「夢見る者へ」 見捨てられたとなじるのは あなたがあなたの主人になっていない証 その小さな体の奥の 閉じた水門を開き 水に満ち満ちた河口に 鴉の大群を置き 背後で赤々と落下する太陽を見送り 独りで誰にも届かない歌をうたえば ゆたかに遊びながらいずれ あなたは他でもないあなたのものになる