マガジンのカバー画像

思索

110
つれづれ。
運営しているクリエイター

2019年9月の記事一覧

私は私を愛したい【リレーエッセイ⑩】by逸見(はやみ)

この記事は、リレーエッセイ企画「あぁ、愛しのコンプレックス様」10番手として書かせていただくものになります。9番手は逢坂志紀さん。11番手は最後に発表します。お楽しみに。 ナルシシズム全開のタイトルで少し恥ずかしいのだけど、今回はコンプレックスがテーマのお話。 かつての私はコンプレックスまみれだった。今もまあまあまみれている。コンプレックスと共に生きてきて、コンプレックスを解消することが人生の課題だと思うくらいには、私とコンプレックスは切っても切れない関係がある。 きっ

共感されないであろう孤独の裡をしたためる

たぶん、共感してもらえないだろうな、と思っていることを試しにしたためてみる。 これまでいろんなことに手をつけてきて、どれも続かなかった。理想が高く自分に厳しい性格も相まって、ろくに続かない自分が、何一つ物にならない半端ものだとずっと思っている。器用貧乏という言葉がぴったりだ。 そんな私に唯一残ったのが「言葉を綴ること」だった。「書くことだけは、好きだから続けていられた」……と、普通なら続くところだけれど、私の自覚としては、書くことは別に好きではなかった。でも、書かずにはい

ありのままの自分を受け入れることは絶望と共にある

「ありのままの自分を受け入れて自由に生きよう」 とても優しい言葉で、明るい未来の示唆のように思える。 「ありのまま」を受け入れることは確かに喜びもあるけれど、それと同じくらい苦しみがある。 自分を受け入れるということは、諦めることと似ている。 自分が必死にしがみついている「理想の姿」「あるべき姿」を手放すことでもあるからだ。 自分がこれほどまでに脆弱で、未熟なのだということを思い知らされるということ。 「ああはなりたくない」と見下す他人の側面が、自分の中にも存在す