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ソクタイプ式速記の「同時押し」を更に解説

前回の投稿で、ソクタイプ式速記には「同時押し」という技があると記載しました。今回は、この部分について更に解説します。

「同時押し」には2つのパターンがあります。

1つは、1本の指が複数のキーを押し下げる同時押しです。
人差し指は3つのキーを、親指・中指・薬指は2つのキーを同時に押し下げることがで
きます。小指は1つのキーのみを担当するので、同時押しはありません。

「A」「I」「O」、3つのキーを担当する人差し指の同時押しを例にとります。

【単独のキーを押す場合】
「A」「I」「O」をそれぞれ単独で押す場合は以下のようになります。

単独で押す場合


キーの上に置いたボタンの位置に指を置いて押し下げます。
左上の写真が「I(い)」、左下が「A(あ)」、右が「O(お)」です。

【2つのキーの同時押し】
キーとキーの境目に指先を当てて2つのキーを同時に押し下げます。

2つのキーの同時押し

左上の写真が「A」と「O」、2つのキーを同時押しする場合で、「え」という音節です。
左下の写真が「I」と「O」、2つのキーを同時押しする場合で、「う」という音節です。
右の写真が「A」と「I」、2つのキーを同時押しする場合で、「おう亅という音節です。

【3つのキーの同時押し】
「A」と「I」と「O」の3つのキーの境目に指先を当てて、3つのキーを同時に押し下げます。「ん」という音節です。

3つのキーの同時押し


ここまでが、1本の指が複数のキーを押し下げる「同時押し」です。

もう一つは、複数の指の同時押しです。
1本~10本、さまざまな組合せで同時押しをします。

複数の指で同時押し

上の写真は、「H(薬指)」「S(中指)」「AとO(人差し指)」を同時に押し下げる符号で、「ね」という音節です。

下の写真は、「Y(小指)」「K(中指)」「AとI(人差し指)」を同時に押し下げる符号で、「かい」という音節です。

10本の指全てが、それぞれの指が担当するキー全てを押し下げた場合、1ストロークで「YTHKSAIOTK INOIASKHTY」と、20個のキーを入力することができます。
ちなみに、このストロークは、「なっていることになっても」というフレーズを速記したときの速記符号です。

1本の指が複数のキーを押し下げる同時押しについては、「ストラックアウト」の「2枚抜き」のイメージと表現すると、少し分かりやすいでしょうか。
また、複数の指の同時押しについては、「アルペジオではなくて和音」という表現でお分かりいただけるでしょうか。

たった20個のキーで話し言葉のスピードに追いつくためのキモ、同時押しについてのお話でした。

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