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死者報告があった噴火 過去1300年間

過去1300年に日本列島で起こった火山噴火のうち死者報告があったものを書き出した。それに、死者報告がなかったM5噴火を加えた。古い時代は大きな噴火で死者が出ても文字記録として残りにくいからだ。

時代によってばらつきが大きいが、100年あたり約500人が死亡した。日本列島の火山噴火リスクは5人/年程度だ。100年に1回か2回、100人以上が一度に死んだ。まれに1000人以上が死ぬこともあった。大勢の命を奪った加害要因は山体崩壊による土石なだれと、それが水域に突入して発生した津波だ。火砕流も大勢の命を奪う。

19世紀後半から硫黄採掘や登山のために山頂火口内に人が入り込んだり接近するようになったせいで、弱い小さな噴火でも死者が出るようになった。火山島は狭くて逃げ場がないからとくに大きな噴火でなくても島民が全滅することがあった。20世紀後半から火口のすぐ近くにまで人の居住域や観光施設が接近した。現代日本社会は以前と比べて火山噴火に対してひどく脆弱になっている。

21世紀、2回、64人

2018草津本白根山1
2014御嶽山63(小石)

20世紀、31回、496人

1993雲仙岳1(火砕流)
1991雲仙岳43(火砕流)
1979阿蘇3
1974新潟焼山3
1962十勝岳5
1958阿蘇12
1957伊豆大島1
1955桜島1
1953阿蘇6
1952明神礁31(ベースサージ)
1950浅間山1
1947浅間山11
1946桜島1
1944有珠1
1941浅間山1
1940三宅島11
1939伊豆鳥島2
1938浅間山数人
1936浅間山1
1933口永良部島8
1932草津白根山2(火口内の硫黄鉱山)
1931浅間山3
1930浅間山6
1929北海道駒ヶ岳2
1926十勝岳146(ラハール)
1923霧島御鉢1
1914桜島58(地震33,溺死20)
1913浅間山1
1911浅間山3+
1910有珠山1
1902伊豆鳥島125

19世紀、11回、700人

1900安達太良山72(硫黄鉱山が熱雲に襲われた)
1900霧島御鉢2
1896霧島御鉢1
1895霧島御鉢4
1893吾妻山2
1888磐梯山477(土石なだれ)
1874三宅島1
1872阿蘇4
1856北海道駒ヶ岳19(留の湯)
1854阿蘇3
1822有珠山103(文政熱雲)
1816阿蘇1
1804樽前山多数(真偽不明)
1801鳥海山8

18世紀、9回、4800人

1792雲仙岳1万5000人(地震で眉山が崩れて、有明海に突入した土石なだれによって発生した津波による。噴火による死者ではない。)
1785青ヶ島135
1783浅間山1492(土石なだれ)
1783青ヶ島2
1781桜島38
1779桜島153
1741渡島大島3000(津波)
1739樽前山M5.2(死者報告ゼロ)
1721浅間山15
1717新燃岳1
1716新燃岳5
1707富士山M5.2(死者報告ゼロ)

17世紀、4回、500人

1667樽前山M5.4(死者報告ゼロ)
1664雲仙岳30+(ラハール)
1664硫黄鳥島多数(詳細不明)
1663有珠山5
1640北海道駒ヶ岳400+(津波)

16世紀、3回、800人

1598浅間山800(山開きの日に山頂で)
1596浅間山数人
1566霧島山多数

15世紀以前

1484阿蘇1
1471桜島多数
1410那須岳180+
1235新潟焼山M5.1(死者報告ゼロ)
1108浅間山M5.1(死者報告ゼロ)
1030摩周湖M5.3(死者報告ゼロ)
0915十和田湖M5.7(死者報告ゼロ)
0888八ヶ岳多数(平安砂層。堰止湖の決壊。噴火による死者ではない。)
0886新島M5.2(死者報告ゼロ)
0864富士山M5.5(死者報告ゼロ)
0838神津島M5.2(死者報告ゼロ)
0765桜島80+


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