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【2024年4月施行】労働条件明示書のルールが改正されます

こんにちは。林戦略社会保険労務士の林です。
今年の4月からいくつか労務ルールが改正されます。今回はその中でも労働条件明示書について取り扱いたいと思います。

どんな改正なのか

厚生労働省HPより抜粋https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html

全従業員対象な項目は「就業場所・業務の変更の範囲」を追加で書くことです。
有期契約労働者のみが対称な項目は「更新上限の有無と内容」「無期転換申込機会 無期転換後の労働条件」を追加で書くことです。


どうやって書くべきか

就業場所・業務の変更の範囲について明確に決まっている場合はその内容を記載すればOKです。従業員側の立場からすれば変更の範囲が明確になっていると安心して勤務ができるのでなるべく具体的に記載するのが〇です。

もし変更の範囲が明確に決めることがどうしてもできない状況で網羅的に書いておきたい場合は以下の書きぶりがおススメです。

就業場所の変更の範囲:本社および全国の支社・営業所
業務内容の変更の範囲:当社業務全般

更新上限の有無と内容について、上限が無い場合は以下で大丈夫です。更新上限が無い場合は必ずしも明記する必要はないのですが、従業員側の視点から明文化しておくことをおススメします。

更新上限の有無:なし

更新上限がある場合は、通算契約期間または更新回数の上限を記載します。

■通算契約期間で記載する場合
更新上限の有無:あり 通算契約期間を〇年までとする
■更新回数で記載する場合
更新上限の有無:あり 更新〇回まで

更新回数の場合は合計数を書くのか、残り回数を書くのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが特に制限はなく、従業員側が理解しやすい形での記載を考えると良いです。
例えば、契約の当初から数えた更新回数又は通算契約期間の上限を明示し、その上で、現在が何回目の契約更新であるか等を併せて示すスタイルでもOKです。

無期転換申込機会 無期転換後の労働条件の書きぶりは以下となります。

本契約期間中に会社に対して期間の定めのない労働契約(無期労働契約)の締結の申込みをすることにより、本契約期間の末日の翌日( 年 月 日)から、無期労働契約での雇用に転換することができる。この場合の本契約からの労働条件の変更の有無( 無 ・ 有(別紙のとおり) )

厚労省モデル労働条件明示書

既存従業員も交付が必要か

2024年4月1日より前に在籍している従業員については原則不要です。有期契約労働者で2024年4月1日以降の期間について契約更新する場合は、改正後のルールに沿った明示書での交付が必要です。

厚生労働省からの情報発信

ポータルページ

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html

モデル労働条件明示書

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156118.pdf

Q&A

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156119.pdf

追記:労働条件明示書の電子化条件を把握しよう

労働条件明示書と雇用契約書をセットにしてクラウドサイン等の電子署名対応を実施している企業も一定数いらっしゃるかと思います。
雇用契約書は電子対応で問題ないのですが、労働条件明示書は原則は紙、従業員が希望した場合のみ電子化が可能となります。あわせて電子化の場合は以下の点にご注意ください。

  • 【必須】PDF等の出⼒して書面を作成できるものに限られます。

  • 【推奨】トラブル防止のために履歴(電子を希望した旨、明示書送付日時、開封状況等)を残すようにしましょう。

終わりに

記事を書くにあたってもろもろ詳しく調査や確認作業を行い、自身の勉強にもなりました。今後も不定期ですが情報更新していきたいと思います!

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