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自分のことをコトリと思い込んだ先生によるブルアカのゲーム内バンド『SUGAR RUSH』の機材解説

うん?どこからか、誰かが!説明を必要としてる気がします。

これから2024年4月20日に『ブルアカらいぶ!いとをかし☆春の京都旅行SP』で発表されたイベント『-ive aLIVE!』で放課後スイーツ部の皆さんが結成したバンド『SUGAR RUSH』の楽器や機材について解説します!まずはエレクトリック・ギター、通称『エレキギター』の歴史から始めなければなりません。そもそもギターというものは大きなボディに音を反響させて鳴らすアコースティック・ギター、通称『アコギ』が先にありましたが、20世紀になり音楽の演奏会場が大きく、また歓声などで騒がしくなるに伴ってアコギでは音量が足りなくなり、アンプを通してスピーカーから大きな音を出せるエレキギターが開発されたと言われています。『ピックアップ』と呼ばれる磁石とコイルの組み合わせが弦の振動を電気信号に変換する仕組みですが、そのサウンドはアコギとはかけ離れたものでした。しかし、そのサウンドを逆手にとることでエレキギターは独自の進化を遂げていくことになります。またエレキギターを参考にコントラバスを「エレキ化」したものがエレクトリック・ベース・ギター、通称『エレキベース』になります。

ここで、エレキギターには二つの大きな勢力があることに触れていきます!
一つは Gibson というメーカーで、代表的なエレキギターは『レスポール』といい、エリック・クラプトンさんやロバート・フリップさんを始めとして多くのミュージシャンが使用しています。『けいおん!』の平沢唯さんや『ぼっち・ざ・ろっく!』の後藤ひとりさんのギターとしても有名ですね。
輪郭や表面が丸くてかわいらしいですが、『ハムバッカー』というピックアップがふたつ組み合わされた構成や本体の重量により、見た目に反してゴリゴリの低音が出るギターです!また Gibson といえば他に『SG』や『フライング V』、アコースティックギターなどでも有名ですが、今回のイベントでは Gibson の楽器は出てこないので、残念ですが Gibson の紹介はこれくらいにしておきます。

そしてもう一つの勢力が Fender です!創設者のレオ・フェンダーさんはエレキギター・エレキベースにおいて多大な貢献を果たしたまさしく「神」で、数多くのスタンダードとなるモデルを開発しました!その初期に開発されたエレキギターが『テレキャスター』、通称『テレキャス』です。輪郭が丸くて平たいボディとふたつのピックアップのうち後方が斜めになった『スラント』配置が特徴で、レスポールとは対象的な「軽い」サウンドを奏でます。一時期は「野暮ったい」という印象をもたれたのか見る機会は多くありませんでしたが、近年はそれが逆に「オシャレ」と捉えられて人気を取り戻しています。そういった情勢を反映してか、現在ジャンプ+で連載中の『ふつうの軽音部』の鳩野ちひろさんや鷹見項希さんが使っており、また『ブルーアーカイブ The Animation』と同じ2024年春季アニメの『ガールズバンドクライ』の井芹仁奈さんがテレキャスタイプのギターを使用するようです。

レオ・フェンダーさんがテレキャスの次に開発したエレキギターが『ストラトキャスター』、通称『ストラト』と呼ばれるモデルです。テレキャスターを洗練させたルックスで、「エレキギター」と聞いて真っ先に思い浮かべる形ではないでしょうか?特徴としてピックアップが3つあり、その組み合わせを変えることで幅広いサウンドが出せるようになっています!代表的なミュージシャンを挙げるのも難しいほど数多くのミュージシャンが使用し、またそのカッコよさにノックアウトされてストラトを手にしたギター・キッズも無数におり、そのためかメロディやソロを演奏するリードギターとして使われることが多い印象です。今回ヨシミさんが使っているギターが Fender のストラトキャスターです。ようやくブルアカの話になりましたね!

