黒の接見〈Ⅱ〉 (2014*2021reboot)
心理学実験室に伏して泣く 最終講義終えし老躯は
永遠に水晶管路にキミを載せオブリビオンを誓った星で
舌を掻く穂先の情け 友の目はわが虫食いの奥歯を見据え
星堕とし命を下す宙船(ちゅうせん)は遠くて雨に古傷いたむ
横顔の真っ赤に灼かれて夕暮れのあなたはこれほど悲しきひとか
石鹸を零しタイルに響く朝 世界は愉快で泡とたわむる
大罪を無力の肩にお仕着せて冬の路頭で素足を迫る
在りし日の冒され易き人体のふと白く映ゆ友は幻
ホテル・マン 実弾を込めた微笑みを受けて十九のままで死にたい
けがれなき人工知能に翡翠には心が宿ると言わせるおとこ
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