西洋美術雑感 43:ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ「刈り取る人のいる麦畑」
さて、この西洋絵画雑感もこの印象派で最後にしよう。この後の美術はさまざまな流派に分かれ、いわゆる現代美術の時代へ入って行くが、それはまたの機会ということにしよう。ここでは、印象派の後期の作品として、ふたたびヴィンセント・ヴァン・ゴッホの画布を出して締めようと思う。
実はこの「刈り取る人のいる麦畑」という、ゴッホが南仏のサン・レミの精神療養所で描いた作品には、個人的な思い入れがある。僕がこんな美術批評的な文をなぜ書いているのかという理由に、もっとも深く関係する画布で、僕はこ