ライブ”は”出来ない。

こんにちは、はやしです。
「タイタンの学校」という簡単に言うと【芸人養成】+【エンターテイメント人材養成】+【寺子屋】みたいなものを作る仕事をしています。立ち上げから2年が経過し、現在3期生の運営に取り組んでいます。

今日は学校の話というよりは現状の話を少し。

皆さんももうご存じの通り新型コロナウイルス感染症の流行により世界のデザインが大きく変わろうとしています。仕事はオンライン中心へとシフトし、集まることが敬遠され、マスクが標準装備とされるようになりました。

昭和を生きてきたものとしては、通勤をせずオンラインで仕事をしたり、テレビ電話で友人と飲み会をしたりという未来の図がこんな形でやってこようとは思いもせず、もっと希望に満ち溢れた形でこの状態を迎えることが出来なかったのかなということを感じたりもします。

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(ぼくらの夢の世界はどこへ・・・)

とはいえ、悲観的にばかり考えていても仕方がないので楽観的かつポジティブに状況を捉えて活動していくようにしようと自分の思考を極力矯正しながら生きています。この状況もそんなに悪いものじゃないよ、と良い部分を探すように探すように、前向きに考える癖づけを自ら心がけています。

私の仕事も大きな変化が求められる場面が出てきています。その一つがライブ制作です。

2020年を迎えるにあたりタイタンの学校の卒業生をどう売り込んでいくのか課題がありました。1期生2期生と芸人コースからタイタンに預かりで所属することが出来たメンバーが現在12組16名います。彼らに対して2019年はなかなか活動の場を創造していくことが出来ませんでした。

自分たちでネタを作って自分たちで売っていく。

これはもちろん当然のことではあるのですが、そうはいっても事務所のバックアップがないと中々難しいのも事実です。事務所も彼らが売っていくことがビジネスなわけですから彼らをどう活かしていくかというのを常に考えて行かなければなりません。しかしながら従来業務もある中で新人のバックアップをどこまで手厚くできるかと言ってもなかなか難しい部分があります。このギャップに悩んできました。

そこで2020年からは学校事務局でも彼らの活動の場を作って行こうということで通年でライブを運営していく企画を立案していました。月に1回程度年間10本の卒業生ライブを運営することで彼らがホームとして活動する場所を作って行こうという考え方でした。

昨年末くらいからミーティングを重ね、太田光代理事長(この場合は社長でしょうか?)やマネージャーの皆様とも意見や考え方をすり合わせてようやく形になってきて今年は勝負だぞ、となっていたのですが・・・。

ライブが出来ない。

本来であれば2020年5月くらいから始まる予定だった卒業生ライブが始められない状況に陥ってしまったのです。最初は「まあ準備も中々間に合ってなかったし、後ろ倒しくらいがちょうどいいよ」みたいなことを思っていて、「7月くらいからできればまあ何とかなるでしょう」とか考えていたのですが、どうもそうもいかないらしいということが徐々にわかってきます。

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(7月13日TBS報道より抜粋)

先日、劇場での感染が遂に出てしまいました。誤解のないようにちゃんと書くのですが、会場となったシアターモリエールさんや感染のきっかけとなってしまった公演の主催者さんに対し何ら思うところはありません。勿論、感染症予防対策に問題がなかったか等検証しなければならないことはあるとは思いますが、遅かれ早かれこういった事態は起きていたのではないかとすら思います。

当然世間の論調的に対策を怠っていたのでは?などの話は出てくることは理解できます。先にも書いた通り検証は大事なことなので必要です。しかしながら、感染者を出してしまった事実だけを非難をするのはどうにも理解に苦しみます。

なんとなくマスクすれば・アルコール消毒すれば・飛沫よけのガードを作れば、みたいなことで『対策』としていますが、そもそもウイルスに対する知識は持ち合わせている者が現場にいるわけもなく、みんななんとなくでしか対応をすることが出来ない状況下で経済的再建をしていかなければならないわけです。各業界や各店舗、劇場、イベント主催者にてガイドラインを作って『対策』をするしかないこの状況で、感染が起きたとて誰が責められましょうか。

もし完璧な対策をしてたとしても感染者が出た可能性は否定ができず、明日は我が身みたいな状態であったと私は感じるわけです。目に見えるものですら事故が起きるわけですから、目に見えないものを対策しろと言われても限界があるというのが実情だったのかな、と今では感じます。(※もちろん一定の対策を取っていたという前提での話です。対策をしてなかった、出来てなかったということであれば非はあると思います。)

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(7月16日NHK報道より抜粋)

7月16日現在。減り続けていたはずの感染者があれよあれよと増加し、今日(2020年7月16日)、都内で過去最高の286人の感染者が確認されたという報道がなされました。これも推測の域は出ませんが、グラフの通りに推移すれば、また東京アラートが解除されたタイミングから経済活動が徐々に平常化していく流れをみたら、恐らく増加傾向になっていくことは明らかであるような気がします。

劇場で感染者が出たという事実。都内の感染者が過去最大人数になっているという事実。感染者を出してしまった時の責任の所在が明確でなく、例えば劇場運営の場合のガイドラインなどが明確にルール化されていればそれを守っていれば責任を果たしていたと言えるわけですが、結果、対策方法も感染者が出た時も主催者ないしは会場が責任を負わなくてはならないというような論調であれば、『動けない』という結論しかありません。

ライブが出来ない。

今年3月くらいから私の中でくすぶり続けてきた課題に対し結論が出ました。これから政府ないしは行政から何らかの方針が出るかそれに付随するような何か状況の変化が訪れない限りライブを開催するのは非常に難しいというスタンスを明確に取ります。(※勿論これは私個人の考えなのでタイタンの学校として、ないしはタイタンとしてライブをやるという結論になった場合にはもちろんその方針に従いますし、責任者の判断を仰ぐようにします。)

でも「ライブが出来ない」ということが整理されたらなんだかすっきりしてきました。他の事やったらいいんです。ライブできないね…って考えている時間が無くなるのはとてもいいことです。

「ライブ」ではないエンターテイメントの供給を考えて行くこと。冒頭の在宅ワーク的な話ではないですが、恐らくこれは進化のタイミングがやってきているということなのだと思います。

こんな形で進化を受け入れることは大変不本意ですが、大きなチャンスと言えるでしょう。幸い先駆けてyoutubeのような動画コンテンツのマネタイズの方法が既にインフラとして整えられています。もしかすると新しい何かエンターテイメントの形も生まれるかもしれません。

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(ラジオ・スターの悲劇/ザ・バグルズ)

こうした混乱期には新しい発想やサービス、文化などいろいろなものが生まれます。ラジオスターがビデオに殺されてしまったように、もしかするとテレビスターやyoutuberがこのタイミングで殺されてしまうのかもしれません。

ライブは出来ない。
じゃあ何が出来るのだろう?

とても面白くなってきました。


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