と思いきや話はまた脱線します!テレキャスとストラトの間に、レオ・フェンダーさんは世界初のエレキベースである『プレシジョンベース』、通称『プレベ』を開発します。正確にはごくごく初期のプレベはそれ以降と仕様が異なり、前者をオリジナルプレシジョンベース、後者をプレシジョンベースと呼びます。ピックアップを左右ふたつに分割して配置することによる太い低音が出るのが特徴で、70年代のロックではこのプレベが使われていることが多々あります!『ぼっち・ざ・ろっく!』の山田リョウさんもプレベを使っていますね。またボディには『コンター』と呼ばれるえぐれた部分があり、体にフィットしやすい構造になっています。この構造はストラトなどプレベの後に出たモデルにも受け継がれていきます!

そしてプレシジョンベースの次にレオ・フェンダーさんが開発したエレキベースが『ジャズベース』、通称『ジャズベ』です。二つのピックアップを搭載し、斜めに傾いたようなボディ形状が特徴的で、低域から中域にかけて広い音域をもちます!そのサウンドや演奏性の高さから、現在でも Fender の主力製品であることはもちろん、世界中のメーカーがジャズベを独自に発展させたモデルを開発・販売しています。ジャズベース、もしくはその派生モデルは全エレキベースの半分を越えるのではないでしょうか。ソースはありませんが!また80年代に一世を風靡した『スラップ』奏法による独特のサウンドも特徴の一つです。もちろん他のエレキベースでもスラップはできますが、ジャズベのスラップは「スラップといえばまずはコレ」といえるくらい強烈なものです!ストラト同様にジャズベの代表的ミュージシャンを挙げるのは難しいですが、『けいおん!』の秋山澪さんが左利き用の『レフティ』モデルを使っていますね。今回カズサさんが使っているベースがこの Fender のジャズベースです。余談ですが、プレベにピックアップを追加してサウンドの幅を広げた『PJ』と呼ばれるベースも存在します。プレベとジャズベのあいの子というわけですね。名前の響きがかわいいです。なおプレベ・ジャズベに限らずエレキベースはギターより低い音域を鳴らすため、全体のサイズはエレキギターより一回り大きく、それに伴い重くなるのが一般的です。

これらのモデルを開発したレオ・フェンダーさんはその後 Fender を離れたあともエレキベースの開発を続け、Music Man の『スティングレイ』、G&L の『L-2000』といったモデルを開発しましたが、1991年に惜しくも81歳でこの世を去りました。「世界中のアーティストにしてあげられる事は全部やった」という言葉を遺したと言われますが、まさしくレオ・フェンダーさんの人生そのものを表した言葉です。彼の偉業はエレキギター・エレキベースと共に未来永劫に輝き、そして語られ続けるでしょう!

さて、ここでようやく話はブルアカに戻ります!

