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任意団体 勘定科目

 一般企業に勤めた後、任意団体の事務を任されると、今まで馴染みのない科目があり、最初のうち少し戸惑うこともあるかと思います。
 会計事務を始める前に、以下の基本的な知識をお持ちいただければ、何かのお役に立つのではと、投稿いたします。


(収入)

会費

 任意団体の会員より、団体を運営するためにいただいただき、収入となるものです。会員より1か月○○円と決めて、年払いや半年払いでいただく場合が多いのではないでしょうか。
 新規会員や退会会員が発生した場合は、注意が必要です。年払いでいただいている場合は、入会した時は入会した月数分の会費をいただき、退会された時は退会した翌月分からの分は返戻するようにしたほうがいいいです。

交付金

 任意団体に上部団体がある場合、団体が運営に充てるように交付される資金です。 例えば、○○県司法書士会(以下、本会)が、△△支部(以下、支部)に交付するケースです。
 他の団体とお話してみると、支部の事務負担を軽減するため、本会で支部の会費相当分も含めて、会員より一括して会費をいただき、支部に会費と交付金を送金するケースが多いようです。

助成金

 任意団体が支部である場合、本会の事業計画に沿って、支部で事業を行う場合が多いのではないでしょうか。 例えば、本会で企画した研修会を支部のある地区で開催する時は、本会より、会場費や役員の日当代として資金を補助していただく場合です。
 助成金の使途は、交付金と違い、その事業に関することに限られます。費用科目に○○管理費を作り使途管理をしていくほうがいいです。

雑収入

 会費、交付金、助成金以外の収入です。会員に対し支部にある資料をコピーした際のコピー代等です。
 総会等で懇親会を開催し、その一部を補助する場合は、会員に負担いただいた会費は、雑収入として計上しておきます。例えば、7,000円の懇親会費用で支部で2,000円の補助して10人が参加する場合、50,000円(5,000円×10人)を雑収入とし入金処理し、ホテル等に支払うためにに70,000円(7,000円×10人)を会場費として出金処理します。

繰越金

 前期において、収入から支出を差引した金額が繰越金となり、今期の収入の部に計上します。 
 任意団体は利益団体でない場合がほとんどです。会計で利益の部はありせんので、前期繰越金を次期の収入として計上します。

(支出)

会議費

 総会費、理事会費、旅費日当等を計上します。
 総会費は、総会資料を作成する際の印刷代、ご案内を郵送した場合の郵便代、ホテル等で開催した場合の会場費等、総会を開催するのにかかった費用です。

人件費

 職員給与、手当、法定福利費等を計上します。
 職員に通勤費分を支給する場合、手当として支給します。職員の労災保険料や社会保険料を支払った場合は法定福利費として支給します。

事務費

 賃借料、消耗品費、通信運搬費、水道光熱費、印刷費、備品費、雑費等を計上します。
 どの科目にしようか迷うと、雑費の勘定を使用しがちです。使用頻度の高いものは科目を作り管理し、予算案を作成の際参考にしていきます。
 私が注意しているものとしては、コピー機リース代→賃借料、インターネット利用料→通信運搬費、慶弔金や生花代→交際費などです。

事業費

研修会費、広報活動費、福利厚生費等を計上します。
任意団体で、研修旅行の旅行代や研修会の懇親会費の補助をする場合は、福利厚生費より支出します。

 任意団体の仕事を任され、日々勘定処理をしていると、団体の活動内容を網羅的に管理できます。
 過去5年間程の各科目の推移をまとめておくと、団体の事業を継続しておく上で、どの科目が必要で、どの科目を削減すべきか、判断材料になります。





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