間黒子

医療小説家/医師です。ファンタジー専門のファンタジ医です。普段は、救急外来や一般外来で…

間黒子

医療小説家/医師です。ファンタジー専門のファンタジ医です。普段は、救急外来や一般外来でマインドフルに働いています。無言フォロー失礼します。もちろん無言フォロー大歓迎です!作品にご感想頂けますと、とても嬉しいです!

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  • 犯罪スキルの黒魔法で医者をやってるわけだが(黒医者)

    都内中小病院で、中年救急医長として勤務する佐野トオル。週3回の当直業務の中で、過労死&異世界転移する。魔法や魔物もある異世界で、元々の医療知識や技術、そして犯罪スキルと忌避される黒魔法を用いて、病める人々を治療していく。

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ライトノベル「犯罪スキルの黒魔法で医者をやってるわけだが(黒医者)」 あらすじ

 都内中小病院で、場末の救急医として勤務する佐野トオル34歳。週3回の当直勤務で、くも膜下出血を発症、過労死する。  気づけば、女神の御前におり、妻と発達障害の息子を天国から見守らせてほしい、と願い出る。しかし、女神から、てめぇの魂は薄汚れている、と一蹴、異世界へ転移させられる。  異世界アンダンテでは、12歳の鑑定の儀で『鑑定色』が判明し、職業と運命が決まる。『黒』と判明した者は、暗殺師、娼婦など、アウトローなスキルしか持たず、世界から最低辺の存在として迫害されていた。  

    • 完結ブーストを味わいました!ありがとうございました!!

      • ライトノベル「犯罪スキルの黒魔法で医者をやってるわけだが(黒医者)」 が完結します!

        皆様のおかげもあって、毎日「小説家になろう」様で投稿していた、拙作が本日2月15日で最終話(計73話)を迎えます。約22万7千文字の作品です。しっかりタイトルコールも回収します。 第3章以降はnoteに公開していませんが、ご興味ある方はこちらの「なろう」ページでお読みになってください。 犯罪スキルの黒魔法で医者をやってるわけだが ~とある救急医の異世界カルテ~(黒医者) 引き続きよろしくお願いいたします。

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        ライトノベル「犯罪スキルの黒魔法で医者をやってるわけだが(黒医者)」 あらすじ

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          52本

        記事

          第47話 戦いのあと

           俺たちが、訓練所に到着したのは、それからアンデッドドラゴンを破ってから、数日経ってのことだった。  ワンダ軍曹の殉職は、訓練所職員にとってもショックなことで、特に帰り道の途中で合流したレナ教官は、しばらく喋れなくなるほどであった。  古代竜が遺したバカでかい魔石もあったが、ワンダ軍曹やヒーちゃんを失った悲しみを補えるものでは到底なかった。とはいえ、アンデッドドラゴンのことや、祠のことも含めて、国が至急調査をしなくていけないこと、報告すべき事が山ほどあった。悲嘆に暮れる時

          第47話 戦いのあと

          第46話 守られたもの

           アンデッドドラゴンが、ダークブレスのチャージをしている頃、ルッソはヒーちゃんに駆け寄り、介抱していた。  「記憶が戻ったの?ヒーちゃん。」  「ルッソ…思い出せない。でもテノワルで暮らしていた。あの黒い笛も…見た。オモイダセナイケド、ワタシガ、マチヲ…アアア!」   ルッソは、ヒーちゃんを抱きしめた。   「大丈夫、大丈夫だから…」   ヒーちゃんの涙が、ルッソの背中にこぼれていく。    「ルッソ。もう私は…ごめんね。汚れているね。」  ルッソは、ただ抱き

          第46話 守られたもの

          第45話 最終奥義

           「っ!」  前腕の切断面から噴水のように血が吹き出す。  「サーノ!!」  悲鳴にも似たルッソの声が響いた。  ちがう。ルッソこっちじゃない。クソ竜に警戒しろ!  「痛ってーー!!」  俺は叫んだ。早く止血しないと、死ぬ。  「フハハハハ…矮小ナル者…」  黒い瘴気に雷を纏って、アンデッドドラゴンがその威容を誇る。  「これからが本番というところか。」  ワンダ軍曹がキッと睨みつけて言う。  (ちくしょう…)  左手がないだけで随分とバランスが崩れや

          第45話 最終奥義

          第44話 ぎこちないツッコミ

           アンデッドドラゴンに鑑別スキルを使い、その戦闘力を見抜こうとした俺。しかし、鑑別スキルは通用しなかった。  「フハハハハ…矮小ナル者。ソンナ小細工(コザイク)ガ吾輩二通用スルワケナカロウ。」  アンデッドドラゴンはそう言いながら、翼を広げた。  何をする気だ?  バザーッッッ!!  翼をはためかせたところで、周囲一帯に竜巻が起こる。黒い枯れ木が巻き上げられ、黒い石礫(いしつぶて)として、俺たちに襲いかかった。  「伏せろ!」  ワンダ軍曹は俺とルッソの間を駆け