まずはヨシミさんのギターから見ていきましょう。Fender のストラトキャスターであることは既に説明しましたが、特徴的なのはピックアップの構成です!先にレスポールでハムバッカーピックアップについて軽く触れましたが、ストラトで使われるピックアップを『シングルコイル』と呼びます。標準的なストラトは3つあるピックアップがすべてシングルコイル、通称『SSS』と呼ばれる構成ですが、ヨシミさんのストラトは後方のリアピックアップだけハムバッカーになっている『HSS』という構成になっています。
これはどちらが良いというわけではなく、どちらのサウンドや見た目が好きかで選択するものです。また HSS 構成の場合、ハムバッカーには金属カバーがついていることも多いのですが、最初からカバーがないモデルだったか、あるいは自分で外したかのどちらかでしょうか。余談ですが、『ぼっち・ざ・ろっく!』の後藤ひとりさんがアニメ最終話で初めて買ったエレキギターである YAMAHA の『パシフィカ』シリーズは、HSS 構成・金属カバーなしのストラトを基礎として開発されたモデルです。搭載された3つのうちどのピックアップを使うかはボディ中央下部のセレクターで選択するのですが、ヨシミさんはリアとセンターの『ハーフトーン』を選んでいるようです。これなら HSS 構成を選んだ意味が存分に発揮され、リアに配置されたハムバッカーならではのパワフルなサウンドを活かした演奏を聴かせてくれそうです!さて、ヨシミさんのギターをさらに細かく見ていくと、ボディ後方にある弦を固定する『ブリッジ』の下方に金属のはみ出した部分があるのがわかります。これは『トレモロアーム』通称『アーム』と呼ぶ金属の棒を装着する箇所で、アームを前後に揺らすことで音を揺らす『アーミング』奏法に用いるものですが、ヨシミさんはそのアームを意図的に外しているようです。ヨシミさん自身はまだギターに慣れていないようで、そういう複雑な演奏をするにはまだ早いという判断なのかもしれません。地味ですが、初心者であることを表現するための重要な描写です!もちろん初心者でなくともアームを外す人もいます。その理由はごく単純で、アームを使わない演奏スタイルのためです。続いてボディ全体を見てみると、ピンク色の塗装は Fender では珍しいと思いますが、全くないというわけではありませんし、費用は嵩みますが塗装をやり直すこともできます。ボディに装着された白色のピックガード、こちらは非常に一般的です。ケーキなどのステッカーはヨシミさんが自分で貼ったものでしょう。またボディから伸びるネックやヘッドと呼ばれる部分はメイプルという木材で、ギターやベースではよく使われるものです。ネックの前面に貼られる木材を『指板』と呼び、ヨシミさんのギターは指板もネックと同じメイプルです。こういった木材の種類によってサウンドの傾向に違いがあるのですが、メイプル指板はサウンドの輪郭がハッキリとし、立ち上がりが良いとされています。ですが、ヨシミさんのギターの指板には一つ非常に珍しい箇所があります!ギターやエレキベースは指板に『フレット』という細い金属が打たれており、弦を押さえてフレットに触れさせることで安定した音程がとれるようになっています。「ギター」に対して「エレキベースは」と表現したのは、アコースティックギターにもフレットはありますが、エレキベースの元となったコントラバスにはフレットがないためです。プレシジョンベースの名前にある「プレシジョン」は「正確」という意味で、フレットがあることで正確な音程が出せますよ、という意味を表しています。この命名はコントラバス奏者側からするとかなり不満のある表現で、またエレキベースでも敢えてフレットをなくした『フレットレスベース』と呼ばれるものがありますが、あまりにも脱線するため内容は割愛します!このフレットを押さえる場所がひとつ上がるごとに音程が半音上がるようになっており、12 フレットで 1 オクターブ上がることになります。そして指板上にある『インレイ』と呼ばれる装飾はその箇所がどのフレット位置かの指標となり、その形状はギター・ベースにより様々ですが、ヨシミさんのギターやカズサさんのベースでは『ドット・インレイ』もしくは『ドット』と呼ばれる丸いものが採用されています。ドット・インレイはエレキギター・エレキベースを問わず、3・5・7・9 フレットに一個ずつ、12 フレットに二個、そして 15・17・19・21 フレットに一個ずつ配置されます。伝統的なストラトは 21 フレットまであり、また現代的なスペックでは 22 フレットで、ヨシミさんのギターは後者ですが珍しいというほどではありません。では何が珍しいのかというと、そのインレイが白色であることです!通常、ヨシミさんのギターで使われているメイプル指板では黒いインレイが採用されます。色の薄いメイプル指板では白いインレイは見えづらいということですね。そのためメーカーの標準仕様としては考えにくく、前述したボディ塗装の珍しさ、そしてヨシミさんのお財布事情を考慮すると、「誰かが購入したストラトをピンクに塗装してインレイを白色に交換したものの、何らかの事情で手放し、それをヨシミさんが中古で購入した」と考えられるのではないでしょうか。またヨシミさんのギターケースはセミハードケースと呼ばれる堅牢性の高いちょっと高級なケースです。それだけギターを大事にしているということなのかもしれません。ちょっとした描写から様々なストーリーが読み取れる、これも楽器の面白さの一つですね!

