オカルトや都市伝説を好きになった理由

Google検索で「アヌンナキ 人類 起源」なんて入力しているときに、ふと我に帰ることがある。

俺は何を知りたいんだ?何をどうしたいんだ?

5W1Hが何一つ埋まらないまま、再び心はアヌンナキに捕らわれる。

人類の起源を知って何になるのか、何にもならないであろうことはもう直感的に分かる。

でも、それを検索するのは楽しい。

検索して知ったことを、自分なりにストーリーにして勝手に納得するのも楽しい。

それを人に話すのは100倍楽しい。

何故楽しいのか、それを文章化しながら自ら探ってみようと思う。

人に話すのが楽しいことに関しては根本的にお喋りが嫌いじゃないという性質に依るところなので置いておく。

さて、そもそも私は、ウルトラマン、と言うよりウルトラマンに出てくる怪獣や宇宙人が好きだった。

個性豊かなデザインと生態に魅了された。

それが転じて生物好きになった。自然界にも、個性豊かなデザインと生態は溢れていたのだ。

小さい頃から昆虫採集やザリガニ釣りに興じていた。特に珍しい昆虫を捕まえた時なんか小躍りしていたくらいだ。

珍しいと言っても、子供の狭いコミュニティの中での話なので、一般的にはありふれた昆虫しか捕まえたことはないが、

そのコミュニティにおいて、トノサマバッタを捕獲したことは人類初の大偉業なのである。

その延長だ。

その成功体験こそが、後にオカルト好きになる少年の原体験となっているのだ。

珍しい虫を捕まえる事に飽きた少年は思春期を迎え、やがて珍しい生物の究極形であるUMA、つまり未確認生物へと興味を移すことになる。

ネッシーに始まり、ツチノコ、イエティ、ビックフット、シーサーペント、オゴポゴ等、

胡散臭い写真を本や雑誌で見つける度にこっそり学校に持っていき、友達に見せてはその反応に一人満足していた。

すっかりUMAの伝道師となったいた私の布教活動は、ある日遂に教師の知るところとなり、当時定期講読していた『X-ZONE』と言う雑誌を没収される悲劇に見舞われる。

しかし、ごく一部の生徒に対する秘密の布教活動以外は人畜無害な優良生徒だったためか『X-ZONE』はすぐに返してもらえた。

ただ、あの時の教師の目は今でも覚えている。何か哀れな者を見るような。

まるで「男子、中学生、秘密の本」と言うキーワードが揃ったとき、その本の内容に対して何かの固定観念があるかのような。

私が持っていた本に掲載されていたのは、ビックフットのヌード写真である。

重大な誤解を与えていないことを祈るばかりだ。

話が逸れたが、UMAに向いていた興味は、911を経て陰謀論へ、そしてケネディ暗殺事件を知り、宇宙人、宇宙人から人類の本当の起源へと拡がっていった。

しかし、そのどれについて調べるときも、頭の片隅では、それをどう伝えるかを考えている。

伝えたときに、それを楽しんでくれたら嬉しいし、それを切っ掛けに話が拡がればもっと嬉しい。

自分の好きなことを話している人は輝いて見える。だから私は、人の話を聞くのも大好きだ。

そうだ、私は「人」が好きなんだ。

「人」が喜んでくれたら嬉しいから、面白い話のネタがないか探している。

そのターゲットがオカルトや都市伝説であることは、ナンセンスなのかもしれない。

さらに言うと、こういった話をしても本当に相手が喜んでいるのかはわからない。独りよがりなのかもしれない。

でもそれは仕方ない。こういう風に生きてきてしまったのだから。

あの時捕まえたトノサマバッタは、帰り道で転んだ拍子に逃げてしまった。

飛び去っていくトノサマバッタの姿を、オカルトの中に見出だそうとしている私は、

あの時から何も変わっていないのかもしれない。

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