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『先生抜きで書こう』 試訳その3

ピーター・エルボーの文章論。続きです。

二つ目のメッセージは書名になったもの。「先生抜きで書く」ことだ。

これも独立宣言だよ。

生徒は先生抜きでも学べるけど、先生は生徒がいないと教えられない。先生に頼りすぎるなって言われるけど、本当は先生の方が生徒に頼ってる。

僕はこれからもずっと先生でいるつもりだし、先生からたくさんのことを学んだよ。でも、むかし書けなくなってしまったのは先生のせいだった。

フロリダで仲間や生徒たちに書くようになったり、痛みや混乱に対処しようと自分自身に書くようになって、やっとまた書けるようになった。

先生抜きでないと、書けるようにならなかったんだ。

秘密にしていた話がもう一つある。

1968年にMITで二度目に教え始めた時のこと。60年代が終わろうとしていた頃、僕は良心的兵役拒否者になったんだ。

初めて出版した本は、「キリスト教世紀における良心的兵役拒否法の複雑性」について書いたものだ。

兵役拒否は自分で宣言するだけじゃなく、国に認められないといけない。詳細な文書を書いたし、公聴会で話もした。だけど認められなかった。

当時、ベトナム戦争に反対する若者の多くがカナダに亡命した。だけど僕は亡命したくなかった。投獄されるかもしれないと思って怖かったよ。

結局、年齢的なものから戦争には行かずにすんだ。でも、良心的兵役拒否の問題が頭から離れなくなった。

1968年にキング牧師とロバート・ケネディが暗殺され、僕はボストンの黒人のコミュニティでボランティアを始めた。午前中は子供を教え、午後は大人に文章の書き方を教えてた。

そこで先生抜きで書く実験を始めたんだ。(給金をもらっているMITでやる勇気はなかったよ)

とても上手くいっている感じがあった。本を書いてしっかり理論と実践をまとめようと思った。

生徒たちはどんどん上達した。先生はいなかったけど、仲間同士で話し合ったことがよかったんだ。

こうすると良いよ。

・他人に見せない、自分だけが見る秘密の文章を書く。

・見せても良いものを他人に見せる。

・グループでは人の文章を変に否定したりしないこと。暖かな雰囲気で、文章に対する味わいだけが表現される場にしてほしい。

・自分が書いたものを人が話している。そんな経験を楽しむんだ。

・書かれたものを理解しようと努力してほしい。そして、読んでいるときどんな気持ちになったかを発表しあうんだ。

・「どうしたら良くなるか」などを含めて、評価することはしないでほしい。

・「いい反応があった」とか、「いいアドバイスをもらった」ことで文章が上手くなる訳ではないことが分かる。

・そうじゃなくって、

「読者に理解されること」
「どんな風に気持ちが動いたかを、読者から聞くこと」
「生きた経験が沸き起こる読み方をしたこと」

そんな場面に触れて文章が上手くなってゆく。

・文章を読むといろんなことを感じるけれど、口論はしないでほしい。色々な気持ちを聞くと、自分の文章を色々な視点で見られるようになるんだ。

これが先生抜きで文章が上手くなるコツなんだ。

お読みくださいまして、誠にありがとうございます!
めっちゃ嬉しいです😃

起業家研究所・学習塾omiiko 代表 松井勇人(まつい はやと)

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起業家はトラウマに陥りやすい人種です。トラウマから立ち上がるとき、自らがせねばならない仕事に目覚め、それを種に起業します。

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