では続いてカズサさんのベースを見てみましょう!これが Fender のジャズベースであることは前述しましたが、こちらはヨシミさんのギターと違ってごく標準的なスペックで構成されています。強いて言えばジャズベでは水色がかった『Lake Placid Blue』や緑がかった『Tidepool』、若干くすんだ色の『Forest Blue』が採用されがちですが、このような青がないというわけではありません。またヨシミさんのギター同様に白色のピックガードも一般的です。ピックアップを見てみると、ジャズベは60年代と70年代でリアのピックアップ位置が微妙に異なります。ブリッジとの距離やボディ下部にあるコントロールノブとの相対位置から判断するに、カズサさんのジャズベはリアピックアップがフロント寄りの60年代スペックを踏襲しています。Fender の現行ラインナップもフロント寄りが標準となっているので、これは妥当でしょう。フレット数も 20 で、こちらも60年代スペックとしては標準的ですね。現代では 21 フレットまであるモデルもあります。ヨシミさんが現代的なスペックなのに対してカズサさんが伝統的なスペックなのは面白いですね。二人の性格を反映しているようにも思えます!そしてヨシミさんのギターと比較して見た目で大きく違うのは、その指板が茶色いことです!これはローズウッドという木材で、メイプル同様にギターやベースの指板として昔から使われているものですが、近年その数が減ったためワシントン条約により取引規制がかかり、現在は各メーカーの在庫頼りになっています。ローズウッドの代わりにパーフェローなどの木材を代替品として使用しているケースもあり、もしかするとカズサさんのベースもパーフェロー指板かもしれませんが、ローズウッドの方が濃い色になる傾向があるため、ローズウッドの可能性が高そうです。インレイに注目してみると、3D モデルではインレイがなくジャズベとしては珍しいように見えますが、立ち絵ではドット・インレイがあるため、どうやら表現揺れのようです。また先ほどインレイの位置について触れましたが、カズサさんの立ち絵では 12 フレット以降のインレイ位置が1つずつ手前にズレてしまっています。こういった揺れやミスはブルアカでは珍しいですね。もしかするとリリース時には修正されているかもしれませんので、この点は要チェックです!またヨシミさんのギターではメイプル指板に白色インレイが珍しいといいましたが、ここで使われているローズウッド指板では白色インレイが標準です。青色ボディが現行のラインナップにはないと考えると、カズサさんもヨシミさんと同じく中古で買ったベースにステッカーを貼ってアレンジしている可能性が高いでしょう。どうやって楽器を手にしたか、という部分もイベントストーリーで語られることが期待できますね!カズサさんのベースケースはギグバッグと呼ばれるもので、重さや堅牢性、収納力のバランスがとれたものです。普段から持ち運ぶには扱いやすいものですが、Fender の純正ギグバッグではないようです。中古品は純正ケースがつかないことも多いため、これはこれでリアルな表現です!

余談ですが、ギターは弦が6本、ベースは4本というのが標準です。より広い音域を求めて7弦・8弦のギターや5弦・6弦のベースも多くあり、さらにそれ以上に増やしたものもありますが、演奏する楽曲やスタイルにあわせて選ぶことが大切です。さらに余談ですが、サンリオのシナモンさんがそのかわいさに反して5弦ベース使いだと判明して界隈がざわついたことがありました。これは5弦ベースのほとんどが低音方向に弦を増やし、メタルを始めとしたハードな音楽で使われることが多い傾向にあるためです!ですが、あくまで「傾向」というだけで、現在ではポップスでも5弦ベースが使われることが増えています。好きなミュージシャンが何弦のギターやベースを使っているか、ライブや PV で観てみるのも面白いですね!

