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サブ3への道#2 完全なる敗北

2023年1月15日(日)
木曽三川マラソン
3時間56分17秒(正式な記録が分かり次第修正します)

#木曽三川マラソン
#rocknrollorrun

インスタにあげようとしたら長過ぎてあげれませんでしたのでこちらで。
本当はあげたくないし、今でも夢なんじゃないかなと思い込みたくなる心境ですが…。
同時にこの体験を覚えているうちに書かないと後悔するなと思い、打ち込んでいます。
史上最強に長くなりますが、何かに挑戦している人に勇気(あるいは絶望…)を与える内容になっているかと思いますので、よろしければ見てください。

令和5年1月15日。人生2回目のフルマラソン。
初めては昨年の12月18日だったので、僅か1ヶ月足らずでの再チャレンジでした。
初めての大会は三重県の松阪市で行われたみえ松阪マラソン。
その時のタイムは約3時間7分。自分としては出来過ぎ位のタイムでゴール出来て、終わった瞬間練習の日々(コロナで全く大会出れず、ランニング始めてからひたすら練習しかしてなかった)を思い出して涙がこぼれる、そんな素敵なマラソンデビューでした。

この木曽三川を決めたのは昨年の9月ごろかな?バンドメンバーでありマラソンの師匠であるサブ3ランナー下地さん(今回は怪我でDNF、つまり欠場)のオススメ大会だったので、松阪との日にち関係をあまり考えずに即決。
1ヶ月あるから大丈夫だろう、と踏んでいたのですが松阪後右足の骨の痛みにより2週間ほどまともに練習出来ず。
正月返上(特にやる事もなく、駅伝見てただけですが…)でポイント練(追い込む練習)を入れつつ、右足も良くなってきたので、1/8に春日井マラソン10kmを全力で走る。この時のタイムが38分ちょっと。まずまずの出来かなと思い、下地さんに報告すると「これならサブ3いけるよ!」と。
サブ3というのは、フルマラソンを3時間切って走る事を指します。市民ランナーの夢とも言われている、中々に高いハードルのタイムであります。
松阪で近いタイムを出してた事もあり、元々潰れてもいいから3時間切りを目指して走ろうとは思ってました。
しかし現実では1km辺り4分15秒で走らないと行けないのですが、練習ではそのペースで走った最長記録は12km(今年の1月1日。正確には12km地点で謎にGPS時計の電源が落ちたので、強制終了。言い訳ですが…)。
練習で30km位走れれば射程圏内に入ってくるかな?と言われているので、ハッキリ言って実力的にはまだまだ難しいだろうというレベルです。
しかし下地さんの言葉や、今までレースになると謎の好調ぶりを発揮していたので、心の底で「可能性、あるんじゃない俺?」と思っていたのも事実です。
あと最悪達成出来なくても、3時間5分前後でゴールして自己ベストなら今日は上出来だろうという考えで臨みました。

春日井マラソン後太もも辺りの痛みが続いていましたが、1月14日の前日刺激では特に影響なし。大丈夫そうかなという手応え。
距離が踏めていないのだけが不安でしたが、フル後だからしょうがないだろうと、KEMURIばりのポジティブメンタルアティチュードで当日を迎えます。

1/15当日。6時過ぎ起床。昨夜は23時過ぎには寝ました。体調バッチリ。
高速道路を使い木曽川公園へ向かいましたが、ナビが古すぎて道を間違えるアクシデント…。なんとか盛り返すも、大会あるあるの駐車場への行き方迷う説を完全に唱えられ、到着は8時15分ごろかな。そこまではまだ良かったけど、駐車場からスタート地点までが遠過ぎて大誤算。エイドを置かして頂くために着替えずにスタート地点に向かうも、片道20分くらいかかった…。急いで戻って着替えてアップがてら走ったりしながら再度スタート地点に着いたら9時5分ごろ。スタート5分前です。
まあこれに関しては自分がだらしないだけなので完全に自己責任です…すみません。もっと早く行動出来る様に頑張ります。。

9時10分スタート。慌ただしさのおかげか緊張は少ない。逆にこれ位のほうがいいかもなと思いながら走り出します。
経験値の少ない僕は前回の松阪もそうだったんですが、序盤のリズムが中々つくれない。かなりゆっくりな入りとなってしまいますが、借金は1km辺り2〜3秒ずつ返していこうという作戦で元々決めていました。
最初の1kmは4分35秒とやはりゆっくり。しかし2km以降はペースを掴め、大体予定通り進行。
少し気を緩めると4分15秒を割ってしまう感じ。本当は緩めて15秒ペースでいければ1番良いんだけど、やはり実力的に気合がいる。これで最後まで持つかな、と一抹の不安がよぎります。
コースは10.5kmを4周する周回コース。F1みたいな感じですかね。よく分からないけど。
最初の1周は上記の様なやや気合い入ってる感じですが、余裕はまだあるっていう状態。
スタート地点のエイド(補給。置かせてくれたTISの皆様にこの場を借りて御礼申し上げます、見てないと思いますが…)机でアクエリアス一気飲み。ああ、蘇る。
むちゃくちゃ元気でたのを覚えています。

