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ドイツへゆけ!〜孵るまでのドイツ語(3)


ハムレット風に…?(笑

学部卒業後、大学院に進みましたが、ドイツ留学は自分の希望というより、周囲の後押しによるものでした。
学部からの同級生がうきうきと出発していったあとの新年度、指導教授が教室に入ってくるなり私をズバッ!と指さして、「次は君だ!」と言い放ったのです。
中には複数回、複数の大学に留学した先輩までいる環境で、1度も留学していない院生は私一人だけだったのです。
せめて、何もかも言われるがままに行かされる、という状況は避けたくて、留学先は自分で決めました。
今まで私の大学(院)からは誰も行ったことのない大学/町、とはいえ日本での専門と継続性のある研究指導を受けられる専門家のいるところ…
留学準備も、ふだんの大学院生活もとにかく慌ただしい中、それでも渡航前の年内に入学許可がおりたのは、幸運なほうだったと記憶しています。

当時周囲から言われたこと:
1. 彼女はドイツ語が話せない!留学前にゲーテでも通って勉強するように!:ドイツ人教授が言っていた…と、日本人の指導教授に言われました(苦笑。そんな土壇場で言われても…と思いつつ、付け焼刃的に受講手続をしたのが、初めてゲーテに通ったきっかけだったかも知れません。
2. ドイツへ行く前にすべきことは…専門の勉強をしっかりすること!:2度めの留学から帰国したばかりの先輩から。いきなりドイツ語で新しいことを学んでも、身につくには時間がかかる。「けっきょく、自分がもともと知ってることしか、ドイツ語では理解できないんだよ」と。
3. 授業では、教授の言うことだけ理解できれば、最初は充分!:同じ先輩から(笑。ドイツ人学生は訛りが抜けない人もいるし、好き勝手なことを喋っているだけで議論になっていないことも少なくない。教授が筋道たてて論理的に話す内容が理解できるのが最初の目標…で、その理解度を高めるには…ということで、2.の話に戻るわけです。

別の先輩から留学関係の資料をどっさり渡され、それを参考に準備を進めていましたが、その中にはあったのに私には送られてこなかったのが…語学試験の免除通知。
入学許可は書類審査のみですが、ドイツのアビトゥーア(高校卒業&大学入学資格)が前提となる一般学生と違い、留学生にはドイツ語試験が課されます。
その試験に合格し、正規の学籍登録をすることが、私の受けるバイエルン州教育科学省奨学金の受給資格でした。
同じ奨学金を受けた(別の大学に留学した)先輩たちも他州に留学した人も、周囲ではドイツ語試験を受けた人は誰もいなかったので、まぁ自分もなんとかなるさ、と気軽に考えて出発しました。

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