さて、先ほど「世界中のメーカーがジャズベを独自に発展させたモデルを開発・販売しています」と解説したことを覚えているでしょうか。これはストラトや他のスタンダードモデルでも同様のことが言え、パッと見では判別ができないように見えるモデルが大量に存在しています!では何をもって「Fender の」と断言しているのでしょうか?その答えは先端部分である『ヘッド』の形状です!実は過去には Fender に限らず人気のあるギター・ベースが多くのメーカーによって「丸ごとコピー」されていた時代があります。使用する木材やその品質、ピックアップや工作の精度などによって出るサウンドは違ったものになり、さらに正確にいえば同じメーカーの同じモデルでも微妙な違いはあるのですが、共通するものが多いほどサウンドは似た傾向になります。そしてコピー品が存在する理由は「本物より安いから」です。コピー品とはいえ社名はそれぞれのメーカーのものが使われていましたが、意図的に本物に似せたようなロゴもあり、本物を作っているメーカーからすると面白くない状況です。そのため昔からコピー品との諍いは数多くあったのですが、裁判などを経て「全体が似ていてもヘッド形状が違えば OK」ということに落ち着きました。ヘッド形状は目立つこともあり、各メーカーが独自のヘッド形状を制作しており、そのシルエットだけでメーカーを特定するのは難しくありません。そして Fender のヘッドの最大の特徴が、先端にコブのように突き出た大きな丸い形状です!ヨシミさんとカズサさんの楽器が「丸ごとコピー」時代のものである可能性は否定できませんが、敢えてそうする理由はないため、Fender のものと解釈してよいと考えます。深読みしすぎだと思いますが、カズサさんの立ち絵でちょうどヘッドのコブ部分を隠しているのはちょっと面白いですね。ちなみに同じ Fender のギターでもテレキャスターはコブの大きさが控えめになっています。なおブルアカと Fender が正式に協力しているわけではないため、登録商標である『Fender』や『Stratocaster』『Jazz Bass』の名前はどこにも出てきませんし、本来ヘッドにある社名やモデル名が書かれる箇所には別の文字が刻印されています。
そうするとコピー品と解釈できなくもないですが、ここは大人の事情だと考えることにしましょう!よくあることです!

ここらでヨシミさんやカズサさんと同じ楽器がほしい!と考えてきたところでしょうか。しかし、前述した通りヨシミさんのストラトはおそらく改造仕様、またジャズベも現在は青色ボディがラインナップされていないため、どちらも容易には入手できませんし、初心者でしたら中古品はオススメできません。近いモデルを新品で買った上で再塗装やインレイ交換を行うのが一番の近道ですが、その作業はアマチュアには非常に困難ですし、プロに依頼すると6万円以上かかるとみていいでしょう。最終手段として『カスタムショップ』というオーダー品もありますが、60万円以上という価格、1 から作るための長い納期を覚悟する必要があります。もちろん最高の品質のものが得られますが、それがヨシミさんやカズサさんの楽器と同じものかというと、価格的に疑問は残りますね。その楽器にベタベタとステッカーを貼るのもまた勇気がいりそうです。ブルアカのスタッフも罪な選択をしたものですね!今後ブルアカのコラボモデルが出る可能性はありますが、Fender は過去にそういったコラボには手を出していないため、コラボモデルが出てもおそらく別のメーカーとなり、結果としてヘッド形状はそのメーカーのものとなるでしょう。またコラボモデルが出るには時間が必要ですし、『けいおん!』『ぼっち・ざ・ろっく!』ブームの時に同じタイプの楽器が姿を消したように、Fender ではなくてもピンク系のストラトタイプや青系のジャズベタイプが手に入らなくなるかもしれませんね!

二人の演奏についても解説します。ヨシミさんの演奏するエレキギターでは『ピック』と呼ばれる小さなセルロイドの板を使う『ピック弾き』が多く見られます。セルロイドの他にも多様な材質、形状、大きさ、厚み、色や印刷など数多くありますので、これは特定が難しいものの一つです。見た感じでわかるのはティアドロップ型で厚さは薄め、赤い下地にワンポイントの印刷が入ったもの、ですね。ワンポイントの印刷はロゴか何かのようですが、よくわかりません・・・。ピック自体はオーダーして作ってもらうこともできますので、放課後スイーツ部のバンド『SUGAR RUSH』ロゴのシルエットかもしれませんね。一方でカズサさんの演奏するベースは、前述したスラップとギター同様のピック弾きの他に、指で弦を直接弾く『指弾き』があります。指弾きは親指を弦やピックアップの上に乗せ、人差し指と中指を交互に動かす『2フィンガー』が一般的で、カズサさんも EX スキル演出でそのように演奏しています。が!カズサさんは EX スキルを発動した直後、突如としてピック弾きに変化します!ピックは小さく収納は容易で、プロでもうっかり落としてしまった時などトラブルに備えて予備を持っておくため、どこからか取り出して奏法を切り替えたのでしょう。え?アイリさんの EX スキル演出の導入と後半はピック弾きなのに、中盤だけ指弾きになっている?ヨシミさんのマイクが演出によって出たり消えたりする?こ、これは、EX スキル演出をライブ全体にすると時間が長すぎるため、ダイジェストに編集されているんです!そうです、忙しい先生のためにそうなっているんです!これ以上細かいことを言うようでしたら、トリニティの流儀に従ってロールケーキをぶつけますよ!ギターとベースの解説は以上となります!

