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圕(としょかん)の大魔術師おもろいなを自己整理もかねて言語化を図るやつ

主人公がいい人で周りの攻略対象もいい人ならハーレムでもいいや、という派閥にいます、HAYASIです。

圕の大魔術師おもしろいな。
いやおもろいな。
めっちゃおもろいな。
じゃあ何がおもろいんだ?
......................................…いや、とにかくおもろいんや!

と言っては永遠にその面白さが伝わらないので、仮に私が人に勧めるとしても一旦整理と言語化は必要だ。ということで多少ネタバレも含めると思いますので、「興味あるし、これからネタバレなしで見たいんや!」という方は緊急回避をお願いいたします。


1.何故この漫画見始めたのですか?

まず一番最初になぜこの漫画に辿り着いたのかというと、単純にAmazonでなんか面白いマンがないかなーと探してたら「何か色んなところに滅茶苦茶お洒落な柄入ってる~!」と言う理由がきっかけでした。

...…いや待ってください、ちょっと浅いかもしれないけど私が言いたいのは、作者の画力が非常に高いことです。確かに芸術に関して詳しと言えないが、しかしながら間違いなく一目見れば「引き込まれる絵」と感想を持てると思います。

後に「この表現面白いな」と思うところでまとめたいと思いますが、漫画の中で何回か見開きを映画のタイトル出しのような表現が出てくるところがあり、そこを含めて「とにかく綺麗で豪華、だが煩雑になることなく、すっと入ってくるような絵」ということろに興味を持ちました。

それ以外にも印象的な見開きの使い方が多くあり、個人的に三巻後半のシオと姉のシーンなど特に引き込まれる印象がありました。

2.この表現面白いな!

と、以上のように作家の高い画力から放たれた映画のような体験は強烈でした。そこで「この絵を描いたのは誰だ!」と思わず言いたくもなる。

画 泉光。ふむふむ、あれ?原作 「風のカフナ」著 ソフィ=シェイム訳 濱田泰斗。 か。原作があるということは、漫画でまだ読めない部分を先読みできるチャンスや!!!!

そう思って調べ始めても「風のカフナ」だけでなく、ソフィ=シェイムも特に出てこない。これは一体どういうことだ?

調べても出てこないのも当たり前。そう、原作はこちらの世界のどこにも存在しないのだ。「風のカフナ」はあくまでその世界観の中の記録であり、その世界にしか存在しない、でも確かにあった歴史だ。こちらの世界での「圕の大魔術師」はあくまで「書」を通して、一つの歴史記録を借りた作品である証明である。

...…オシャレすぎませんか???????

小説のように、度々物語の中で本の語り口調から始まり、途中で歴史人物の言葉を引用するなどの表現があり、毎度毎度その世界の歩みが垣間見えるような不思議な感覚が何とも心地よい。独特な表現でありながらスラスラと読める、気が付いたら最新刊まで追いつき、次が待ち遠しくて仕方ないのです。

ちなみに私が絵で一番好きな部分は「精霊」です。とにかく幾何学模様の柄が入ってる一巻終盤と三巻中盤に出てくる精霊たちがあまりにも良過ぎて鼓動が高まり、読むのが若干しんどかったのは秘密です。詳しくはぜひ読んで確かめてみてください。本当に超絶好みで頭狂いそうになった。

3.結局どういう話なの?

ここまではほぼビジュアルの話であり、結局「圕の大魔術師」はどんな話なのかは紹介してなかった。良い話の多くは一言で伝わり切れないが、それでもあえて選ぶなら「知識の伝承にまつわる話」だと思います。

「書」と呼ばれる文字/図形記録はなぜあるのか、なぜ残す必要があるのかから始まり、貧困層が知識を手にする難しさ、裕福層との間に生まれる知識の格差。戦争と人種差別、男女の違いによる仕事の差、宗教や文化の違いによる問題など既に6巻しかない出てないにもかかわらず多くに触れていた。

より身近な話題、そして多くの本を語る上で避けては通れない「表現の自由」も、近年では多く見かける話題の一つだと思います。アニメや漫画の周りで「表現の自由」は欠かせない問題であると言えよう。その根本にある「知識を正しいと判断できるか」は作品の中でそう多くないページ数ながらかなり深く、多方面から色々切り込んでくれたのは印象的でした。

と少し脱線してしまうが、「最近関心を持ってるまたはよく見る話題と関係してる」ことは物語を見る上でかなり刺激的な体験であると思います。
「あー!最近見た!何かわかる―!」みたいなアハ体験は割と気持ちいいものです。

そこで出てくるのは最近最終巻が出た「テロール先生の怪しい授業」です。死ぬほど面白いので是非読んでみて欲しい。
この作品の中でも「知識をどう判断すればいいのか」について多く触れています。特に「疑うことは必要」を通して語りかけてくれますが、同時に「信じることも大切」の両方のバランスが大事だと強調してくれる。

圕の大魔術師もこの大きな議題を取り上げ、慎重に検討した上で作品として一つの答えを示したと思います。今のところ(38話まで)私の最も心に残る話でもあります。

4.これからへの期待感

こちらの世界でも通ずる歴史上多くの議題を取り上げ、キャラクター達の成長や困難を乗り越えるストーリーがあるにもかかわらずまだ「世界観構築の段階」に過ぎない事を、このノートを描いてることに若干震えた。

主人公達がまだ一人前として活動できるわけでなく、戦乱の幕開けの予感、後ろにいる黒幕の全貌、度々出てくるクライマックスへ繋がるの語り口調はそれだけ期待をくすぐる。

そう、まだ6巻しか出てないし、内容的にも7巻とちょいだけだ。なのに途轍もない密度の話が次々と積みあがっていく、尚も最高潮が見えない中でスラスラと読めてしまう映画のような漫画、興味はありませんか?


圕の大魔術師、おもしろいな.…..

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