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USBオーディオインターフェースを絶縁する方法

PCにUSBオーディオインターフェースを接続して、オーディオパワーアンプへの入力にする場合の、コモンモードノイズ対策として絶縁があります。

具体的にはUSBオーディオインターフェースのUSB入力側にHS01などのUSBアイソレーター、オーディオ信号出力側にHD400などの絶縁トランス(バランス・アンバランス変換もできる)を使用するのが一般的です。

また、日本の場合、商用電源(AC100V, 50/60Hz)のニュートラルが供給側で接地されているため、ライブとニュートラルの間に常にコモンモード電位(AC50V, 50/60Hzの正弦波)が発生しています。

この商用電源に起因するコモンモードノイズの対策としては、AC用の絶縁トランスなどを利用して絶縁(1次側と2次側のコモンモード電位を切り離す)して、2次側を完全にフロートさせます。

フロートさせた上で、2次側を接地するかはケースバイケースですが、シングルエンドのスピーカー出力のオーディオパワーアンプ(AB級)の場合は、スピーカーケーブルの正負間の差動電位と同相電位が同相のためそれほど問題になりません。

またAB級アンプの場合、出力段のMOSFETで常に熱損失として、電源レール(+-48VのDC)と出力(+-35V, 20-20kHz程度の音声信号)との差分を捨てているので、CMRRが十分あります。

また、スイッチングアンプ(D級)の場合は、本質的に電源レールと出力にCMRRがなく、PWMの波形とLPFを通した後の復調した波形とは大きく異なります(フィルタアウトした高調波はLPFのコンデンサを通してグランドに捨てている)。

したがって、スピーカー出力もCMCで絶縁(シングルエンドからバランス出力に変換)するアプローチをとっています。

物理的には、ノイズはエネルギー損失なので、適切なモード変換や回路トポロジー(スナバ(熱へ変換)や共振(振動エネルギーを伝達)など)を構成して、対応することができます。


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