さて、なんとなく暗雲が立ち込め出したのは、18km地点です。
左脚が突っ張ってる?様な感覚が徐々に現れ出しました。アスファルトの衝撃もダメージを助長させます。
この時点では、まあフルなんてこんなもんだろう、ただじゃすまない気合いでいくぞという感覚でした。
おそらく同じサブ3を狙ってると思われるランナーが僕の前に出ます。すると、500m毎位にツバを吐くじゃありませんか…。
ラモスがみてたら強制退場だろうなと思いつつ、なんとなく不快になり、コイツに負けてたまるかと燃える。
2周経過。まだツバ野郎は前にいて、たまに吐いてます。しかし段々自分の余裕もなくなり、自分の事で精一杯になってきました。
24km位か?騙してた左脚が、今度は指先に痺れが。流石にまずいかも…と思い出します。
メンタルが崩壊すると一気に崩れる。経験の浅い自分が言うのもなんですが、確実にそうだと思います。
気合いを入れ直し、4分15秒を保ちます。
これが4分20秒だったらどんなに楽か…落とした方がいいのか?結果的にそっちの方が良いのでは?悪魔の囁きが2〜3km続きます。
そうこうしているうちに3周目が目前に。
ここは唯一、坂があるポイントです。この登り坂は大した距離ではないんですが、体力とリズムを崩されます。坂の周辺で応援してくれたTISのお二方の声援は心に響きました。
必死でまともに返事も出来なくても申し訳なく思いましたが、なんとか結果で答えたい。

…そう思ったのも束の間、ラスト1周、距離にして10kmちょいです。
エイドでポカリを補給し、さあ残り頑張るぞと気合いを入れ直す筈が…少し気を緩めた瞬間、脚が止まる。
ペースダウンとかではないです、文字通り止まりました。
左脚が動かない。これはもしかして、吊ってる?
初めての事で、少し混乱しましたが、そう解釈しました。
ああ、これはマズい。頭が真っ白になります。なんとか仕切り直しで走り出そうとするも、痛みで走れない。
かろうじて歩けたので、とにかく前に進む。
少ししたら吊りって治るものなのか?と信じ、走り出してみるも、またも痛みで立ち止まる。
歩く事は出来た。とりあえず歩こう。
というかそれしか出来なかった。何分かに1回走り出すも、すぐ止まる。で歩く。それの繰り返し。

これは夢か?ゴールまであと10kmある。ああ、DNF(途中棄権)ってこういう時にするんかな?でもまだ3時間ちょいで走れる可能性あるよな?
頭がグルグルするも、時は無情に刻まれていきます。
32km地点までは4分12〜13秒、つまりサブ3ペースで頑張ってました。
33km、この1kmで10分を超えます。
34km、また10分を超えました。
歩くだけでも痛い。気合いが足りない?そもそも練習が足りないよな。こんなんでサブ3とか言っちゃってんの?
伊藤ふみおの問いかけも虚しく、ネガティブが頭を埋め尽くします。
1kmが、地平線の向こうかの様に遠く感じる。
生き地獄ってこういう事なのかな?そんな風にさえ思えてきました。
冷静さも少しありました。時計を見ると、まだ2時間30分前後。これ、脚がもし復活したらサブ3.5(3時間半切り)狙えるな!
そんなポジティブなイメージも浮かんできました。
そうなれば走り出すのみ!!…という気持ちも虚しく、走れば痛くて止まる。全然状況は変わらない。

いつしか、走るのは無理。でもゴールはしたいから頑張って歩こう。
ポジティブなのかネガティブなのか分からない決意を決めました。
ラップは1km辺り10分を優に超えます。たまにやっぱり走れるかなと思うもダメ。
そんなこんなで3時間を経過し、3時間半を経過したのが39km手前くらいだったかな。
ああ、これサブ4(4時間切り)も厳しそうだな…でもなんとか出来たらいいな。
そう考えながらひた歩きます。
序盤に抜いていった人たちにガンガン抜かれます。惨めな気持ちというより、「俺も遅くてもなんでもいいから、みんなみたいに走りたい」走ってる人が本気で羨ましくて、悲しい気持ちになりました。

