私の講義について

こんにちは。はやしです。
タイタンの学校の3期が始まってもうすぐ1か月が経過しようとしています。新型コロナウイルス感染症の影響で開校が6月13日までずれ込んだことで様々な影響が出ました。もう梅雨も終盤に差し掛かり夏の足音が聞えてくると、ああ学校も中盤戦かという気持ちにさせられますが、実はまだ1か月しか経過してない事実。コマ数は変わってないけど実際の期間が短くなるというのは思ってた以上に影響があるのかもしれません。

さて。3期から僕が講師陣の一人に加わることになりました。芸人コース専門講義で「身体表現」という講義を8コマ担当します。このnoteには簡単にそのおさらいなんかも書いていければと思います。

今日はこの講義の方向性と既に開催した2回の講義について触れていきたいと思います。

まず講義の方向性についてです。私は表現をしていく上で考える必要性があるパラメータは主に3つであると考えています。一つ目は「フィジカル」、二つ目は「メンタル」、そして3つ目は「スキル」です。

心技体

「心・技・体」という言葉はスポーツ・格闘技などの世界でよく使われるワードで、この3つのバランスが保たれてないと高いレベルでの活躍をすることは中々難しいと考えられています。この3つの要素がそれぞれ「フィジカル」「メンタル」「スキル」に相当する要素と考えており、表現のジャンルでも共通して必要な要素であると捉えています。

心技体についての考え方については下記noteがかなり面白い解説をして下さっていたので参考資料としてペタリ。是非合わせてご覧になってみてください。

これまで2年強芸人を養成すると業務に従事してきて感じたことの一つに芸人育成の手法・アプローチが「スキル」に偏っているのではないか?という点がありました。タイタンの学校においても1期、2期と「技術論(スキル)」に偏重した講義構成を選択しており、「精神論(メンタル)」や「基礎トレーニング(フィジカル)」は軽視されがちな傾向にあったような気がします。

そもそもの歪みはプロの作家さんや芸人さんに講義内で「精神論」や「基礎トレーニング」までお任せしちゃおうというところから来ていたように思います。彼らは最前線で戦ってきているのですから基礎的な部分は出来ている前提で技術を磨くというスタンスなわけです。勿論優秀な講師陣の先生ですからそれでもかなり初歩的な所、心構えみたいなところから教授頂いておりましたが、やはりそこに割く時間は絶対的に足りていませんでした。

「メンタル」と「フィジカル」の強化を行いたい。

色んなパターンを運営サイドでも考えてみたのですが。結局基礎の部分なのでそれならばもう俺らがやった方が早いね、ということになり私が教壇に立つ流れになったわけです。人材育成については人材業界に入って20年弱、人よりは経験してきていますし、演劇の教育メソッドなんかも一応体得している部分はあるのでそれらを【お笑い・芸人】のジャンルにうまく転嫁しつつ「メンタル」と「フィジカル」の強化をしよう、とそんな流れで講義を受け持つことになりました。

2020年6月24日が初の講義の日。

講義を迎えるにあたり100Pを超えるスライドを制作。前日は徹夜でのチェック作業となり割とヘビーな1日となりました。(それでも誤字があったりしたのは秘密w)

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(フォントが見づらいとタイタン小林氏にケチつけられた1回目資料表紙)

第1回目の講義では受講生の「メンタル」を構成していくべく座学と発表を中心に行いました。「身体表現」という講義名にも関わらずいきなり全く体を使わないという暴挙には何より私が一番驚きました。

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(第1回目資料より一部抜粋)

受講生に「タイタンの学校」でやりたいことを確認したり、「プロを目指す」ということは「売れる(ようになる)」ということと同義であること改めて認識してもらったり、「面白い」と「売れる」は違う軸の話であることを解説したりなどを行い・・・

売れる芸人(タレント)になる/を作る

という受講生と学校の【共通目標】を確認する作業を行いました。

また、「面白い」は凄く大事なパラメータではあるけれども、それだけでは「売れる」にダイレクトには繋がらないというロジックについて説明。

面白くなる為には ⇒ 面白いものを考える努力が必要
売れるようになる為には ⇒ 売れるようになる努力が必要

こういった考え方の整理を行い、面白いものを作るスキルの構築と同様に売れていくために必要なメンタルやアクションを持ち合わせていくことの重要性を説きました。

2回目の講義は7月8日。

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1回目で行ったメンタルトレーニングの復習を行いつつ、ようやくフィジカルの稽古に入ります。テーマは「感情表現」です。

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座学パートでは心理学者のアルバート・メラビアンが提唱している「メラビアンの法則」を紹介しました。簡潔に言うと情報は言語情報聴覚情報視覚情報の3つに分類され、効果的に意思伝達を行うためにはこれらの情報が意味を正しく伝えるために支えあう必要性があることを唱えているものです。

またこの3つの情報の中でも視覚情報に一番影響力が高いことを解説。伝えたいことは視覚に訴えかける必要があることを受講生に改めてアプローチします。

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メラビアンの法則についてはWikiのリンクを置いておくので興味のある方はこちらもあわせて是非。

コントや漫才に向き合った時にどうしても言葉の意味だけで意思疎通を行おうとしがちなので、改めて聴覚情報や資格情報を大事にする必要性があることを考えてもらった上で、では視覚に訴えかける為にはどうすればいいか?ということで感情表現を言語を使わずに行うメソッドを中心に実施訓練しました。

2回目までの講義はこんな感じで進行しています。

ここから3回目以降で「瞬発力」をテーマとした回を挟み瞬発力の強化、そして最終的にはエチュード(即興劇、即興コント)に臨むところまで進められたらと考えています。全8回でそこまでいけるかな…と心配ではありますが、少しずつ受講生たちと共に足を歩められたらと考えております。

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(第1回目講義風景)

一般コースの皆様とも何かもっと接点を持って色んな試みが出来たらなと思っています。何かご意見やご要望がありましたら事務局メンバーまでお気軽にご相談頂けたらと嬉しいです。

それでは今日はこの辺で。

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