槍ヶ岳と天狗原、氷河が残したホルンとモレーン
槍ヶ岳は四方を氷河で削られて残った尖峰だ。地形学ではこれをホルンという。東鎌尾根、北鎌尾根、西鎌尾根、そして大喰岳へ伸びる尾根の間にそれぞれ氷河があった。大喰岳へ伸びる尾根と西鎌尾根に挟まれた飛騨沢は、槍ヶ岳山荘がある肩で止まって槍ヶ岳に届いていないように地形図では読めるが、現地に行って弓折岳付近から見ると飛騨沢の斜面が槍ヶ岳まで連続的に続いていることがわかる。
槍沢の中途にネックレスのように垂れ下がるグリーンバンドは、氷河が残した大きなモレーンである。礫まじりの砂泥からできている。殺生ヒュッテも、より短い(より新しい)別のモレーンの上に建っている。
槍沢の南に隣接する天狗原にはモレーン地形がよく残っている。中央に固い岩盤があったから氷河は左右二手に分かれて流れ下った。
天狗原のさらに南に右俣カールがある。カール底にモレーンが見える。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?