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なぜ中小企業診断士を取ろうと思ったか

みなさん,こんにちは。

先日,平成30年度の中小企業診断士試験に合格することができました(4月登録予定)。

事務所の仕事もさることながら,プライベートで子どもが生まれたりして家庭の時間も多くなり,勉強時間がかなり限定されたこともあり,合格まで3年くらいかかってしまいました。

中小企業診断士資格を保有する弁護士はチラホラいます。そこで,私がなぜこの資格を取ろうと思ったか,お話してみたいと思います。

① 法務だけでは中小企業の根本的な課題を解決できないから

弁護士の仕事の多くは,紛争の事後処理です。例えば法人破産なんかだと,すでに会社が回らなくなってから相談にいらっしゃるわけです。

もうちょっと早期に経営改善できていたら・・

会社も軌道修正できて,従業員とその家族,社長とその家族の生活が守れたのにな,と歯痒い思いをしている弁護士は私だけではないはずです。

しかし,当然ですが,中小企業の経営課題は法的問題だけではありません。マーケティング,生産管理,会計,人事・・多岐にわたります。

リーガル面のアドバイスだけでは,紛争の後始末やいわゆる予防法務的なお手伝いはできても,経営の根本的な課題の解決まではできないのかな,と感じることが多かったのです。

② 社長のビジネスパートナーとして,ビジネスを知らないのはマズイという危機感

顧問弁護士は,社長の相棒,ビジネスパートナーであるべきだというのが私の考えです。何かあったときだけではなく,常日頃から気軽に相談いただける存在でないと顧問弁護士である意味はありません。

ビジネスパートナーたり得るには,ビジネスを知る必要があります。

そこで,ビジネスにかかわる横断的な知識を習得したいと考えて,中小企業診断士の資格取得を決意しました。

③ 事務所経営に活かせる

弁護士は,司法試験に合格しただけで,経営の知識を学んだわけでもなく,経営者の素質があるわけでもありません。

しかし,独立すれば事務所を経営していかなければなりません。

経営についてちゃんと学び,事務所経営を軌道に乗せ,成長していくことができなければ,スタッフひいてはクライアントにも迷惑が掛かってしまいます。

中小企業診断士の資格取得を通じて組織のマネジメントを学び,事務所経営に生かしたいと考えました。

④ 顧問業務の幅と質の向上

今後,顧問弁護士が法律だけわかればよい,という時代は終わると思っています。

法務だけではなく,経営全般を把握して,ビジネスにアクセルを掛ける存在にならないと顧問弁護士としての付加価値を高めることができません。

また,企業側のコストの観点からみても,「紛争処理コスト」と「紛争予防コスト」を比較すれば後者の方が圧倒的に安いことは明らかです。特に資金繰りに余裕がない中小企業にとっては,紛争が会社の存続に致命傷になることもあり,紛争予防の観点は極めて重要です。

私なりに,どうしたら効果的に紛争予防法務を提供できるのかを考えると,「経営者と緊密なコミュニケーションをとれる関係を構築すること。そのために経営者の相棒として認められること」がポイントであると考えました。つまり日常的に経営者と接点を持ち,コミュニケーションの頻度と質を高めることで,会話の中から問題を早期に抽出し,事前に手を打つことが大事である,と。

そして,日常的に相談をして頂くには,法務だけでなく何でも解決できる立ち位置になる必要があって,このような立ち位置を認識されることで,顧問業務の幅と質を向上することが可能となるのではないか,と。

こんなことを考えて,法務にとどまらない顧問サービス,いわば「経営顧問」サービスの提供を目指すに至りました。





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