西洋美術雑感 39:ポール・セザンヌ「リンゴの籠のある静物」
再びセザンヌを取り上げよう。なぜセザンヌが多いかというと、それはやはり彼が、その後の現代美術に多大な影響を与えた、ということが大きいからだ。彼自身は遅咲きな人で、中央のパリの画壇では彼の絵はなかなか認められなかった。後年、田舎にこもってひたすら描き続けたが、その画布は、まず先に、他の画家たちを説得して行ったのだが、最終的に、その影響力は絶大なものになった。
彼は、その現代的な絵画感覚ゆえに、現代美術の元祖みたいに解説されることが多い。そのせいで、さぞかし先進的な感覚に富ん