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地層に割り入ったマグマ

富士山の宝永火口北西壁に露出するダイク群。十二薬師岩という。中心火道を上昇してきたマグマが、放射方向に水平に移動してつくった。1707年噴火で噴火口が拡大したときの浸食に抗して残った。
 ダイクは脈(1次元構造)ではなく板(2次元構造)であることがよくわかる。多くは平行しているが、一部は交差している。ダイクの数だけ地表で割れ目噴火が起こった。

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榛名山の掃部ヶ岳に露出するダイク。掃部ヶ岳は30万年前にできた古い火山体である。浸食によって周囲にあったもろい地層だけが失われて露出した。遠景は浅間山。

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十和田湖の中湖に突き出す烏帽子岩ダイク。6300年前の中掫噴火で中湖火口が拡大したときにできた。向こうに御倉山溶岩ドーム。さらに遠くにカルデラ壁(御鼻部山)。

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静岡県南伊豆町妻良(めら)の海食崖に露出する蛇下りダイク。

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伊豆下田の爪木崎(つめきざき)には、俵磯(たわらいそ)と呼ばれる見事な柱状節理が露出している。伊豆半島がまだ海の下にあった時代、海底に積もった柔らかい地層に間にマグマが分け入ってシルと呼ばれる岩体ができた。

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それがゆっくり冷える過程でこのような規則的な柱状節理ができた。そのあと隆起して海面上に現れたが、当時の水平面は西に20度傾いている。これは地上写真。

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