学校写真における、スキースクールの撮影のポイント
こんにちは。カメラマンのhayatobellです。学校写真を10年ほど撮影しております。
今回は、スキー教室の撮影についてです。1月、2月はスキー教室繁忙期というか、撮影のほとんどはスキー教室になりますので、関係する方はチェックして頂けるといいかと思います。
スキー教室撮影 持ち物編
スキー教室での撮影については、こちらをご覧ください。
スキー教室撮影 準備編
・体力づくり
・髪の毛を切っておく
・スキー保険に入っておく
まずは、体力づくりが大切です。数か月前から筋トレとジョギングを行います。筋トレである程度筋肉をつけつつジョギングなど有酸素運動を取り入れるのがおすすめです。学校写真には体力が不可欠なので、スキーに限らず、体力づくりは必要になります。
髪の毛を切っておくに関しては、若い方は大丈夫かも知れませんが、髪の毛が気になってくる年代の方は、かなり重要です。なぜならスキー教室の撮影の場合、ニット帽をかぶることが多く、このせいで髪の毛がぺっちゃんこになります。
髪の毛が薄くなってきた状態で、髪型がペッチャンコになると、かなり変です。子どもたちなら笑って済ませられますが、薄毛が気になる状態だと、突っ込んでいいのか分からなくなりますので。相手に気を使わせないためにも、美容室や床屋に行って、髪の毛を短めに揃えてもらいましょう。
スキー保険にも入っておきましょう。自分が怪我した場合や、カメラなど機材が壊れてしまった場合、盗難にあった場合に補償されるものがいいです。フリーランスカメラマンの撮影を前提としておりますので、カメラの管理は自己責任となりますので、このあたりも重要です。
集合写真の撮影
・背景の選択
・露出に注意
・雪が降っているときは
・三脚を使うか?
・ゴーグルを外してもらう
スキー教室での集合写真の場合、スキー場での撮影は必須で、学校によってはもう一か所撮影するケースもあります。宿舎内のホールや大広間であったり、宿舎前であったり、どこか観光地っぽいところであったりします。
背景の選択は重要です。特にスキー場の場合、背景が単調になってしまうので、「スキー場に来ました!」が分かり易い背景を選ぶことがポイントです。広大なスキーゲレンデをバックにしても、真っ白になってしまうだけなので、ゲレンデ+スキー場が分かり易いものにしましょう。リフト、看板、レストランなどを入れていきます。
露出に注意することも大事です。当然ですが、スキー場は雪に囲まれています。雪は反射率が高く、露出がアンダーになりやすいので、背面の液晶パネルとヒストグラムを見て適正露出を確認します。スキー場だと自分のサングラスやゴーグルをしているので、液晶パネルを見るだけだと、適正露出をまちがってしまいがちです。
雪が降っている時は、注意です。集合写真は通常ストロボを使いますが、雪や雨が降っていると、反射してしまうため、ストロボなしで撮影します。この場合に人物と背景の両方とも写し込める露出を選ぶことがポイントです。また、シャッタースピードが遅くなりそうな時は、生徒さんに動かないように誘導することも必要です。
三脚については、できれば使いたいところですが、撮影場所と宿舎が近ければ、集合写真を撮影した後、もしくは集合写真を撮影する前に部屋に戻って三脚をとりに行ったり、集合写真撮影後に戻しに行くことができます。しかしながら、宿舎が離れている場合、三脚を使わないか、三脚を預けられる場所や三脚が入るコインロッカーを探しておく必要があります。三脚を持ったままのスキーは危険すぎるので、注意です。
生徒さんのゴーグルは外してもらいましょう。晴れた日のスキー場だとかなり眩しいのですが、ゴーグルをしたままだと、誰が誰だか分からなくなってしまうので。フェイスマスク等も同様です。あと、ニット帽のボンボンが後ろの生徒さんの顔に被っていないかも確認です。
まずは、抑えでポーズなしの写真を撮って、元気よくポーズしているところも撮っておきます。後で見て、スキーの楽しい思い出がよみがえるような写真になるといいかと思います。
スナップ写真(スキーをしているところ)
・ゴーグルを乗り越える
・複数人数が写っている瞬間を狙う
・リフトに乗っているとき
・初日の練習風景
・声掛けどうする?
