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自治体の長による往来制限

ドローンを飛ばして鳥になろう

島国の日本やイギリスで水際作戦失敗したのに、陸続きの都府県でいまさら水際作戦展開してどうするつもり？

新型コロナウイルスがしだいに全国に広がるなか、都道府県と市町村の長が来訪者をいつどのように制限したかをこの記事では記録する。自地域住民の行動を制限するのは首長としてありうるかもしれないが、他地域からの来訪を禁じるのは人権・私権の制限にあたると考えるからである。

人が移動すると感染が広がると言う人がいるが、ウイルスは人と人の接触によって広がっていく。人が移動すると感染地域は広がるが、人と接触しないなら感染者数は増えない。人が都市から田舎に移動すると人口密度が減るから、人と人の接触が減って、むしろウイルスの広がりが抑制される。

3月19日、大阪府知事と兵庫県知事

大阪府の吉村知事は、3月19日夜、緊急の記者会見を開いて、20日から22日まで３連休の間、大阪府と兵庫県の間の不要不急の往来を控えるよう求めた。これを受けて、兵庫県の井戸知事は、大阪をとくに名指しして、大阪やそのほかの地域への不要不急の行き来を自粛するよう呼びかけた。

吉村知事は翌日、厚労省から受け取った提案文書をツイッターで公開した。それには「大阪府・兵庫県内外の不要不急な往来の自粛を呼びかける」とあった。府県境をまたぐことだけでなく府内県内の移動も自粛しろとの趣旨だった。

3月27日、石川県知事

石川県の谷本知事は、観光業が冷え込むことを恐れて、「無症状の人は石川県にお越しいただければ」と述べた。

記者会見での谷本知事の発言要旨（毎日新聞）
◆記者　石川県民が東京に行かないことは理解できるが、東京など都市部からの観光客は県内にも流入している。感染対策は。
◆谷本知事　（前略）自宅でずっと自粛生活を続けるのは人間として耐えられない部分がある。どこかで息抜きをしたいという気持ちがあれば、無症状の人は石川県にお越しいただければ。新幹線もあり、2時間半で来られるので。東京から来る人はみんな感染している可能性があるから一切受け入れないという決断をすると、地元の産業に甚大なダメージを与えるということになる。そんな鎖国政策を取ることはできない。

4月1日、報道陣からの批判的質問に答えて谷本知事は次のように述べた。

谷本知事は会議後の報道陣の取材に、県の主力産業である観光業界が大きな打撃を受けていると指摘した上で「無理やり誘客することはできないが、息抜きがしたい人が来れば兼六園は桜も満開だし、幸い密閉、密集、密接とはほど遠い状況なのでゆっくりと散策を楽しんでもらえば」と述べた。（毎日新聞、4月1日1608）

3月29日、佐久市長

佐久市の柳田市長は、コロナ疎開と呼ばれる田舎への移動を断る意向を鮮明に示した。4月6日は、緊急事態宣言地域から脱出して来ないでほしいと繰り返した。

3月30日、岩手県知事

岩手県の達増知事は、東京都・神奈川県・埼玉県から岩手県を訪問したり帰省して来た人に、不要不急の外出を2週間自粛するよう要請した。

4月7日、宮崎県知事

宮崎県の河野知事は、緊急事態宣言が出される直前に、指定される予定の7都府県から宮崎県への帰省・移動しないよう要請した。

4月7日、総理大臣の緊急事態宣言

安倍総理大臣は、緊急事態宣言のなかで、「地方に行くのは厳に控えていただきたい」と述べた。

「海外では都市封鎖して、多くの人が都市を抜け出して大混乱。感染が広がったところもあります。」
「地方に行くのは厳に控えていただきたい」

4月7日、群馬県知事

群馬県の山本知事は、緊急事態宣言を受けて、7都府県から群馬県へ来ないように、一時的な避難（コロナ疎開）をしないように求めた。帰省する場合も、2週間自宅待機するよう求めた。

4月13日、軽井沢町長

首都圏に住む人の別荘が多くある軽井沢町の藤巻町長は、「来るなとは絶対に申し上げるつもりはない」とインタビューに答えた。

軽井沢観光協会の工藤朝美事務局長は「軽井沢は別荘族のおかげで生活できている人も多く、『来ないで』とも『ウエルカム』とも言えない。別荘も自宅なので、不要不急の外出とも言いにくい」と複雑な胸中を明かした。藤巻進町長も「別荘の方たちに来るなとは絶対に申し上げるつもりはない」と言葉を濁す。（時事通信）

4月14日、茨城県知事

茨城県の大井川知事は、東京などの緊急事態宣言地域から感染者が流入していることを理由に、県民に外出しないようアナウンスした。

4月15日、神奈川県知事

神奈川県の黒岩知事は、湘南海岸に県外車が押し寄せていることを理由に、駐車場の利用制限を始めることを明らかにした。そして、県外から神奈川県に来ないよう要請した。

神奈川県の黒岩祐治知事は15日午後、記者会見で、「先週末（11、12日）に湘南地域に県外からの車がドッと押し寄せ大渋滞が発生した。ドライブだけであっても休憩や買い物ができる場所は限られていて、感染拡大の恐れがある」として、湘南地域に訪れないよう呼びかけた。
　それに伴い、今後、地元から要請があった鎌倉市、逗子市、葉山町などの県駐車場を、早ければ15日から利用制限することを明らかにした。
　黒岩知事は、県民に外出自粛を強く呼びかけていることから「県外の皆様も、県をまたいでの往来は当面自粛をお願いしたい」と話した。
（毎日新聞）

4月16日、総理大臣

安倍総理大臣は、ゴールデンウイークの人出を最小化するために、都道府県をまたいで移動することを蔓延防止の観点から絶対に避けてほしいと述べ、緊急事態宣言を全国に拡大した。

（冒頭発言）一部にコロナ疎開と呼ばれるような、外の地域への人の動きが見られるとの指摘があります。間もなくゴールデンウィークを迎えますが、感染者が多い都市部から地方へ人の流れが生まれるようなことは絶対に避けなければならない。それは最も恐れるべき事態である、全国的かつ急速なまん延を確実に引き起こすことになります。
（記者質問に答えて）特にこの大型連休、ゴールデンウィークを迎えるに当たって、長期間の旅行や、また帰省等で多くの人が移動するということが予想される中にあって、人の移動を最小化するとの観点から、全国を対象にしたところであります。（4月17日記者会見）






　

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