そんなタイミングで転機が訪れます。
靴が重くて脱いで歩いていると、一人の男性が声をかけてくれました。
「どうしたの?」と問いかけられたので、脚が吊って走れなくなりました、と話す。
60〜70歳くらい?の彼に伝えると「吊り防止の漢方薬あるからあげるよ。即効性あるか分からないけど、ビックリするくらい効くから飲んでみて」…と。
なんでもフルマラソン87回完走してます、との事。
ありがたく漢方薬を頂き、水も何もなかったけど、藁にもすがる気持ちで飲み干す。
そこから5分位は歩いてたんですが、「効いてると信じよう」と思い、ゆっくり走り出します。
するとどうでしょう、痛みはあるんですが、気持ちが更に乗っかったからか、なんとか走り出せたんです。
ペースにして1km6分位。遅くみえるかもですが、歩きの倍近く。
残り3km。TISの方の前でも、せめてゴールは走って迎えたい。そんな気持ちが大きくなってきました。
それと、時計をみると3時間40分位。
これ、このまま走る事が出来れば、サブ4いけるんじゃね?そんな事が頭をチラついた瞬間でした。
後ろから決死の形相で走る女性が僕を抜き去る瞬間「サブ4いけるよ、がんばりましょう!」と…。

ああ、こんなに頑張ってる人いるじゃん。俺、脚痛いとか本当情けないわ。もう動けなくなってもいいから、絶対にサブ4してやる。完全にスイッチが入りました。

サブ3目指してると豪語した人間が、1時間遅れのサブ4を必死で追いかけるなんて、本当情けない事実ですが、構いやしない。今出来る自分のベストを出してやる。

完全に息を吹き替えしました。
元々呼吸は余裕で大丈夫だったので、脚の痛みのみ。それも集中してると何故か感じにくいんですよね。
とはいっても1km5分を超えるペースですが、必死に走ります。
40km地点で漢方薬をくれた男性に追いつきます。
なんとか走れる様になりました、ありがとうございます!!と伝えると喜んでくれました。本当に感謝し切れません。あの調子だと88回の完走も確実かと。おめでとうございます。末長く走って頂きたいです。

またまた元気をもらったのでペースアップします。なんとか1km5分は切れる所まで来ました。
41.5km、最後の坂を登り切った所でサブ4を目指す女性に追いつきました。
「ありがとうございました、絶対サブ4しましょう!!」と声をかけるとお互い少しペースが上がっていました。確認はしていませんが、確実にサブ4出来ていたと思います。
本当におめでとうございます。あの執念の走り、目に焼き付いています。

下り坂を一気に下ったらもうゴール。TISの方も心配そうに応援してくれます。この1周で1時間半以上かかってんだからそりゃあそうだよな…。なんとか走ってゴールイン。

結果は約3時間56分。タイムだけみたら当初の目標の3時間切りは寝言ですか?と自分に言いたくなる結果ですが、DNFしなかった事(これは良くない面もあると思いますが…諦めが肝心な場面もあるので)、サブ4出来た事は良かったです。

自分を振り返ります。
まず、練習でハーフも4分15秒で走れない状態で、サブ3を目指したのが冷静に考えれば無謀でした…。その点、松阪は落ち着いて自分のペースで走れたから好結果になったんだなと。ツバ野郎に気を取られ過ぎました…。
18kmからの左脚の痛みについて。単純に、脚の筋力が足りてなかったんだと思う。1ヶ月300km走れっていう目安があります(これに異論唱えてる人もいっぱいいますが)が、自分は昨年多くても280km位、夏場は200km割った月もありました…。走り込みが完全に不足してた事によるものだと分析します。

サブ3出来なかった原因はこの2つでしょう。
一言で言えば、実力不足でした。

良い点を挙げるとするなら、32kmまでは4分15秒でいけた。これは練習では出来なかったので、一つ収穫です。
それと呼吸はそこまで苦しいとは思わなかったので、心肺機能はかなり上がってきているのかなと。

次のレースは3月26日に、なにわ淀川マラソンにエントリーしています。
時期的には少し暑い事が予想され気象条件的には厳しそうですが、今シーズン最後のレースになるので悔いのない様に残り2ヶ月ちょっと練習していきたい所です。

とは言っても今はアパートの階段を上るのもやっとな状態なので、本格的な練習再開は来週以降かな、とは思いますが。まずはしっかり休みます。仕事もちゃんとしないといけないし。
以上、木曽三川マラソンのレポートでした。


……あーーーー、やっぱり悔しいです。不甲斐ない結果で。
本当自分ダメ過ぎ。今日は酒飲んでも酔わなそうだ。

そう簡単にさせてくれませんね、サブ3。
そりゃあ市民ランナーの夢だもんな。
今日の事がこんな日もあったんだなって笑い飛ばせる様に、努力して必ず達成したい。
この悔しさを忘れずに胸に刻んでおく。

本当に辛かった時に出会った2人のランナーさん。届かないと思いますが、本当に感謝致します。今度レースであったら、僕にも手伝わせてください。
マラソンは個人スポーツだけど、1人じゃないって、口先じゃなく実感しています。
100回のフルマラソン完走目指しましょう。
サブ4の次は3.5いきましょう。
お互いの夢に向かって、これからも楽しく走れたらいいなと思います。

マラソンが好きですわ僕は。


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