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地震で隆起した海岸

(扉写真)青森県深浦町千畳敷。波浪浸食でできた波食棚が1793年2月8日の地震で隆起した。できたばかりだ。山側に広い平坦面がもう一段見える。これは10万年くらい前の古い段丘だろう。

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千葉県白浜町野島崎。1923年9月1日に起こった大正関東地震で1.8メートル隆起した。隆起した波食棚で灯台が取り囲まれている。海岸段丘のなかに、地震によって隆起したものがあることがここでの研究でわかった。

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山際の家並みは1703年12月31日の元禄地震で隆起した段丘の上にある。その下には大正関東地震で隆起した段丘があり、花卉栽培が盛んだ。早春には大勢の観光客が花摘みに訪れる。背後の山は高塚山(206メートル)。千葉県千倉町千田。

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海岸線と平行に4段の平坦面が砂浜にできている。段差をつくる急崖が樹木によって強調されている。最も高い平坦面は7000年前にできた。千葉県千倉町瀬戸。

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三浦半島には広い海成段丘がある。10万年ほど前に海岸でつくられた平坦面が隆起してできた。何段かあり、その形成年代は御嶽山や箱根山の軽石を用いてよく調べられている。神奈川県三浦市。

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城ヶ島では、新第三紀の三浦層群の上に後期更新世の三崎層(写真では見えない)が不整合で重なり、その上に軽石を含むローム層(植生に被覆されている)が重なって平坦面を形成している。手前の広い磯は、1703年元禄地震と1923年大正地震で隆起して海上に現れた。地層断面がきれい。

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沖縄県宮古島、東平安名崎(ひがしへんなざき)の北側(右)に散乱する津波石。1771年4月24日の八重山地震による。

鳥海山は2500年前に山体崩壊して土石なだれを日本海まで押し流した。象潟では田んぼの中に多数の流れ山が見られる。1804年7月10日の地震隆起で干上がる前は、田んぼは海で流れ山は多島海をなしていた。1689年6月にここを訪れた芭蕉が「象潟や雨に西施がねぶの花」と愛でた。

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