コロナ禍のヒゲダンディズム問題（ＵＯＭＯコラム）2022

ステイホームでヒゲを伸ばし始めた俳優たち

　ハリウッドの俳優たちがヒゲを伸ばした自撮り写真をＳＮＳにアップするのが流行ったことがあった。「ステイホーム」が世界の合言葉になっていたコロナ渦の初期、人前に出る機会が減ったスターたちが、ここぞとばかりにヒゲを伸ばし始めたのだ。普段見ることの出来ない姿が披露されることにＳＮＳで見るファンたちも喜んでいた。
　多くの男たちが、これに影響されてヒゲを伸ばし始めたことだろう。だが、はたと、ある事実と向き合うことになったはずだ。ヒゲはマスクをした時に邪魔になる。ヒゲをのばすことでマスクの効果が下がる可能性については、ＷＨＯも指摘していたこと。マスクとヒゲの相性はよくはないのだ。
　いや、待て。ＷＨＯのテドロス事務局長といえばヒゲじゃなかったか。やはりヒゲが生えている。組織と個人は別ということか。
　いろいろと世間の批判の矢面に立たされるテドロスだが、短髪、メガネ、口ヒゲの組み合わせは、威厳と愛嬌が両立したあのキャラクターを形成する絶妙な要素。正直、非西洋系の中高年男性がめざす方向として悪くないなと、彼を最初に見た時から思っている。わからない。少数意見ではあるだろうが。

ヒゲを剃るのは、通過儀礼でもある