見出し画像

サッカーは、果てしなく僕の心を突き動かしてくれる。

2021年11月21日 j green 堺 メインスタジアム 

試合終了の笛が鳴り響いた。

その笛と同時に、僕の長い長いサッカー人生も終わった。

サッカーと出会ったころから、ボールを追いかけることが楽しくて、毎日のようにボールを蹴ってきた。そんな少年は、サッカー人生ラストの年に、選手を引退し、学生コーチという指導者の立場でサッカー人生を終えた。

自分自身予想もしなかった終わり方。

まず学生コーチとは。所属しているクラブに、大人の指導者(監督) が一人しか在籍していないため、毎年四回生から3~5名選手を引退し、指導者としてクラブに関わる制度のことである。

大学までサッカーを続けてきて、最後の年に選手を引退して学生コーチになりたいと思う人はほぼいないだろう。私もそのひとりである。でも、クラブのルールで、必ず誰かがしなければいけない役割である。

難しい。こんな制度なくなればいいのに。これが本音である。

三回生の10月ごろから、学年ミーティングを繰り返し行い、話し合い、学生コーチは決定される。正直私は、三回生のころ、Iリーグで思うような結果も残せなかったし、あと一年悔いが残らないような終わり方をしたいと思っていた。それと同時に、限界と焦りも感じていた。

三回生のころの自分の立ち位置は、トップチームのサテライトが落ちてきて、そのメンバーとIリーグに出場するポジションだった。サテライトの選手たちや、同じカテゴリーの選手たちがうまくて、はやくて、サッカーIQが高くて、ついていくのに必死で、自分なりにもがき続けて、そんな生活を送っている中で、限界と焦りを感じていた。

そんな中、開かれた学年ミーティング。主将が、

「ここまでサッカーを続けてきてたらわかると思うけど、サッカーをしたいとか、選手をやめたくないとかそんな次元の話ではない。自分がどの立場に回ることでクラブに良い影響を与えられるか。それを最優先してほしい。」

と発言した。まさにその通りだと思った。間違いないと。私の心は突き動かされた。

それからも何度もミーティングは開かれ、なんとなくの候補が上がり、五名選出された。その5名でもよく話し合い、来シーズンは学生コーチとして頑張ろうと固く誓った。

昨シーズンは、リーグ三位、インカレベスト8とクラブ史上最高の結果を残し、今シーズンもその勢いのままいけると信じていたが、現実はそう甘くなかった。

開幕から8試合勝利なし。悔しい、情けない。頭の中にこの二つの言葉が何度も思い浮かんだ。

荷物を積み試合会場から帰る車の中で、運転している学生コーチの一人が、「もう辞めよか~」と冗談交じりに声をかけてきて、「信じよう、次の試合こそ勝ってくれる。頑張ろう。」と自分が返す。この会話をするたびに胸が痛くなった。

この一年間、勝てない時期が多くて、何のために学生コーチをやっているのかわからなくなる時もあった。本当に学生コーチなんかやめて選手に戻りたいと思う時もあった。

でも、試合に負けた後、「はやた、ごめんな、次は勝つから」と声をかけてくれる選手たちがいて、試合に出ていない自分なんかより、もっと悔しいはずの選手がそんな言葉をかけてくれて、そんな姿を目の前にして、続けよう、学生コーチとして頑張ろうと何度も立ち直ることができた。

言葉の力はすごい。本当にそう思う。

勝てない時期を乗り越え、負けることが減り、何とか一部残留という結果を残すことができてほっとした。

平日は学生コーチで13:00過ぎから集まって、練習を考えて21:00に全カテゴリーの練習が終了する。土日は全カテゴリーの試合に帯同して、夜遅くに帰ってくる。そんな生活を送ってきた一年間。

みんながいたから、乗り越えることができた。仲たがいすることもあった。熱く語り合うこともあった。一緒に泣いたこともあった。この一年間は本当に苦しくてしんどかった。この一年間を乗り越えた僕たちなら、この先どんな困難に当たったとしても道を切り開けると思う。そう信じてる。

この5人で頑張れたのは、やっぱり同期28人が原動力となっていたからに違いない。本当にありがとう。

苦しいことや、つらいこと、楽しいこと、笑ったこと、この四年間でサッカーという1つのスポーツからうまれた多くの感情が

果てしなく僕の心を突き動かしてくれた。

大学サッカー万歳。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?