるだろうか
俳優であるその人にのめり込み、
過去その時間を、舞台と客席で共に過ごした。
そんな経験はありませんか?
その人の訃報を聞く時、
舞台の想い出、情緒あふれる歌声、
たくさんの事が頭の中を駆け巡ります。
わたしにとってそれは、俳優 久野綾希子さん(享年71歳)です。
2022年8月22日 この世界から旅立たれました。
ミュージカルというジャンルがまだ日本に根付いていなかった1982年。
劇団四季は「エビータ」というミュージカルの初演を、日比谷の日生劇場で上演しました。
その主役「エビータ」を演じたのが、久野綾希子さん。
それが私とミュージカルの出会いでした。
その彼女の訃報を聞き、そしてその年齢までさほど遠くない道のりにいる私は、考えました。
「今、この世を去ることになったら、思い残すことはないだろうか?」
たいして忙しくもないのに「忙しいから」「時間がないから」と理由をつけて後回しになっているもの、実行していないものがたくさんあります。
時間なんて、作ろうと思えば少しずつでも捻出できるのにしていない。
それは、10年後20年後、自分がまだ生きている、時間は永遠にあると思っている、からかもしれません。
何かを考え直すキッカケは、必要な時にやってきます。
今回、私にやってきたこのキッカケは、悲しいものではありましたが
「時間は永遠じゃないよ」と教えてくれた、大切なものでもありました。
私にとって、今が考えなければいけない時です。
考えをめぐらせ、頭の中を整理して、後悔しない道を歩きたいと思います。
久野綾希子さんは劇団四季時代、多くの主要な役を演じてこられました。
そして、コーラスライン ディアナ役
ディアナはこの作品のラストで
What I did for love (日本語訳 愛した日々に悔いはない)
というナンバーを歌い上げます。
そのメロディーが歌詞が、わたしの胸にささります。
悔いのない道を進もう、という気持ちになります。
Gleeというドラマでこの歌が歌われていた場面の動画を紹介します。
ぜひ聴いてみてください。
久野綾希子さんのご冥福をお祈りいたします。
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