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文学擬人化ギャグ小説「リタラチャーズ」(全文無料公開)

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毎週火曜日1話づつ公開(無料)マガジン。2021年4月20日でamazon kindleにて電子書籍販売。制作:弘法の筆、原案:地獄サイコ浜田 イラスト:ALISON 執筆:林保…
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記事一覧

第十六話「リタラチャーズ」

目次 「ぐっ」 「副会長っ!」  今昔物語が崩れ落ちる源氏物語へと駆け寄った。 「しっかり…

林 保彦
3年前
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第十五話「決めるのは」

目次 「うおおっ!」  拳打が疾走する。  累計発行部数1200万部を超える人間失格の拳はそこ…

林 保彦
3年前
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第十四話「開戦」

目次 「俺たちの戦いもこれで終わりだな」  近代文学と古典文学が学園全土にそれぞれ陣を敷…

林 保彦
3年前
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第十三話「The answer is in the curtain(答ふは御簾の奥に)」

目次 「ねぇ、君の名前っていと時めくよね、あいぎゃうもあってさ」  古典文学もまた仲間を…

林 保彦
3年前
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第十二話「シルレルくらい調べろ」

目次 「走れメロスだ! 捕まえろーーー!!」  人間失格たちは新たな人材を確保するべく文…

林 保彦
3年前

第十一話「Who are you?」

目次 「どしだ? 人間失格?」 「あれ、蟹工船?」 「んだ」  人間失格は目の前の蟹工船を…

林 保彦
3年前
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第十話「幕間」

目次  人間失格はおかしいと気づいた。 「何なんだ、これは」  酩酊する視界。  人間失格は混乱した。 「そうだ、俺は人間失格だ。熱いハートを持っていて、口は悪いけど仲間想い、努力家で実は甘いものと猫が好き。親友の雪国と一緒に世界文学大戦に挑むことになっていく。その為に日本文学の一番にならないといけなくて」 「大丈夫だよ、人間失格」 「え?」 「ほら、いつものお薬だ」 「あ、ああっ……」  人間失格の腕に注射薬が打ち込まれる。 「ふ、ふぅ~~~~」 「落ち着いた?」 「ああ

第九話「DokiDoki文学部!」

目次 「おい、人間失格ぅ。お前は好きな奴とかいんのか?」  舞姫の質問に人間失格はぎくり…

林 保彦
3年前
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第八話「下手人は誰だ」

目次 「羅生門先生が殺された……!」  人間失格がロビーのドアを開け放ち、そう言い放つ。 …

林 保彦
3年前
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第七話「ドキドキ!羅生門クイズ!!」

目次  号は澄江堂主人。俳号は我鬼という。  芥川龍之介は「近代文学の祖の一人」とも称さ…

林 保彦
3年前
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第六話「雨天、男、奴の名は」

目次 「人間失格さーーん!」  あさくさの子供が包帯やら薬やらを抱えてやってくる。 「保健…

林 保彦
3年前
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第五話「梁塵秘抄」

目次  蟹工船の蟹工船は破壊された。 「ううっ、これが売上発行部数の暴力ぅ……」  地面に…

林 保彦
3年前
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第四話「畜生」

目次 「仲間が必要だ」  雪国は人間失格に言った。 「仲間?」 「ああ、そうだ。今のままじ…

林 保彦
3年前
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第三話「…………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。」

目次  …………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。 「ドグラ・マグラかよ!」 「人間失格っ、目を覚ましたか」 「はっ、ゆ、夢か」 「良かった」  人間失格は意識を取り戻した。傍らでは雪国が腰かけている。 「ここは?」 「病院だよ」  雪国の答えに人間失格はベッドの感触を確かめる。 「道理で寝苦しいと思った」 「怪我の具合はどうだ?」 「ああ……怪我?」 「副会長にやられた矢傷だよ」 「副会長? 矢傷? うっ……!」 「源氏物語副会長。生徒会のナンバー