・・・では気を取り直して、アイリさんのキーボードについて説明していきましょう!キーボードは見た目通りにピアノを電子楽器としたものですが、アイリさんが使っているものはシンセサイザーと呼ばれ、厳密には似て非なるものです。キーボードとはピアノやギター、ベース、ドラムなどの様々な楽器の音が鳴らせるものですが、シンセサイザーは「音そのものを作り出す」ことを目的とした楽器です。基本的な原理は『正弦波』や『三角波』などのシンプルな波形に様々なエフェクトをかけていって音を作り出すというもので、既存の楽器のような音も作れますし、全く新しい音まで作り出せる自由さがあります!またシンセサイザーは鍵盤型とラック型の2種類に分けられますが、アイリさんのものは見た通りの鍵盤型になります。鍵盤型のシンセサイザーは広義の意味でキーボードと呼ばれることも多く、どちらを指すかは文脈によって変わります。楽器としてのキーボードとシンセサイザーがあり、それらを総称するのもまたキーボードというわけです。さて、キーボードなどの電子楽器はその複雑さからギターやベースほどのカスタマイズ性がなく、基本的にはメーカーが作ったものをそのまま使うことになるため、特定は容易です。アイリさんのキーボードを見てみると、背面にあるロゴやモデル名、また前面にある「PHRASE PAD」という特徴的な部分から、Roland の『JUNO-DS』シリーズ、サイズから見るに『JUNO-DS61』だとわかります!Roland は日本の大手メーカーで様々な電子楽器を作ってきましたが、『JUNO』とは80年代に大ヒットしたシンセサイザーで、JUNO-DS はその最新モデルです。Roland のシンセサイザーの中でもエントリーモデルに位置づけられる価格帯で、アイリさんでも手に取りやすいですね!また本体以外に目を向けてみると、キーボードは本体が薄くそのままでは演奏できないため、X 型と呼ばれるタイプのスタンドに置いて使っています。X 型は折りたたみ可能で運びやすく、ストライカーとなったアイリさんには最適な選択です!ここでは Roland 純正のものではなく汎用的なスタンドが使われているようで、これもまた特定は難しいです。持ち運びに使うケースは JUNO-DS 純正のものではなく、色は違いますが Roland の『CB-B61』が元になっているのでしょうか。こちらもカズサさん同様、セットで売られていた中古品を購入したのかもしれません。

さて、EX スキルを発動した皆さんの周囲に目を向けると、それぞれアンプやスピーカーを置いているのがわかります。これはエレキギターやエレキベース、そしてキーボードは楽器本体だけでは大きな音が出せないので、別途アンプやスピーカーが必要になるためです。エレキギターとエレキベースではアンプとスピーカーをそれぞれ『ヘッドアンプ』『キャビネット』と呼び、これらは同じメーカーで組み合わせることが多く、ヨシミさんとカズサさんもそうしています。ヨシミさんのヘッドアンプとキャビネットは Marshall のもので、エレキギター用としてはメジャーです。サイズから判断するとヘッドアンプは『DSL100H』、キャビネットは『MX412A』の組み合わせでしょう。カズサさんは Ampeg のものを使用しており、こちらもエレキベース用としてはよく使われるものです。ヘッドアンプは『Heritage SVT-CL』、キャビネットは『Heritage SVT-810E』の組み合わせでしょう。もちろんそれぞれ旧型モデルの可能性もありますが、現行モデルで考えた場合はこれらの組み合わせでよさそうです。なおヘッドアンプやキャビネットはその価格や大きさ、何より膨大な音量のため個人で所有するのは難しく、さすがにこれはトリニティにあったものと考えてよいでしょう。またヨシミさんの組み合わせでは 60kg、カズサさんの組み合わせでは 100kg にも到達するため、どうやって運んでいるのかとても気になります!ちなみに『レンタルスタジオ』と呼ばれる練習用のスタジオではこれらの機材が置いてあることもありますので、事前に調べて行けばヨシミさんやカズサさんのサウンドを再現できるかもしれません!ヨシミさんとカズサさんはマイクも立てていますが、赤いラインが象徴的ですので、これは audio-technica の『AE6100』でしょうか。このマイクは『ハイパーカーディオイド』という特性をもち、きちんと正面を捉えないとうまく声が拾えないタイプです。指に絆創膏をたくさん貼るほど頑張って練習しているヨシミさんに対してカズサさんは余裕があるように見えるため、過去に楽器経験があったように思えます。と見せかけて裏で必死に練習している、というのもギャップがあって良いですね・・・!そのマイクを立てるスタンドは汎用的なものが使われているため、これも特定が難しいです。そしてアイリさんのキーボードアンプですが、これはアンプとスピーカーが一体となったもので・・・ううっ、情報量が足りなくてこれだけでは特定することができません!右上の明るい箇所から Behringer の『K900FX ULTRATONE』かとも思ったのですが、こちらは正方形に近いサイズのため、アイリさんの横長のキーボードアンプとは違うように見えます。力不足でご期待に添えず、申し訳ありません・・・。

