マガジンのカバー画像

思索

110
つれづれ。
運営しているクリエイター

2019年5月の記事一覧

ここではないどこかへ

心の中に、ひとつの居場所に安定していたい気持ちと、縛られたくない気持ちが同居している。 穏やかな集まりに憧れる反面、同じ所に居続ければ飛び出したくなる。 好奇心が疼き、新しいもの、ここではないどこかの未知の可能性が気になって仕方なくなる。いてもたってもいられなくなる。 でも、できない。 何故なら私には呪いがかかっているから。 苦労して手に入れた居場所を手放せば、もう自分は終わってしまうというのではないかという恐怖に支配される。そして身動きが取れなくなり、安寧のぬるま

言葉は鏡として

ある日突然、これまで尊敬していた人の言葉が響かなくなることがある。 そういう時、「あの人は変わってしまった」と失望するのではなく「自分が変わったのかもしれない」と内省するようにしている。というかしてしまう。 ここで言う内省とは「失望してしまう自分は器が小さい」と自責に駆られることではなく、「自分の中で何かが変わったのかもしれない」と気付くことだ。 ただ、情緒不安定な私は、人生そのものに絶望してしまい、自分以外の全てが憎らしく見える時もあるため、自分の感情はあまり信用しな

ぜんぶ、自分なんだ

私は時折、脳みそだけ、肉体を超えた存在になりたいと思う時がある。攻殻機動隊の素子さんとか憧れる。ああいう世界観は、現実にあるといやだな、とは思うけど。 自分の肉体がきらい。きらいだけど、すき、すきだけど、きらい。 たとえば体型。標準よりはるかに重い体重。これでも1番太っていた時よりは痩せたけど、あらゆる部分がだらしない。それに顔。見る人が見れば美人らしいけど、自分の顔面はそこまで好きではない。メイクするのは、自分の顔面が少しでもマシに見えるようにするため。 そんなことを

コンプレックスだらけのアラサー女が自分を受け入れるためにやってきたことまとめ

私はコンプレックスだらけで自己肯定感がすこぶる低く「何の役にも立たない、こんな自分は生きていないほうがいい」そんなふうに考えていた時期がありました。 全てを乗り越えられたわけではなく、今でもたまにそう考える時はあります。 それでもなんとか、それなりにじわじわと、昔よりは自分に対しての嫌悪感や罪悪感は軽くなり、「自分って捨てたもんじゃないな」と思えるタイミングが増えてきました。 そんな自分が、これまで数年間、自己肯定感を高めるためにやってきたこと、その中でもやってよかった

満月の夜に思うこと

月が満ちた。 空を見上げると、明るい満月と筋雲、そして少し離れたところにその明るさにも負けない金星が煌々と輝いているのが見えた。 実は最近、星読みに興味があって、それによると、月の満ち欠けやほかの天体との位置関係は、人の無意識に影響を与えるという。たとえば有名なところでいうと、満月の夜には凶悪犯罪が起きる、とか。 信じる信じないは別として、月の引力で潮の満ち干きが起きるように、我々の体にも何かしらの影響が起きていることは事実なのだと思う。 月が満ちていくにつれ、人は溜

言語化できていても、気持ちの整理がついてるとは限らない

辛い経験を言語化するというのは、しんどい。とても労力のいることだ。 そういう理由もあるから、カウンセラーやセラピストはよく「話したくなかったら無理に話さなくていいですよ」と言うのだろう。そして、やはり「話すのが苦しいから」と、話さない選択をする人もいる。 だからこそ「辛い経験を言語化できるようになる」というのはある程度「乗り越えた」指標とされることもあるが、そうではないこともある。 それはたとえば、話し手が「辛い経験を言葉にすること」の負荷に鈍感……もとい、気付いていな

違うからこそうまくいく関係

我々は似たもの夫婦とよく言われるし、お互いに価値観が合うことも多い。実際、かなり仲が良いと思う。夫婦というより相棒のような感覚だ。 けれど、決定的に違うところもいくつかある。でも、違うからこそバランスがとれているなと改めて感じた出来事があった。 やられたらやり返すか否か先日、GWの帰省の行き帰りの車の中、旦那と「ひどいことをされた時、やり返すか否か」という話をしたのだけど、その回答がお互いに全く違って面白かった。 その時話した「もしも」の話。 「もし、付き合っていた異

生きていてくれるだけでいい

社会人一年目の自分に言いたいことがあるかな、と考えたけど、言葉に詰まってしまった。 あの頃の自分は、とにかく必死だった。 入社してすぐは、専門学校で習ったことが全然活かせなかった。 同期はみんな別の事業所、周囲の先輩は今まで付き合ってきた人たちと違いすぎて、うまく馴染めなくて孤立してしまった。 家族とも折り合いが悪くて、誰も信じられない。そんな中でも、決して折れるまいと、実力を磨けば認められる、と自分を奮い立たせていた。 もうコップに水がめいっぱいどころか、溢れてる