          第44話 ぎこちないツッコミ

          第43話 アンデッドドラゴン

           翌日、俺たちは、荒れ果てた森の前に立っていた。  「これは…ひどいな。」  前方に見えるトルバ山からここまで、腐食した森が続いている。まるで、コールタールの雨が降ったようだ。死の彫刻のような黒い木々を抜けながら、俺たちはトルバ山を目指した。  ルッソや、ヒーちゃんも言葉少なで、緊張した面持ちだ。ワンダ軍曹と俺が先頭に立ち進んでいく。幸い、魔物に出会わないのだが、嵐の前の静けさのようで、逆に不安になる。  トルバ山のふもとに着いた。ここまでは、森が腐っているくらいで特

          第43話 アンデッドドラゴン

          第42話 フラグ

           ワンダは軍人であったが、ガナシアが、確かに熟練の医師だということが分かった。ガナシアの刃の進め方、そして血管を結紮していく糸さばきは、目にも止まらない速さであった。  「しかし…」  助手のゴルゴンは、それに比べてノロノロしているように見えた。脈をとったり記録したりすることは重要だが、ガナシアに糸を渡せと指示されてから、ワンテンポ遅れて手渡している。執刀医が助手に向ける手を見ると、わずかな苛立ちが垣間見えた。  「先生、手脈は触れません。わずかに首脈で触れます。」

          第42話 フラグ

          第41話 ワンダの嫌いなもの

           「待て!」  俺がまさに、パラリシスを放つ瞬間ワンダ軍曹は叫んだ。  「話を聞いてほしい。」  俺は警戒心を露わにしたまま、沈黙で促した。  「お前の身の上は分かったつもりだ。ただ、私の直観がお前が魔の者と捉えているのだ。」  「…魔族ではありません。」  「そうだな。お前は神の使いだと思う。ただ、元々の体の主に、わずかに…あるのだ。」  「…」  「お前がこちらに来る前だと思うが、訓練所に立ち寄るとお前が必ず目についた。第5組であるにも関わらずだ。」  

          第41話 ワンダの嫌いなもの

          第40話 静かな夜

           洞窟の壁画に、現状と似ているところがあることを見出した俺たち。  ルッソが、『ドラゴンが近くにいるかもしれない』とか、おっかないことを言うもんだから、俺は帰りたくなっていた。  「サーノ。『調査はここまでだ』と言っても、この先どうするのだ?」  ワンダ軍曹が俺に問う。    「ケープリアに結集しているだろう軍の助力を得ます。あらかた話は分かったので、我々の調査は終了し、この状況をまず報告するべきかと思います。」  「あたしもサーノ訓練生の意見に賛成かな。みんな、

          第40話 静かな夜

          第39話 壁画

           俺が必死で、PTSDの治療に専念している時に、わざとフラッシュバックを起こすように妨害してくるワンダ軍曹。『犬並みのオツムなのかな』と内心思いながら、冷汗を流し、腹痛を訴えるヒーちゃんに向き合った。  俺は再度、『フラッシュバックに効くツボ』と念じ、鑑別スキルによるスキャンを行った。  今度は、下腹部と膝の上に青く光る場所を確認し、鍼治療を行った。    「…ラクニナッタ」  ふぅ。  PTSDの治療は本当に難しい。これほど『生兵法は大怪我のもと』という言葉が似

          第39話 壁画

          第38話 PTSD治療

           西国と魔国が停戦状態になってから久しい。  西国首都セントリアは、魔国からの距離があることもあり、その美しい町並みは、何百年と他国の侵略を受けることなく、繁栄を謳歌していた。街には活気が溢れ、市街地の中心には、王宮がその威容をたたえながらそびえ立つ。  エリミナル城。  西国の者であれば誰もが知る、その白亜の王宮は、見るものすべてが感嘆し、嘆息するといわれている。現在は、名君アーサー・エリミナルⅣ世が治め、政治の中心地でもある。  その王宮の一角にある素晴らしい調度

          第38話 PTSD治療

          第37話 パリーハウス

           俺たちは、魔物が周囲にいないことを確認し、ひとまず干し肉などを使って昼ごはんにした。携帯食はあまりおいしいわけでもないが、それでもないよりはマシである。  「うまか~、いや、おいしいな。」  パリーの言葉にレナ教官、ルッソ、ワンダ軍曹が微笑む。  ちっ。  パリーがまんぷくふ〇る君みたいなら、俺も微笑むのだがな。  俺は、干し肉を何度も噛み締めながら、レナ教官に膝枕されているヒーちゃんを見た。今は、痙攣など起こさず、静かに眠っている。意識を戻したところで、トラウマ

          第37話 パリーハウス

          第36話 不安定な男

           九州弁で駆け寄ってきた金髪指○物語野郎。トラウマを抱えたヒーちゃんの対応に追われている時に、自分のことしか考えてなさそうな金髪野郎に俺は辟易しつつ、『俺たちとコミュニケーションがとれるように工夫しろ』と叱り飛ばすことを考えていた。  「おいは、ヒューマンたい。ワリャの言葉がよう分からんばい。ヒューマンに分かるよう話してくれんね。」  金髪に言ってやった。  金髪はハッとした様子で、  「すまなかった…。しばらく人と話をしてなかったからな。」  と言った。  レナ

          第36話 不安定な男