・上級者を撮るとき
・初心者を撮るとき
スキー中のスナップ写真は、私の場合、ストロボを使わないことが多いです。なぜなら、ストロボをつけた状態でスキーをして、転倒した場合に破損してしまう可能性が高いからです。カメラとストロボの接続部分はもっとも壊れやすい箇所の一つですので、要注意です。
上記のようにストロボなしの撮影を前提とした場合、ゴーグルをしている生徒さんをどのように撮りますか?私の場合、できるだけ順光側に回って撮影します。スキー教室では、インストラクターが描いたシュプールに沿って、生徒さんも滑ってくることが多いので、順光の撮影ポジションを選ぶのは難しくないです。順光から撮影すると、ゴーグルが透けて見えるので、若干見分けやすくなります。
あと、順光側だと、晴天時の青空やスキー場全体の雰囲気なども一緒に撮影しやすくなるので、そういった場所も選んでおきましょう。後で親御さんに見せるときに「こんな急なところを滑ったんだよ!」と自慢できるような写真に仕上げられるといいかも知れません。
スキー教室での最大のネックは、複数で撮りずらいことです。特に滑っている時は、一人ずつになってしまいます。学校写真の場合、複数人数での撮影が基本なので、ここは工夫したいところです。
複数人数が写る瞬間を狙う方法の一つ目は、リフトに乗っているときです。このときは、特に何もすることがないので、カメラを向けると、多くの生徒さんは笑顔を見せてくれます。子どもたちも色々と忙しいので、ヒマな時を狙うと写真も撮りやすいです。撮る瞬間の露出とシャッタースピードに注意することと、スキー場の雄大は背景が写るポイントを選ぶことがポイントです。
複数人数が写る瞬間を狙う方法の二つ目は、初日の練習風景です。学校写真におけるスキー教室の場合、ほとんどの生徒さんが初心者です。それは2年生、3年生であっても年に数回しかしていないと、初心者とあまり変わらなくなってしまいます。
初心者の、特に初日の練習風景はゲレンデの下の方の平なところで、ボーゲンの練習をします。このときはみんなまとまっているので、複数人数で撮りやすいです。誰かが滑っている時、ほかの生徒さんは待ち状態になるので、この時もチャンスです。
スキー中の声掛けですが、私はしません。なぜなら、声をかけて、こちらに注意が向いてしまった瞬間に転倒してしまう可能性があるからです。イントラさんによっては、「カメラマンがいるよ!」と教えてくれる場合もあるので、その時はアピールする場合もあります。スキー中の安全管理はイントラさんが行っているので、そこに従って邪魔をしないことがポイントです。
上級者を撮るとき、追い越すのは大変なので、あらかじめコースを聞いておおいて、撮影ポイントで待機します。1回とれたら、先回りして2回目、3回目を撮ります。できるだけ初日、2日目で撮るのがポイントです。最終日近くなると、上級者コースに行ってしまうので、こちらも大変になります。スキーそのものも大変だし、ほかの生徒さんと違うコースを滑っていると、移動に時間がかかってしまうので。
初心者を撮るときの注意は近づきすぎないことです。狭い場所を追い越す時など、近くを滑ることもあるかも知れませんが、要注意です。なぜなら、初心者の場合、ターンやブレーキがうまくできません。特にターンは右だけ、左だけといった感じで、右にターンしたと思って左側を抜けようとすると、すぐに左ターンする場合があります。自分が初心者の頃のことを思い出すと、当然の動作ですよね。
スナップ写真(止まっているとき)
・スキー前後の時間を狙う
・グループ写真を撮る
スキー場のスナップ写真では、上記のよに滑っている最中はなかなか難しいので、上記の時間を狙って、できるだけ撮影枚数を稼いでおきます。
スキー前後の時間を狙うのがおすすめです。スキー後は次の予定があるので、スキー教室前の雪遊びをしている時間がいいです!グループ写真を撮ったり、雪で遊んでいるところをとると、いい思い出になると思います。
スキー教室の場合、どこかのタイミングで全グループのグループ写真を撮ることが多いです。インストラクターと一緒に、「スキーに来てる!」といった感じの写真を撮ります。スキー板を外してもらって、集まってもらうのがいいと思います。
スナップ写真(スキー以外)
・食事風景
・課外活動(レクリエーション、スキーのお勉強)
学校写真の宿泊撮影の定番が食事風景で、絶対に抑えておきたいシーンです。小学生中学生くらいまでなら、横並びで2人から4人毎に撮っていきます。人数が多ければ、「いただきます!」の前から撮り始めますが、可能なら食べ始めてから写真を撮った方が笑顔の写真を撮りやすくなります。やっぱりお腹が空いていると元気がなくなってしまいますからね。