最後にナツさんのドラムですが、これはロゴの雰囲気から判断して日本の三大ドラムメーカーの一つ、TAMA のドラムでしょう。ナツさんは『バスドラム』『ハイタム』『ロータム』『フロアタム』『スネア』『ハイハット』そして3つの『シンバル』という構成で演奏しています。ドラムをセットで購入するとシンバルは2つの場合が多いですが、必要になればいくらでも増やしていけるのがドラムの強みですので、特に不思議ではありません。バスドラムの表面が黒く塗装されているのが特徴的で、ハイタム・ロータムの固定金具の形状も踏まえて考えると、『Imperialstar』モデルが該当するようです。こちらもアイリさん同様にエントリーモデルになりますが、ドラム全体を自分で購入・運搬する人は少ないため、これもトリニティに元からあったものと推測します。ちなみにドラム全体は難しくとも、シンバルやスネアだけなら持ち運びやすく、また演奏者の色が出やすい部分でもあるので、そこだけ自分のものを持ち運んで使う人もいます。またドラムを演奏するには『スティック』を使用しますが、これもまた多種多様にあるため、ピックと同様に特定することは難しいです。立ち絵からわかることは標準的な形のスティックで、色をみるにオーク材のものだろうということです。それよりナツさんで気になるのは、ドラムやスティックよりもどういった演奏をするのかですね!ドラムやベースのいわゆる『リズム隊』はバンド全体の芯となり、リズムやテンポをしっかりキープする必要がありますが、ナツさんの性格を考えるとリズムを滅茶苦茶にしてベースのカズサさんに怒られる、という構図が目に浮かぶようです・・・。とはいえ、アイリさんの EX スキル演出でバンド全体をしっかりと見渡していることが確認できますので、スイーツが懸かっていることもあり、本番では真面目に演奏するのではないかと思います!なおドラムはそのままでも大音量が出ますので、大きなステージでなければアンプはスピーカーは不要です。小さなライブハウスやジャズバーに行けば、その生音の迫力を体感できると思います!

まとめると、ヨシミさんは

  • Fender のストラトキャスター、22 フレット

  • ピンク色ボディに白色ドット・インレイという改造モデル

  • ヒックアップは HSS 構成、リアとセンターのハーフトーンを使用

  • アームを外している

  • セミハードケースを使用

  • アンプとキャビネットは Marshall

カズサさんは

  • Fender のジャズベース

  • ごく標準的な60年代スペック、20 フレット

  • 青色ボディだが現行ラインナップにはない

  • 非純正のギグバッグを使用

  • アンプとキャビネットは Ampeg

  • マイクは audio-technica の AE6100

アイリさんは

  • Roland  の JUNO-DS61

  • スタンドは X 型の汎用スタンド

  • ケースは Roland の CB-B61?

  • キーボードアンプは不明・・・

ナツさんは

  • TAMA の Imperialstar

  • シンバルを追加している

  • オーク材のスティックを使用

となります!

以上がイベント『-ive aLIVE!』に登場する機材についての解説になります!
いかがでしたでしょうか?
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