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雲仙岳平成溶岩ドームの崩壊リスク

住民「どこに避難したらいいのか分かりづらい。的確な避難指示がほしい」

平成溶岩ドームが崩れるとしたら地震だろう。地震は予知できないから住民避難は間に合わない。被害にあいたくないなら、いまのうちにそこから立ち去るしか方法はない。

「振動センサーや地震計、カメラ」を設置しても溶岩ドームの崩壊は予知できない。山麓住民の命は救えない。崩壊の様子を克明に記録して、火山学の進歩に資するところは大だろうが。

2万年前に榛名山に出現した相馬山溶岩ドームと、それがまもなく崩壊して山麓に展開した陣馬土石なだれの分布を見てみよう。雲仙岳と同縮尺で並べた。溶岩ドームの大きさはほぼ同じだ。標高も1400メートル余と同じだ。榛名山の陣馬土石なだれは、利根川に向かって東斜面を13キロ走った。

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もし平成溶岩ドームが崩れば、眉山が崩れて有明海に津波が発生して1万5000人が死亡した1792年5月21日の島原大変肥後迷惑を上回る大災害になる。このリスクは長崎県だけにあるのではない。有明海を挟んだ対岸の熊本県にも重くのしかかっている。

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熊本駅の標高は8メートルしかない。さて、1792年の津波はどこまで届いたのだろうか。平成溶岩ドームは、1991年5月の出現から28年が経過した。


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