あと、女子よりも男子の方が食べるのが早いので、先に男子を撮るといいでしょう。食べるのに夢中になっている生徒さんもいますが、ここはリズムよくよります。女子の場合は、仲良しグループを大事にしていることが多いので、誰と撮りたいか確認していくことも大切です。
課外活動では、レクリエーションやスキーのお勉強があります。スキーのお勉強では、インストラクターやスキーが上手な体育の先生が、上手に滑る方法などを教えてくれます。
レクリエーションは、他のイベントと同じですが、楽しそうな雰囲気を写真に残すことがポイントです。
スキー以外で注意すること
・体調管理(インフルエンザ、筋肉痛、手荒れに注意)
・カメラのメンテナンス
・結露
・スキーができない子の撮影も
体調管理は最重要です。スキー教室の時期はインフルエンザが猛威を振るう時期でもありますので、バスの中などでマスクの着用、うがい手洗いの徹底をします。また葛根湯を用意しておいて、ちょっとでも調子が悪くなったら、お湯で溶いて飲んで、早めに寝ます。私の場合は喉から来ることが多いので、喉の状態は常にチェックしておきます。
筋肉痛対策も需要です。アンメルツヨコヨコなどを使う場合には、あまりにおいが強くないものを。サロンパスや湿布を使う場合には、どこかでとれないようにしっかりとつけておきましょう。
カメラのメンテナンスも重要です。雪が付いたまま室内に持ち込むと、カメラが濡れてしまいます。カメラが壊れてしまうと、カメラマンは何しに来たのか分からなくなってしまいますので。カメラの動作確認や、バッテリーの状態もチェックして、可能ならマメにバックアップをとっておきます。
結露対策も重要です。スキー教室の後、すぐに食事にケースは少なく、少し時間がありますので、ゆっくりカメラを室温になじませて、結露が発生しにくくなるように工夫しましょう。可能なら、外用のカメラと室内用のカメラを別々にするといいかも知れません。
スキー教室に来たけど、体調が悪くなってしまった。怪我をしたけど、スキー教室に参加したかった。スキーは無理だけど、ソリならOK。もしくは支援級の生徒さんもいます。ですから、スキーをしている人だけでなく、スキーができない人もいないか確認して、参加者全員が写真に残っているように注意を払いましょう。
最後に
・自分のスキーはどうする?
・スキー中の荷物は?
・リフト券はどうする?
自分のスキーはどうするか?についてですが、私のスキー板、ブーツ、ストックはしばらく使っていなかったので、処分してしまいました。ですので、毎回レンタルしています。可能ならブーツは自分のものがいいかも知れません。
スキーはカービングで、あまり長くないものを装着します。ストックは使いません。ミニスキーを使うカメラマンもいますが、慣れていればそちらでもいいかも知れません。カメラを持って、自分もスキーを滑る必要があるので、滑りやすいものにしましょう。
スキー中の荷物は、カメラバッグとは別にリュックを持って行って、そちらに入れておきます。あまり大きいリュックだと、リフトに乗るときに邪魔になってしまうので注意しましょう。中身は、必要に応じて、予備電池、望遠レンズ、ストロボなどを入れておきます。クッション材がある場合はそちらを使用して、なければタオルなおでしっかりと保護しておきます。
スキー中のリュックにサブカメラは入れていません。理由としては、何かあったときに、2台のカメラが壊れてしまうリスクを回避するためです。ただし、集合写真があるときは、2台のカメラを持って行くときもあります。
リフト券は自腹で購入することが多いです。といっても後で経費清算できますが。初日は、初心者の子どもたちがリフトに乗らないで練習することが多いので、リフト券は買わないことが多いです。ただし、スキーにブランクがある場合は、ここである程度練習しておきます。
2日目、3日目などなか日は1日中滑ることが多いので、1日券を購入します。最終日は午前中だけスキーをして、昼食後に変えるパターンが多いので、可能なら半日券を購入します。あとは、2日券、3日券などどれが安いかスキー場の方に聞いて、できるだけコストパフォーマンスがいいものを購入します。
記事を読んでくださり、ありがとうございます。 よろしければ、サポートをお願いできますでしょうか。 撮影機材をはじめ、写真ができるまでには結構お金がかかっていますので・・・