日記4/12

就活における自己分析結果

俺たちはいつだって年上のお姉さんに振り回されたい。科学部で、怪しい実験をしていて、制服の上に白衣で、眼鏡で、快活、世間のモラルギリギリを攻め遵法精神は無いがなんだかんだ人としての義理人情がある、黒髪ポニテの、笑い声のデカい、そういうお姉さん。俺より遥かに頭がいい。もう23歳(これはPekka Pohjolaが名盤Harakka Bialoipokkuをリリースした歳の一つ上にあたる)だというのに、理科室前の薄暗い廊下、えも言えぬ薬品の匂い立ち込める7月のその廊下の幻影を見る。ああ今日もどんな事態に巻き込まれるのだろうと憂鬱な気分―――いや、嘘だ、俺は本当は期待しているはずだ―――が立ち込める。重い横開きのドアをガラリと引くと、ドヤ顔とも笑みとも取れるような表情でこちらを見るお姉さんが――

お姉さんを巡る欲求は様々あると思う。単純に性癖の写像を取った者、母性を求める者、破滅願望の象徴と見る者、云々。それにより夢想するお姉さんの姿形が変わる。友達はマキマだったし、俺はハルハラ・ハル子。もっと言うと科学部で、怪しい実験をしていて、制服の上に白衣で、眼鏡で、快活、世間のモラルギリギリを攻めつつなんだかんだ人としての義理人情がある、黒髪ポニテの、笑い声のデカい、そういうお姉さん。ギザ歯。目つきは少し悪い。頭脳明晰。Why?何故俺のお姉さんはこの姿を取るのでしょう。

何故をよくよく考えてみると本当の所は別にお姉さんでなくてもいいのだと思う。よくわからない部活で、よくわからない事をしていて、快活、世間のモラルギリギリを攻めつつなんだかんだ人としての義理人情がある、笑い声のデカい、そういうお兄さんでもいい。水前寺邦博でいい。いや別に同い年でもいい。つまりは自分より上位で人として尊敬できる存在に不愉快にならない程度に振り回されるドラマが欲しいのだ。多くの人がお姉さんになりがちなのは単純に下心とロマンスをそこにインクルードしたいからであり、本質を追求すると結局そういう単純な所になると思う。とはいえお姉さんのほうがロマンがあるのは確かだ。俺たちはお姉さんに青春へのコンプレックスや、性欲や、ファザーコンプレックスの変形や、母性や、メンヘラや、ノスタルジーや、神秘を過積載させることができる。

23になっても俺はお姉さんの幻影を見る。10年後も20年後も見るだろう。社会を知り、人を知り、現実を知ることとお姉さんの影を追い求めることは決して排反ではあらず、今わの際まで、ありもしない世界線への憧れを止めることはできないだろう。

最近聞いてる音楽

どっかの国のチェンバー
暗くていい

完全にトリプルファイヤー吉田にハマっている。ともだち探そうから入り特有のノリ、言語センス、裏拍から入りがちな所に完全にブチ抜かれ俺も日々ブチ抜いて生きていきたいね、やっていきだね、でも日々は辛いね、、、

新しいアルバムほしー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?