万華鏡ー私のミャンマー物語 ミャンマーのオリンピック選手

各国の選手が国旗を背負い、期待を背負い、自分を信じて熱い戦いを繰り広げている東京オリンピック。そこに、ミャンマーの代表として2名の選手が参加している。
バトミントンのテッテ ター・トゥザ選手と、射撃のイェ・トゥン・ナウン選手だ。

オリンピックにミャンマーのバトミントン選手が参加するのは今回が初めて。
テッテ ター・トゥザ選手はインタビューに「自分の国を代表してオリンピックに出場した最初のバドミントン選手になれたことを誇りに思う」と語るも、クーデター政府の元での大会出場について質問されると「話したくありません」と口を閉ざしたという。
クーデター政府に組するのを良しとせず、オリンピックの出場を辞退した選手もいた。辞退も、出場もどちらも簡単な決断では無かっただろう。個々人のもつ事情や背景はわからない。

しかし、スポーツ選手にとってオリンピックは人生をかけて挑みたい晴れ舞台のはず。まして長い軍事政権時代を乗り越えたミャンマーの選手だ。どれほど、新しいミャンマーを背負ってオリンピックに出たかったことだろう。本来なら国民の応援を一身に受けて晴れがましくも誇らしくオリンピックに挑んだだろうにと思うと、今の状況が残念で悲しくて仕方がない。

ミャンマーの人たちもきっと純粋に自国の選手を応援したかったはず。でも今はきっと手放しで応援できない。その状況が日本人の私にもただただ悲しい。ミャンマーの人たちがどんな想いでいるのかは想像もできない。

選手もミャンマーの人たちもこんな複雑な思いを抱えずに心から応援し、闘える日が早く来て欲しい。今はそう願うことしかできない。

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