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Sleepless(ⅱ):詩『流木』『帰り道』『眠れぬ羊』を公開しました

はじめに

2021年ももうすぐ3分の2が終わろうとしているけれど、
虚栄ばかりが振り回され、その力を以てウイルスとの戦いに出ては手玉に取られてばかり。
そんな時間が続いている中で、僕は自分の身を守ることに必死な時間が続いている。
そんな余裕のない中で、前回の『Sleepless(ⅰ)』以降の、エアポケットに気持ちが入ったような瞬間に出来た詩を3編公開します。

振り返ると、「伝えたい」と「聞いてほしい」の間でどっちつかずな気持ちで書かれた、中途半端な感じがそのまま現れていると思います。
けれども、自由に、心のまま書いたという部分だけはぶれずに守れたと思っています。

いつものごとく、
読んでくださったあなたにとって、何かの足しになりますように。
そう願っています。

以下、自作解題、という蛇足ですが、これも記録として。

誌名『Sleepless(ⅱ):Sleepless sheep』について

まず、前回同様、無料のZINEの電子版、というつもりでまとめています。
実際に印刷物にするならば、デザインという要素が加わるのですが、
手間をかける余裕もなかったため、ご容赦ください。

まだ自分自身、落ち着いて眠れない状況が、社会的にも個人的にも続いていることもあり、そのままのコンセプトのシリーズものです。
しかし味気ないとも思い副題をつけました。

「Sleepless sheep」
これは2021年夏の私たちへの皮肉でしかないように自分でも思います。
しかし、抗えない自分への自虐でもあります。
何者でもない自分の中の堂々巡りそのままの、
自分と作品たちを包むボロボロの毛布のような。

それでも、至らない今の自分も記録として残したい、という気持ちに沿って、
恥を覚悟でずっとここに投稿しています。

『流木』について

いい歳して、いつまでも生きることが上手にならず、もがき続けています。
みっともないなあ、といつも思います。
けれど、実はみんなそうなのかもしれない、と思ったりもします。

そして、人間の寿命は対して変わらないから、人間社会の成熟にも限界があるのだとも思います。
けれど、先人たちの戦いや過ちの積み重ねで、時代は緩やかに前進したり、あるいは悪化したりしているとも思います。

でも、生きるということ自体はずっと変わらないんじゃないか、って思っているのです。

だから、吠えろ。
全力で。

『帰り道』について

北海道生まれの自分が、駅から家までの帰り道に、浮かんだ言葉を軸に書きました。
地元にいた頃の自分となかなか離れられないので、意識的に向き合わんとしているのですが、それだけではなかなか進めないようです。

でも、あの頃の気持ちを忘れないようにしたい、という気持ちが、
(それは大切なことなのですが)
なんだか今を生きることの邪魔をしてしまっているような気がして、
まだその答えを出せていないのでしょう。

残念だけど、それが現在地。

『眠れぬ羊』について

これは今回の誌名から、詩の題名を決めて作りました。
これも、歩きながら見ていた景色や浮かんだ言葉を軸に書きました。

「声を失くした」という言葉はぽろっと出てきたのですが、
それが自分のずっと抱いている気持ちだと思い、こんな感じになりました。

そんな状態でも、
から騒ぐ世界で、掌の上でいつまでも踊っていてはいけない、
という気持ちも、この夏強くあり、
その2つが直接くっついてしまったキメラのような言葉の連なりだと思います。

さいごに

こうして振り返ると、ずっと自分まみれな時間に肩まで浸かっているようで、
自分の話ばっかりで、
我ながらとてもみっともないと思います。

今回の詩は「僕」と「君」の二者が多く出てきますが、
「君」はもう一人の自分だと思って書いていました。

自分と自分のキャッチボールは、傍目におかしなものだと思います。
けれど、自分は自分でしかなく、「あなた」や他の誰かにはなれないから、そうしていたのだと思います。

でも、
やっぱり、他人に向かって言葉を発しなきゃね、
なんて、最近思い直しています。
それが、そのままやり切れるかはまだわかりませんが。

それでは、また。

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